北海道 市町村ガイド

十勝総合振興局

広尾町 Hiroo

ひろおちょう

広尾町は十勝最南端の港町である。東は太平洋、西は日高山脈に面し、記録に残る歴史は十勝のどこよりも古い。12 1984年からは日本で唯一の公認「サンタランド」でもあり、ノルウェーのオスロ市からノルウェー国外初のサンタランドとして認定された。3

人口(2020年国勢調査)
6,387
面積
596.48 km²
広尾郡
公式サイト
www.town.hiroo.lg.jp

主な特色

  • サンタランド。 1984年にオスロ市が広尾町を認定した。町はノルウェー国外初、かつ日本で唯一のサンタランドであるとしている。3
    • サンタカードは広尾から送られるクリスマスカードである。2021年までは「サンタメール」と呼ばれ、2012年までに200万通以上が送られた。10 町の2025年のクラウドファンディングのページでは、累計220万通以上としている。13
    • 毎年10月にクリスマスイルミネーションを点灯しており、町はこれを日本一早いツリー点灯としている。14
  • ししゃも。 本物のシシャモは北海道の太平洋沿岸にしか生息しない。町は「シシャモ水揚げ量日本一」の港を掲げている。生のシシャモが水揚げされるのは10月と11月である。152
  • 毛がにと海産物。 このほかの主な漁獲物に、毛がに、秋サケ、ウニ、「広尾昆布」がある。毎年12月には広尾毛がにまつりが開かれる。1617
  • 十勝港。 十勝の農業地帯を支える唯一の港であり、首都圏とは最短距離の海路で結ばれている。18
  • 黄金道路。 国道336号のうち、えりも町まで断崖沿いに続く33.5 kmの区間である。建設に莫大な費用がかかり、金を敷き詰めたも同然だったことからこの名がついた。19
  • 花。 大丸山森林公園では約12,000本のエゾヤマツツジが咲く。町には、町が国内最大とするオオバナノエンレイソウの群生地もある。19
  • 横綱北勝海の出身地。 第61代横綱で現在の八角親方である北勝海の展示コーナーが、町の海洋博物館にある。20

観光・アクティビティ

  • 自然・景観
    • フンベの滝。 湧き水が国道336号のすぐ脇に直接落ちる滝で、冬には氷柱となる。広尾橋からえりも方面へ車で約5分。19
    • 黄金道路。 えりも町庶野まで続く33.5 kmの海岸沿いのドライブルートで、夏には沿道で昆布漁を見ることができる。19
    • 天馬街道。 国道236号は延長4,232 mの野塚トンネルで日高山脈を抜け、浦河町へ通じる。秋の紅葉が見どころである。19
    • オオバナノエンレイソウ群生地。 野塚の保安林約28 haに広がり、シーサイドパーク入口の両側にある。5月上旬から中旬にかけて花が咲く。194544
    • サケの遡上。 秋には広尾橋から、広尾川を遡上するサケを見ることができる。河口近くには、ふ化場用のサケを捕獲する施設がある。30
  • サンタランドと大丸山森林公園(広尾689)
    • サンタの家では一年中クリスマスグッズを販売している。2階には飲み物や軽食をとれる休憩スペースがある。319
    • 営業時間:1月から4月下旬までは10:00〜16:00、点灯式の前日までは10:00〜17:00、点灯式から12月までは10:00〜20:00。3
    • 12月26日から1月上旬までは休業する。町によれば1月8日まで、観光協会によれば1月10日までである。346
    • 園内にはこのほか、外から中をのぞける「サンタの部屋」、「サンタの鐘」、「愛の鍵モニュメント」がある。公園は2011年に「恋人の聖地」に認定された。193
    • フラワーガーデン「サンタの丘」では、6月から9月にかけて約20種類の花が咲く。イルミネーションは3月31日まで16:00〜22:00に点灯する。3
    • 公園の頂上にある日高山脈展望台は2025年に完成した。10
  • 温泉・サウナ。 観光協会の「風呂・サウナ」に掲載されている広尾町内の施設はサウナで、温泉ではない。47
    • 最寄りの温泉は、太平洋に面した大樹町の晩成温泉と、道の駅忠類のナウマン温泉アルコ236である。4849
  • 博物館・史跡
    • 海洋博物館・郷土文化保存伝習館(野塚989)。開館時間は9:00〜16:00、年末年始は休館(2026年9月時点。訪問前に要確認)。20
    • 十勝神社(茂寄1-13)、禅林寺(西2条9丁目)、仙台藩トカチ陣屋跡(西4条9丁目)。3926
    • 中川一郎記念館(紋別19線51)。5
  • アウトドア・季節のアクティビティ
    • サーフィン。 広尾川河口から美幌までの黄金道路沿岸には、道内有数のサーフポイントがある。44
    • 釣り。 磯ではアブラコやカジカが釣れる。8月からは秋サケ狙いの釣り人が浜に並ぶ。町内のすべての河川で、5月と6月はヤマメの捕獲が禁止されている。44
    • シーサイドパーク広尾。 パークゴルフ場(4コース36ホール)と全天候型テニスコート3面がある。キャンプ場は閉鎖された。5044
    • 桜。 5月上旬には十勝神社と大丸山の桜が見ごろを迎える。19
  • 食の体験
    • 海鮮の店では、食事処 海幸が季節のししゃも天丼や毛がにのかき揚げを出している。寿司なら寿しのみよい、江戸前鮨処 翼がある。38
    • 海産物を持ち帰るなら、漁協の直売所や加工業者の店がよい。Aコープサンタ村では、近隣の農家の野菜、鹿肉、黒毛和牛の製品も販売している。37

