北海道 市町村ガイド

日高振興局

浦河町 Urakawa

うらかわちょう

日高沿岸の行政の中心地であり、日本有数の競走馬生産地の一つである。日本初の「五冠馬」シンザンが生産された町で、牧場地帯の西舎には1,000本を超える桜が3kmにわたって並ぶ並木道がある。夏いちご、最高級の日高昆布、そして全国に知られる精神障害のある人々のコミュニティ「浦河べてるの家」でも知られる。

人口(2020年国勢調査)
12,074
面積
694.3 km²
浦河郡
公式サイト
www.town.urakawa.hokkaido.jp

主な特色

  • 軽種馬生産。 2024年、浦河町は全国の競走馬7,925頭のうち1,418頭、17.9%を生産した。日高管内の町でこれを上回るのは隣の新ひだか町(1,901頭)だけで、日高地域全体では78.8%、約80%を生産している12。2022年2月時点で、町内には軽種馬農家が153戸、繁殖牝馬が1,800頭、子馬が1,334頭いた1
  • シンザン。 シンザンは1961年、浦河町の松橋吉松の牧場で生まれた。1964年に戦後初となる三冠を達成し、日本初の「五冠馬」となった13。種牡馬として過ごした浦河町の谷川牧場に葬られており、同牧場には1983年から馬像が立っている1314
  • 優駿さくらロード。 西舎の優駿の里公園(AERU)の入口から3kmにわたって、道路の両側に1,000本を超えるエゾヤマザクラが並ぶ。5月上旬の祭りの期間中は夜間にライトアップされる1516
  • 夏いちご。 浦河観光協会は、浦河町を夏いちごの生産日本一としている17。主力品種は「すずあかね」で、空輸で東京の洋菓子店へ届けられる。本格的な生産は2004年度に始まり、以来、浦河町と様似町の販売額は約6倍に伸びた12
  • 日高昆布と銀聖。 井寒台地区は、日高で唯一「特上浜」に格付けされた昆布浜である。銀聖は、地元の定置網で生きたまま水揚げされる、銀色に輝く秋鮭のブランドである。日高全域のブランドで、2000年から管内の定置網漁業者41経営体によってつくられた18
  • 浦河べてるの家。 精神障害からの回復途上にある人々によって1984年に設立されたコミュニティである。2001年ごろに「当事者研究」を始め、1995年からは毎年「幻覚&妄想大会」を開いている19
  • 温暖な海岸と多い地震。 町は「北海道の湘南」を名乗り、夏は涼しく冬は温暖である1。この地域は地震が比較的多く11、1982年の浦河沖地震では町内で震度6を記録した20

観光・アクティビティ

自然・景観

  • 優駿さくらロード(西舎141-11)。 優駿の里公園の入口から約3kmにわたり、道路の両側に1,000本を超えるエゾヤマザクラが並ぶ。見頃は5月上旬である。名称は2004年4月に町民からの公募で決まった15
  • うらかわオバケ桜。 JRA日高育成牧場内の丘に立つエゾヤマザクラの巨木で、近くを流れるオバケ川にちなんで名付けられた。幹周は4.8mで、祭りの主催者は北海道最大としている。JRAの敷地内にあるため、一般公開は4月下旬の数日間に限られる(2026年は4月24〜26日、無料)48
  • JRA展望台(西舎535-13)。 2階建ての展望台で、JRA日高育成牧場の施設群を見渡せ、晴れた日には背後に日高山脈が見える。開館は4月1日〜10月31日、8:00〜16:0049
  • オロマップ展望台(上杵臼、国道236号沿い)。 牧場越しに海を望む。春には、のぞき穴のあるフォトスポットから遠くにオバケ桜を眺められる。開放は4月下旬〜11月下旬、無料50
  • 翠明橋公園(国道236号)。 野塚トンネルの手前にあり、日高山脈を望む。夏にはトンネル内に湧き出る水をくむことができる。飲む場合は煮沸すること。開放は4月下旬〜10月下旬51
  • 浦河サラブレッドロード。 日高幌別川沿い(西幌別)と元浦川沿い(荻伏)に広がる牧場地帯である52
  • 井寒台森林公園。 丘の上にある68haの公園で、町と太平洋を見渡す展望台や遊歩道があり、バードウォッチングも楽しめる531