道の駅

広尾町に道の駅はない。北海道の道の駅の公式一覧には、広尾町にも、隣接するえりも町、様似町、浦河町にも道の駅は掲載されていない。4 最寄りの道の駅は次のとおりである。

  • 道の駅コスモール大樹大樹町
    • 所在地:北隣の町、国道236号沿いの西本通98。
    • 買い物・食事:半田ファームのチーズ、道の駅限定のカマンベールチーズ「大樹物語」、カウベルアイス、宇宙関連グッズ、スーパーマーケット。
    • 設備:EV充電器、無料Wi-Fi。
    • 営業時間:特産品コーナーは9:00〜17:30、12月31日〜1月3日は休業(2026年9月時点。訪問前に要確認)。48
  • 道の駅忠類幕別町
    • 所在地:国道236号の忠類IC横。
    • 周辺:ナウマン象記念館、ナウマン温泉アルコ236。
    • 名物:ゆり根のシュークリーム。
    • 営業時間:4月〜11月は9:00〜18:00、12月〜3月は9:00〜17:00(2026年9月時点。訪問前に要確認)。49
  • 道の駅みついし新ひだか町
    • 所在地:国道235号沿い。日高側で最も近い道の駅で、天馬街道と浦河町を経由して行く。
    • 設備:海辺のオートキャンプ場、特産品の販売所、みついし昆布温泉「蔵三」内のレストラン。
    • 営業時間:4月〜9月は8:45〜22:00、10月〜3月は8:45〜17:30、12月31日〜1月5日は休業(2026年9月時点。訪問前に要確認)。51