温泉

  • 浦河町内に温泉地は見当たらなかった。AERUには展望浴場がある54。野深にある柏陽館は1988年に建てられた自然学習の宿泊施設で、浴場とサウナを備える1。温泉に入るなら、国道235号を西へ進んだ新ひだか町の道の駅みついしに昆布温泉がある55

博物館・史跡

  • 浦河町立郷土博物館(西幌別273-1)。 1978年に旧小学校を利用して開館した。「優駿の門」の上には32頭の馬の像が並ぶ。展示は自然、先史、開拓、漁業、農業にわたる。開館9:00〜16:30、入館無料、月曜・祝日・12月30日〜1月5日は休館46
  • 馬事資料館(同じ敷地内)。 1980年開館。シンザンの父ヒンドスタンに関する資料や、1898年製作の4人乗り2頭立ての迎賓馬車を展示している。この馬車は1907年から昭和初期まで、日高種馬牧場で貴賓の送迎に使われた。入館無料56。馬車は町の文化財である7
  • JRAメモリアルホール(西舎535-13)。 旧日高種畜牧場の明治期の事務所で、1907年以降の馬の生産の記録を展示している。開館4月1日〜10月31日、10:00〜16:00、無料22
  • シンザン馬像(谷川牧場、西幌別112-3)。 シンザンが存命中だった1983年に建立された。見学無料14
  • 赤心社記念館(荻伏15)。 キリスト教徒の開拓会社の旧事務所である。開館9:00〜16:30。見学前に博物館または荻伏支所へ連絡すること。月曜・祝日・12月30日〜1月5日は休館57
  • 伏木田光夫美術館。 乗馬公園内にあり、地元出身の画家の作品を展示している24
  • 大黒座(大通2-18)。 1918年創業の、日高で唯一の映画館である。1日4回、2作品を上映しており、館内の見学だけの来訪も歓迎している44

アウトドア・季節の体験

  • うらかわ優駿ビレッジAERUでの乗馬(西舎141-40)。 107haの園内に宿泊施設、レストラン、馬場、厩舎、18ホールのパークゴルフ場がある54。5〜10分の引き馬体験は500円。より長い騎乗は30分〜6時間(4,100〜45,300円)。JRAの敷地内を巡る日曜限定コースは、1年前から予約で埋まることが多い。参加条件は小学4年生以上、身長140cm以上、体重75kg以下である58
  • 浦河町乗馬公園(西幌別327-9)。 乗馬レッスンや競技会が行われる。開園9:00〜16:00、月曜休み24
  • 牧場見学。 まず「競走馬のふるさと案内所」に問い合わせること。厩舎や放牧地には立ち入らず、馬に触ったり餌を与えたりせず、フラッシュは使わないこと。マナーの悪い見学者のために、見学の受け入れをやめた牧場もある59
  • 登山。 観光協会は、楽古岳(1,472m)を日高山脈を最も手軽に楽しめる山としている。登山口には50人が泊まれる無料の山小屋があり、町から車で約50分である。神威岳(この資料では1,601m)はより難しく、ルートの約半分は沢を歩き、ゲートのある林道の通行には森林管理署の許可が必要で、経験者と同行すべきである。どちらのアクセス道路も冬は除雪されない60
  • その他。 釣り、バードウォッチング、パークゴルフ61

食の体験

  • 観光協会は、海鮮丼ランチ付きのお魚さばき体験、池田鮮魚店での干物作り体験、海の見えるベーカリーでのパン教室を用意している61

道の駅

浦河町内に道の駅はない。北海道の道の駅の公式住所一覧には浦河郡の駅がなく、公式サイトで「浦河」を検索しても該当する駅はない6263。最寄りの道の駅は次のとおりである。

  • 道の駅みついし(新ひだか町)。 浦河の西、国道235号沿いの三石鳧舞161-2にある。営業時間は8:45〜22:00(4〜9月)、8:45〜17:30(10〜3月)で、12月31日〜1月5日は休業。昆布温泉「蔵三」、バンガロー16棟を備えたオートキャンプ場、みついし牛すき焼き・あんかけ焼きそば・天丼を出すレストランがある。昆布、三石羊羹、こんぶ焼酎を販売している。1995年登録(登録番号18)55
  • 道の駅コスモール大樹(大樹町)。 国道236号の天馬街道で日高山脈を越えた先、大樹町西本通98にある。特産品コーナーの営業は9:00〜17:30。地元産のチーズ、ベーコン・ソーセージ、ソフトクリーム、宇宙をテーマにした展示で知られる。2002年登録(登録番号75)64

アクセス・交通

  • 鉄道。 鉄道の便はない。町内に荻伏・絵笛・浦河・東町・日高幌別の各駅があった日高線の鵡川〜様似間は、2021年4月1日に廃止された237。現在、列車は鵡川までの運行で、そこから転換バスが出ている23
  • バス。 札幌への高速バスは所要約3時間45分である65。道南バスの急行「ペガサス号」は浦河ターミナルが終点である51。ジェイ・アール北海道バスの特急「とまも号」が苫小牧と浦河を約3時間で結ぶ65。路線バスはジェイ・アール北海道バス、道南バス、日交バスが運行している65
  • 空港シャトル。 「ナナパカ号」は事前予約制の乗合便で、新千歳空港と日高管内の各町を結び、2026年8月4日から11月30日まで運行する。運行は日交ハイヤーで、財源には宿泊税の税収が充てられている66
  • 車。 札幌から高速道路を使って約2時間45分、新千歳空港または苫小牧から約2時間10分である65。苫小牧と浦河を結ぶ計画の日高自動車道は、2026年2月28日に無料区間の日高厚賀IC〜新冠IC間が開通し、新冠ICまで延びた12。町内を国道235号・236号・237号・336号が通る7
  • 十勝へ。 天馬街道(国道236号)は浦河と帯広を結ぶ139kmの道路で、全長4,232mの野塚トンネルを通る。旧ルートより約30km、50分短縮された25。帯広までは車で約2時間15分、帯広空港までは約1時間50分である65
  • 町内の移動。 主な見どころ(AERU、博物館、さくらロード、JRA育成牧場)は西舎と西幌別に散らばっているため、車での移動が現実的である。

旅のヒント

  • 訪れる時期。 桜の咲く5月上旬。いちごが旬を迎え(北海道産いちごの道外出荷は6月から11月まで12)、馬フェスタや港まつりの花火が行われる夏。産業まつりと秋鮭の9月下旬16
  • 観光案内。 浦河観光協会は大通2-27にある。営業は9:00〜18:00で土日も開いており、休業日は不定期である(TEL 0146-22-3200)31
  • 季節閉鎖。 JRA展望台とJRAメモリアルホールは11月から3月まで閉鎖される。オロマップ展望台は11月下旬から、翠明橋公園は10月下旬から閉鎖される49225051。博物館は月曜休館である46
  • 冬の国道236号の運転。 町を出る前に給油すること。浦河の最後のガソリンスタンドから次の広尾のスタンドまで約62.5km、コンビニエンスストアの間隔は約67.8kmある25。沿岸部の降雪は少ないが、山間部の状況は大きく異なることがあるため、冬に峠を越える前には道路情報を確認すること。
  • 野生動物。 役場には鳥獣被害対策室がある1。日高山脈を歩く登山者はヒグマへの対策をとり、ドライバーは特に夕暮れ時のシカに注意すること。
  • 馬。 牧場は営業中の事業所である。見学のルールを厳守すること(上記「牧場見学」参照)59
  • 地震。 この地域は地震が比較的多い11。1982年の地震では港に80cmの津波が押し寄せた20。沿岸部に滞在する際は避難経路を確認しておくこと。