アクセス・交通

  • 鉄道。 1987年に国鉄広尾線が廃止されて以来、広尾町に鉄道はない。28
    • 町内にあった駅は豊似駅、野塚駅、新生駅、広尾駅である。11
    • 旧広尾駅舎は鉄道記念館として使われていたが、2018年に解体された。跡地にはバスの待合所が建っている。10
    • 町はJR帯広駅を鉄道の玄関口としている。札幌から石勝線で約2.5〜3時間、釧路から約1.5時間である。52
  • バス。
    • 十勝バスが帯広駅バスターミナルから広尾まで約2時間40分で結んでいる。52
    • JR北海道バスが様似からえりも経由で約2時間で結んでいる。52
    • 札幌と広尾を直通で結ぶ都市間バス「高速ひろおサンタ号」は運休中である。52
  • 車。
    • 帯広〜広尾:約80 km(1時間30分)。52
    • 札幌〜広尾(天馬街道経由):約250 km(4時間15分)。52
    • 浦河〜広尾(天馬街道経由):約80 km(1時間30分)。52
    • 帯広・広尾自動車道は現在、忠類大樹ICが終点である。町内の豊似IC、広尾IC(いずれも仮称)までの延伸工事が進められている。豊似までの区間は2018年度に着工し、豊似〜広尾間は2022年度に事業化された。開通時期は決まっていない。53
  • 空路。 JALとAIRDOが東京・羽田空港からとかち帯広空港へ運航している(約1時間30分)。空港から広尾まではレンタカーで約1時間。52
  • 海路。 1996年から1999年まで、東京〜釧路〜十勝を結ぶフェリーが寄港していた。現在は旅客航路はない。27

旅のヒント

  • 訪れる時期。
    • 5月上旬〜中旬:オオバナノエンレイソウと桜。
    • 5月下旬〜6月上旬:ツツジ。
    • 8月上旬(2026年は8月1日):港の花火大会。
    • 10月〜11月:生のシシャモ。
    • 10月下旬〜3月:サンタランドのイルミネーション。クリスマス前後が最もにぎわう。
    • 12月:毛がにまつり。19217
  • 天候。 夏は海霧のため涼しく、冬は十勝としては穏やかである。それでも大雪になることはあるので、車で出かける前に道路状況を確認したい。133
  • 道路。 日高方面からは、海沿いの国道336号(黄金道路)と山越えの国道236号(天馬街道)のどちらでも来られる。52 道の駅忠類では天馬街道の道路情報を発信している。49
  • 観光案内。 広尾町観光協会は町役場内にある(西4条7丁目、電話01558-2-0177)。252
    • 宿泊施設は小規模で、ホテル東陽舘やホテル大宝などのホテルのほか、家族経営の民宿・旅館が数軒ある。民宿みなと館はサーファーに人気だとしている。5455
  • 安全。
    • 十勝港内では絶対に遊泳や潜水をしないこと。2017年10月から町の港湾施設管理条例で禁止されており、違反すると罰金が科されることがある。56
    • 山や森では、ハイキングの前に北海道のヒグマ注意報を確認すること。57
  • サンタカード。 町のサンタランドのページで、カードの申し込み方法が案内されている。収益の一部は、児童養護施設の子どもたちへのプレゼントに充てられる。3

広尾町についてもっと詳しく

基本情報

項目 内容
種別
振興局 十勝総合振興局
広尾郡(大樹町と同じ郡に属する)14
人口 2020年国勢調査で6,387人(男性3,096人、女性3,291人、2,997世帯)。2015年から9.15%減少した。5 2025年国勢調査の速報値は5,506人で13.8%減少した。十勝全体では5.2%の減少であった。6 住民基本台帳人口は2026年8月31日現在で5,622人、うち外国人138人(北海道の参考値)。7 町の集計では2026年7月末現在で5,629人、3,104世帯である。8 人口のピークは1965年の13,598人であった。1
面積 596.48 km²(国土地理院、2026年4月1日時点)。9 町の資料では数値がわずかに異なり、町の概要ページでは596.16 km²、2026町勢要覧資料編では596.54 km²となっている。15
人口密度 約9.4人/km²(2026年8月の住民基本台帳人口÷国土地理院の面積)。2020年国勢調査時点では約10.7人/km²。
沿革 1869年:蝦夷地が北海道と改称された際に広尾郡が置かれる。町はこの年を開基の年としている。10 1906年:北海道二級町村制により茂寄村が成立し、当縁郡の一部を編入。511 1926年:広尾村に改称。1928年:大樹村が分村。1946年9月20日:町制施行。5 2003年から2006年まで大樹町との任意合併協議会が置かれていたが、解散した。5
隣接自治体 北は大樹町、南はえりも町。西の日高山脈を越えた先に、日高振興局の様似町浦河町がある。5
シンボル 町の木:オンコ(イチイ)。町の花:広尾つつじ。町の鳥:かもめ。かもめはにぎわう港を表している。1 1950年に制定された町章は、立岩・二見岩・防波堤の形で「広」の字をかたどり、魚のうろこを表す三角形で囲んだものである。5
マスコット さーたちゃん。サンタクロースの孫娘で、広尾で「サンタになるための修行中」。2013年、133点の応募作から選ばれた小学1年生のデザインをもとに誕生した。12 2019年からは町の境界標識にも描かれている。5
公式サイト https://www.town.hiroo.lg.jp/ (日本語)。観光協会:https://hiroo-kanko.jp/2