浦河町についてもっと詳しく

基本情報

項目 内容
種別
振興局 日高振興局。振興局をはじめ多くの官公庁が浦河に置かれている1
浦河郡
人口 12,074人(2020年(令和2年)国勢調査)1。町の発表では、2026年8月末時点で10,824人(男5,593人、女5,231人)、6,596世帯である2。北海道の住民基本台帳人口の表では、2026年1月1日時点で11,028人(うち外国人618人)、6,628世帯である3
面積 694.30km²(国土地理院、2026年4月1日時点)4。町は694.26km²としている51
人口密度 約15.6人/km²(2026年8月の数値)、約17.4人/km²(2020年国勢調査)
沿革 1902年、浦河町外3か村の組合に2級町村制が施行された。1910年に荻伏村が分離した。1915年に1級町村制が施行され、浦河町は西舎村・杵臼村と合併した。1956年に荻伏村と合併し、現在の町となった6
隣接自治体 新ひだか町(西)、様似町(東)、日高山脈を隔てた十勝の大樹町広尾町75
シンボル 町の木は日高五葉松、町の花は日高やまつつじで、いずれも1973年5月に町民の公募によって選ばれた8。町の鳥は確認できなかった。町章は1967年6月に制定されたもので、4つのカタカナ「ウラ」で外輪を形づくり、中に「河」の字を配している。当初の組合を構成した4つの地区(浦河・西舎・杵臼・荻伏)を表し、1921年の浦河漁港起工式で初めて使われた9
マスコット うららん・かわたん。浦河高校の生徒がデザインし、名前は464件の応募から選ばれた。誕生日はともに8月8日である。うららんの好物はいちご大福、かわたんの好物はいくら丼である10。英語版ウィキペディアは双子の馬と説明している。うららんはいちごを、かわたんは日高昆布と銀聖(鮭)を持っている11
公式サイト https://www.town.urakawa.hokkaido.jp/

地名の由来

  • 町によれば、地名はアイヌ語の「ウララペツ」(霧深き川)に由来すると考えられている6
  • この名はもともと別の場所の名であった。浦河の会所は、現在の市街地から約20km西の元浦川河口付近にあった。現市街地の一帯は「ポンナイ」(小さな川)と呼ばれていた。会所がそこへ移ると「浦河」の名も一緒に移り、のちに自治体の名となった76
  • 元禄御国絵図では「浦川」と記されている6。参照した資料では、ほかの由来説は見つからなかった。

歴史

  • 和人との接触以前。 縄文時代から人が住んでいた11。縄文時代後期の土器が町の指定文化財となっている7
  • 江戸時代。 松前藩が元浦川河口付近に浦川場所を開き、主に魚の交易が行われた6。1669年、現在の浦河神社の近くに小祠が建てられた7。1799年に幕府が直轄とし7、場所を現在の市街地であるトマリへ移した。その後いったん松前藩に戻り、1855年に再び幕府の直轄となった6。1858年には幕府が馬牧を開いた711
  • 明治初期の入植。 1871年、九州の天草郡・大村郡からの移民が西舎と杵臼に入植した。1872年には開拓使が浦河支庁を開設した6
  • 赤心社。 1880年、神戸のプロテスタントのキリスト教徒が開拓会社「赤心社」を設立した21。1881〜82年にこの地へ団体移民を送り6、まず兵庫県・広島県出身の約50人が西舎に入植した21。赤心社は学校を開き、1886年には元浦河教会を設立した。1889年には入植者は184人となり、その約4分の1がキリスト教徒であった21
  • 馬と行政。 開拓は明治20年代(1880年代後半〜1890年代)に定着し始めた。1901年に西忠義が支庁長に就任すると、道路・橋梁の整備や日高種馬牧場の設置を推し進めた6。農商務省の旧日高種畜牧場の明治期の事務所は「JRAメモリアルホール」として残り、1907年以降の馬の改良の記録を展示している22
  • 大正・昭和初期。 1921年に浦河漁港の建設が始まった9。日高線は1935年10月24日に浦河駅まで、1937年に様似まで開通した23。昭和期には港湾、上水道、女学校(現・浦河高校)、赤十字病院(現・浦河赤十字病院)が整えられた6
  • 戦後。 1952年の十勝沖地震で赤十字病院が大きな被害を受けた。1956年に荻伏村と合併した76。1982年3月21日の浦河沖地震(M7.1)では震度6を記録し、負傷者167人、全壊建物13棟、転覆船6隻を出し、浦河港と室蘭港の港湾被害は約3億5,000万円に上った20
  • 1980〜1990年代。 1984年、浦河教会での昆布の袋詰め作業からべてるの家が始まった19。1989年の国民体育大会(はまなす国体)馬術会場の跡地に浦河町乗馬公園が整備された24。1997年9月25日、野塚トンネルを通る天馬街道(国道236号)が開通し、十勝への直通ルートができた25。町とJRAが馬と自然に触れ合う場として計画した乗馬・宿泊施設「うらかわ優駿ビレッジAERU」が、1998年4月25日に開業した26
  • 近年。 2015年1月8日、高波により日高線が被災した。鵡川〜様似間116kmは運転を再開しないまま2021年4月1日に正式に廃止され、バスに転換された23。2021年9月の赤潮は、町によれば漁場に壊滅的な被害をもたらした18。2024年、町北部の山岳地帯は新たに指定された日高山脈襟裳十勝国立公園の一部となった27

地理・気候

  • 位置。 日高南部の太平洋岸、えりも岬の約50km手前に位置する。北に日高山脈、南に太平洋がある。札幌から約180km、帯広から約150kmである5
  • 広さと土地利用。 町域は東西38.8km、南北36.5kmで、海岸線は21.2kmある1。森林が面積の81%を占める。山から海へ流れる川に沿って小さな平野が開けている5。川から離れた土地の土壌は火山灰、泥岩、重粘土である5
  • 山。 神威岳(町の数値で1,600m)と楽古岳(1,472m)が代表的な山である5。日本語版ウィキペディアはトヨニ岳(1,493m)、ピリカヌプリ(1,631m)、ソエマツ岳(1,625m)も挙げている7。これらの山々は日高山脈襟裳十勝国立公園に含まれる。同国立公園は2024年6月25日に指定され、陸域面積は245,668haである275
  • 川。 主な河川は元浦川、日高幌別川、向別川である7
  • 気候。 浦河観測所の平年値(1991〜2020年)は、年平均気温8.2℃で、1月の−2.4℃から8月の19.9℃まで幅がある。年降水量は1,118.3mm、年間日照時間は1,839.1時間で、降雪量はひと冬わずか約128cmである28。観測史上の極値は最高気温31.5℃(2023年8月28日)、最低気温−15.5℃(1979年1月29日)である。最深積雪は52cm(1928年)、最大瞬間風速は48.5m/s(1958年)である29。町独自の気象表は2016年度の最低気温を−19.1℃としているが、気象庁の記録とは一致しない1