地名の由来

  • 町の公式の説明。 町名はアイヌ語の「ピルイ」に由来するとされ、「ピ」は石が転がる、「ルイ」は砥石がとれる地を意味する。1869年以前は「ピロー」「ビロウ」などと呼ばれていた。1 観光協会はこれを「転がる砥石」とまとめ、諸説あると注記している。2
  • 諸説。 帯広百年記念館のアイヌ民族文化情報センター「リウカ」は4つの説を挙げている。21 日本語版Wikipediaは、山田秀三『北海道の地名』と国鉄の『北海道 駅名の起源』をもとに、それぞれの説の提唱者を記している。11
    • ピロㇿ(pir-or)「陰のところ」。江戸時代のアイヌ語通詞、上原熊次郎の説。
    • ピオㇿ(pi-or)「石のところ」。松浦武四郎の説。
    • ピルイペッ(piruy-pet)「砥石の川」。永田方正の説。広尾川河口に近い北岸の青みを帯びた石崖を指すとも考えられている。
    • ピラオㇿ(pira-or)「崖のところ」。国鉄の『北海道 駅名の起源』が支持する説で、同書は広尾を境に北は砂浜、南は崖の続く海岸であると記している。
  • 「びろお」から「ひろお」へ。 この地名はもともと十勝会所近くの崖下にある岬の名であった。当初は「びろお」と呼ばれていたが、無作法を意味する「尾籠(びろう)」に聞こえることから「ひろお」に改められた。11

歴史

  • 先史時代とアイヌの時代
    • 縄文時代の装飾品や石器が見つかっている。11
    • 広尾は広尾川沿いのアイヌの集落として始まった。11
  • 松前藩の時代(1600年代〜1700年代)
    • 寛文年間(1661〜1673年)、十勝は松前藩の家老蛎崎蔵人の知行地であり、その拠点は広尾に置かれた。22
    • 1666年、蔵人は僧円空が彫った観音像を戸賀知明神社(現在の十勝神社)に奉納した。この像は現在、北海道指定文化財となっている。23
  • 会所と蝦夷地最初の道路
    • 寛政年間(1789〜1801年)ごろから十勝全体が一つの場所として運営され、その会所が広尾に置かれた。11 港の地区は今も「会所前」と呼ばれている。24
    • 1798年、幕府の探検家近藤重蔵が私費を投じて、ルベシベツからビタタヌンケまで約三里(約12 km)の山道を開削した。蝦夷地で最初に造られた道路といわれる。23
    • この時代の遺品に、1836年に会所の番人らが奉納した石の手洗鉢と、1866年に越後糸魚川の北前船の船頭が奉納した石灯籠がある。25
  • 仙台藩の陣屋(1859年)
    • 幕府は十勝を仙台藩に割り当て、仙台藩は円山の麓に小規模な陣屋を設けた。25
    • その土塁などの一部が旧広尾小学校の敷地内に残っている。26
  • 明治から戦前の昭和まで
    • 1880年、茂寄に戸長役場が置かれた。5
    • 1883年、十勝最古の寺院である禅林寺が開創された。26
    • 1920年の最初の国勢調査では、村の人口は8,122人であった。5
    • 1929年、築港工事が始まった。27
    • 1932年11月5日、国鉄広尾線が帯広から広尾まで開通した。28
    • 黄金道路は8年の工事を経て1934年に開通した。工費は95万円を超えた。510
  • 戦後
    • 港は1964年または1965年(町の資料により異なる)に十勝港と改称され、1970年に重要港湾に指定された。1027
    • 人口は1965年の13,598人がピークであった。1
    • 1984年、オスロ市が広尾町をサンタランドに認定した。10
    • 広尾線は1987年2月2日に廃止され、十勝バスに転換された。28 町の年表では廃止を1986年としている。10
    • 日高山脈を越える天馬街道が、着工から27年を経て1997年に開通した。10
  • 近年
    • 2003年の十勝沖地震では震度5強を観測し、港では約2.7 mの津波が到達した。10
    • 2011年の津波は港で2.8 mを超え、10億円以上の被害をもたらした。10
    • 2021年には前例のない赤潮が発生し、漁業に大きな被害が出た。105
    • 2024年、町の山岳部と海岸が新たな国立公園に指定された。10
    • 2025年、ガバメントクラウドファンディング「のびのびプロジェクト」で、町の中心部に新設する多世代型の公園、広尾高校の魅力化、閉校した学校の地域拠点への転用のための資金を募った。目標額5,000万円に対し、町の集計で7,601万円(ふるさとチョイスのプロジェクトページでは7,571万円)が集まった。1029