経済・産業

  • 馬。 軽種馬生産と漁業が町の二大産業である7。町によると、約200の牧場で3,000頭を超えるサラブレッドが飼養されている5。軽種馬農家は2011年の200戸から2022年には153戸に減ったが、同じ期間に子馬の生産頭数は1,246頭から1,334頭に増えた1。馬の輸送業者は、日高自動車道によって浦河から出荷される馬の輸送時間と負傷のリスクが減ると期待している12。浦河町にあるJRA日高育成牧場は約1,505haの広さがあり、JRAの美浦・栗東トレーニングセンターと同様の坂路コースをはじめ、多くの調教コースを備える30
  • 漁業。 2021年度の漁獲量は8,385トン、漁獲金額は15億1,000万円であった。最も多いのはスケトウダラで4,396トンである。サケの漁獲量は2018年度の1,401トンから2021年度には186トンに落ち込んだ。昆布は188トンで3億200万円であった1。町は2021年9月の赤潮が漁場に壊滅的な被害を与えたとしており、現在はふるさと納税の寄附を海の再生に役立てている18
  • 農業。 主力作物は夏いちごである。2022年度のいちごの作付面積は3.11haで、販売額は2億1,250万円であった1。浦河町にはいちごの選果場(2014年に増設)と、規格外品の冷凍貯蔵施設(2020年開設)がある。夏に道外へ出荷される北海道産いちごの大半は日高産である12。役場には夏いちご専門の「夏いちご振興係」と、競走馬専門の「軽種馬振興係」が置かれている1。2022年2月時点では、酪農家9戸(乳牛376頭)と肉牛農家37戸(915頭)もあった1
  • 製造業・サービス業。 2019年の工場数は18、従業者数は190人、製造品出荷額は27億2,000万円で、大半が食品加工業であった1。振興局の所在地として、浦河は日高の行政・経済・文化の中心である1。浦河赤十字病院とその看護学校もある7
  • 人口と地域振興。 人口は1970年の20,922人から2020年には12,074人に減少した111。2020年の65歳以上の割合は33.9%であった1。少なくとも2014年以降は毎年死亡数が出生数を上回っているが、2023年3月までの1年間は転入が転出を69人上回った1。役場には移住・テレワークの担当部署があり、映像制作の担当係まである1。ふるさと納税は10のポータルサイトで受け付けており、寄附金の一部は馬文化に充てられている18

特産品・名物

特産品 分類 詳細・購入場所
夏いちご「すずあかね」「すずりっか」 果物 すずあかねは甘酸っぱく、輸送に耐える硬さがあり、主に東京の洋菓子店へ出荷される181231。直売所「畑のうた」(堺町2-6-15)、「カシュカシュ」(堺町西6-2-6)17や、産業まつりで購入できる32
日高昆布 海産物 天然・天日干しの昆布。井寒台産の昆布は日高で唯一の「特上浜」格付けである18。AERU、柵山水産、池田鮮魚店、ホテル浦河インなどで販売されている33。べてるの家も昆布を通信販売している19
銀聖・いくら 海産物 銀聖は地元の定置網で生きたまま水揚げされる鮭で、薄塩の新巻として売られることが多い。浦河のいくらは新鮮な秋鮭の卵だけを使っている18。どちらもふるさと納税の返礼品であり、いくら丼は毎年の産業まつりの人気の定番である32
水産加工品 海産物 たらこ、鮭とば、おつまみ昆布、味だこ、スモークサーモン、揚げかまぼこ、たこしゅうまい、灯台つぶの粕漬け34。観光協会は、井寒台の木村商店をはじめ、鮮魚を販売する9軒の店を紹介している35
日高山脈・左馬最中 菓子 梅月堂手取菓子舗(大通3-19)の銘菓「日高山脈」と「左馬最中」36
日高羊羹・優駿旅情 菓子 甘泉堂(大通4-9-4)の「日高羊羹」と「優駿旅情」36
その他の食品 食品 そば汁、餃子・ラーメン、手作りソーセージ・ベーコン、ヤーコン茶、はちみつ37。町は農薬や化学肥料を減らして育てた特別栽培米もふるさと納税の返礼品にしている18
民芸品 工芸品 染め手ぬぐい、木彫り品、さらにはライン引き用石灰まである38。ニレの樹皮を使ったアイヌの織物、アッシ織りは町指定文化財である7
乗馬体験 ふるさと納税 いちご、昆布、銀聖、いくら、米と並んで、乗馬体験も返礼品として用意されている18

文化・祭り

行事 時期 見どころ
騎馬参拝 1月2日 西舎神社で行われる。騎手が馬上から人馬の無病息災を祈る行事で、明治時代から100年以上続いている16
優駿の里 浦河桜まつり 5月上旬(第59回:2026年5月2〜3日) AERUで開催される。3kmにわたる約1,000本の桜が夜間にライトアップされる。カニ鍋の無料提供やステージイベントがある3916
うらかわ夏いちごの日 7月15日ごろ 町は2016年に7月15日を「夏いちごの日」と定め、毎年イベントを開いている18。夏いちご(すずあかね・すずりっか)の格安販売や詰め放題、いちごを使った商品の販売、パフェ作りなどがある16
うらかわ馬フェスタ 7月下旬(2026年:7月25〜26日) JRA日高育成牧場で開催される。第41回シンザンフェスティバル(ミスシンザン、馬上結婚式など)と、ジョッキーベイビーズ北海道地区代表決定戦をあわせて行う40
浦河港まつり 8月(第62回:2026年8月8〜9日) 築地の役場裏で開催される。町民のど自慢大会、大抽選会、巡視艇の体験航海がある。締めくくりは「日高一」とうたわれる花火大会である41。町民盆踊りもプログラムの一つである16
うらかわ産業まつり 9月下旬(2026年:9月27日) 役場前で開催される。野菜やいちごの詰め放題、秋サケのつかみ取り、いくら丼の販売、もちまき大会などがある32
地場産品直売フェア 12月第1日曜日 水産物を中心とした地元の食品を特別価格で販売する年末の直売会で、浦河第一中学校体育館で開かれる16
  • 神社と教会。 浦河神社は1669年に建てられた小祠を起源とする7。荻伏の元浦河教会は、赤心社の入植者たちの教会であった。現在の建物は1985年のもので、明治期の旧会堂は北海道開拓の村に移築された42
  • 芸能。 国の重要無形民俗文化財(1984年指定、2009年ユネスコ無形文化遺産に記載)であるアイヌ古式舞踊が、町の文化財に挙げられている743。伝承しているのは浦河ウタリ文化保存会で、所在地は堺町生活館とされている7
  • 博物館と映画館。 町は郷土博物館、馬事資料館、赤心社記念館(後述)を運営している。1918年から営業し、1994年にミニシアターとして建て替えられた大黒座は、日高で唯一の映画館である44
  • べてるの家。 カフェ、売店、昆布事業を運営している19。見学の問い合わせを受け付けており、「べてるまつり」も開いている45

アイヌ文化

  • 地名。 「浦河」の名も、市街地の古い呼び名「ポンナイ」も、アイヌ語に由来する(「地名の由来」参照)67
  • 舞踊と織物。 アイヌ古式舞踊は、浦河ウタリ文化保存会によって地元で受け継がれている。ニレの樹皮の繊維で織った布、アッシ織りは町指定文化財である7
  • 博物館。 浦河町立郷土博物館には、アイヌ民族資料、復元されたチセ(伝統家屋)、アットゥシ(樹皮衣)が展示されている46
  • 人物。 詩人で古布絵作家の宇梶静江は、1933年に浦河で生まれた。1973年に東京ウタリ会を設立し、初代会長となった。弟の浦川治造はアイヌのエカシ(長老)である47
  • このほか、浦河町内のアイヌ関連の遺跡や考古学については、本項目の調査では限られた情報しか得られなかった。

姉妹都市・友好都市

  • 国内: 熊本県天草市。2006年に天草市に合併した旧河浦町を通じた縁である767。1871年には天草郡からの移民が浦河に入植している6。島根県浜田市。旧金城町を通じた縁である768。提携年:未確認。
  • 海外: イングランドのフォレストヒースと、モンゴルのゾーンモド769。フォレストヒースはニューマーケットを含むサフォークの地区で、2019年4月1日に新設のウェストサフォーク地区に統合された70。提携年、および提携がウェストサフォークに引き継がれたかどうか:未確認。

ゆかりの人物

  • 馳星周。 1965年浦河生まれの小説家。『不夜城』(1996年)でデビューし、2020年に『少年と犬』で直木賞を受賞した71
  • 宇梶静江。 1933年浦河生まれのアイヌの詩人・古布絵作家・活動家。2011年に吉川英治文化賞を受賞した47
  • シンザン。 人ではないが、おそらく町で最も有名な出身者である。1964年に三冠を達成し、35歳まで生きた。これは当時の日本のサラブレッドの長寿記録であった。この記録は2014年に破られた13

出典

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  1. 2023浦河町統計資料「数字で見る浦河」 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  2. 令和8年の人口 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  3. 令和8年住民基本台帳人口・世帯数(令和8年1月1日現在) — 北海道 総合政策部計画局統計課 JA 閲覧日 2026-09-23
  4. 全国都道府県市区町村別面積調(令和8年4月1日時点) — 国土地理院 JA 閲覧日 2026-09-23
  5. 位置・地勢 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  6. 沿革 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  7. 浦河町 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  8. 町の木・花 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  9. 町章 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  10. 浦河町のイメージキャラクター「うららん」「かわたん」 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  11. Urakawa, Hokkaido — Wikipedia EN 閲覧日 2026-09-23
  12. 日高自動車道「日高厚賀IC~新冠IC」が令和8年2月28日(土)15時に開通します — 国土交通省 北海道開発局 室蘭開発建設部 JA 閲覧日 2026-09-23
  13. シンザン — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  14. シンザン馬像 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  15. 優駿さくらロード — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  16. イベント・ツアー — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  17. 農産物直売所 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  18. ふるさと納税 — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  19. べてるの家とは — 浦河べてるの家 JA 閲覧日 2026-09-23
  20. 浦河沖地震 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  21. 赤心社 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  22. JRAメモリアルホール — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  23. 日高本線 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  24. 浦河町乗馬公園 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  25. 天馬街道 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  26. うらかわ優駿ビレッジAERU — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  27. 概要・計画書 — 日高山脈襟裳十勝国立公園 — 環境省 JA 閲覧日 2026-09-23
  28. 平年値(年・月ごとの値) 浦河 — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
  29. 観測史上1~10位の値(年間を通じての値) 浦河 — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
  30. 日高育成牧場 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  31. うらかわ旅 — 一般社団法人浦河観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  32. うらかわ産業まつり — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  33. 日高昆布 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  34. 水産加工品 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  35. 海産物直売所 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  36. 浦河銘菓 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  37. 食品 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  38. 民芸品 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  39. 第59回優駿の里 浦河桜まつり — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  40. うらかわ馬フェスタ2026 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  41. 第62回「浦河港まつり」 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  42. 元浦河教会 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  43. アイヌ文化(伝統文化復興運動) — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  44. 大黒座 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  45. 浦河べてるの家 — 浦河べてるの家 JA 閲覧日 2026-09-23
  46. 浦河町立郷土博物館 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  47. 宇梶静江 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  48. 第59回 優駿の里 浦河桜まつり(うらかわオバケ桜) — 浦河観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  49. JRA展望台 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  50. オロマップ展望台 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  51. 翠明橋公園 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  52. 浦河サラブレッドロード — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  53. 浦河町森林公園 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  54. うらかわ優駿ビレッジAERU — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  55. みついし — 北の道の駅(北海道「道の駅」公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  56. 馬事資料館 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  57. 赤心社記念館 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  58. 乗馬体験 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  59. 牧場見学 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  60. 登山 — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  61. 体験する — うらかわ旅(浦河観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  62. 住所等一覧(登録年度) — 北の道の駅(北海道「道の駅」公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  63. 検索用語:浦河(0件) — 北の道の駅(北海道「道の駅」公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  64. コスモール大樹 — 北の道の駅(北海道「道の駅」公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  65. アクセスマップ — 浦河町 JA 閲覧日 2026-09-23
  66. 新千歳空港-日高管内各町を結ぶ乗合便「ナナパカ号」の運行期間について — 北海道 日高振興局 JA 閲覧日 2026-09-23
  67. 天草市 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  68. 浜田市 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  69. ゾーンモド — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  70. Forest Heath District — Wikipedia EN 閲覧日 2026-09-23
  71. 馳星周 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23