地理・気候

  • 地形。 広尾町は十勝の最南部を占め、太平洋と日高山脈に挟まれている。日高山脈に源を発する4本の河川が海に注ぐ。1 豊似川、野塚川、楽古川、広尾川である。11
  • 山。 西側の境界には次のような山がある。11
    • 楽古岳(1,472 m)
    • トヨニ岳(1,493 m)
    • 野塚岳(1,353 m)
    • 広尾岳(1,231 m)
  • 広尾川。
    • 東広尾川(18.0 km)と西広尾川(16.4 km)が合流して広尾川となる。30
    • 国の2002年度の水質調査で、広尾川上流は(同率で)日本一の清流に選ばれた。30
    • 町の水道水には、西広尾川上流の河床で自然にろ過された水が使われている。30
  • 国立公園。
    • 2024年6月25日、黄金道路沿いの海岸と、広尾岳から北の清水町方面に延びる山岳部が、日高山脈襟裳十勝国立公園に指定された。3119
    • 同公園の陸域面積は245,668 haで、日本政府観光局(JNTO)は陸域面積で日本最大の国立公園としている。3132
    • 海岸には海成段丘、海食崖、岩礁が見られる。19
    • エゾシカ、キタキツネ、ヤマメ、クマゲラなどが生息している。19
  • 気候。
    • 海洋性気候である。夏は涼しく霧が多い。町は十勝で最も温暖な地としており、昼夜の寒暖差も小さい。1
    • 1991〜2020年の平年値:年平均気温7.2 °C(1月−4.2 °C、8月18.6 °C)、年降水量1,709.2 mm、降雪量合計297 cm、最深積雪98 cm。1
    • 観測史上の極値:最高気温35.8 °C(2019年5月26日)、最低気温−22.1 °C(1977年2月12日)。33
    • 雪の記録:1970年3月17日に積雪196 cm、1986年1月10日には1日で96 cmの降雪があった。33
    • 日降水量の最大は1998年9月16日の346.0 mmである。33
    • 地震の多い地域である。11

経済・産業

  • 漁業。 広尾の漁船は十勝港と音調津漁港を拠点としている。34
    • 2025年の広尾漁業協同組合の水揚げは56,161 t、金額は43億6,000万円であった。34
    • その大部分を占めたのはイワシで、50,551 t、20億7,000万円であった。34
    • 金額でこれに続くのは、タラ(6億7,700万円)、サケ(348 t、4億5,300万円)、毛がに(19 t、1億8,100万円)、昆布(78 t、1億6,100万円)、スケトウダラ(1,479 t、8,900万円)である。シシャモは38 t、7,800万円であった。34
    • 町は早くから「獲る漁業」から「つくり育てる漁業」への転換を進めてきた。民営のサケマスふ化場(1980年)、ウニ種苗生産施設(1989年)、マツカワ(カレイ類)を放流用に育てる施設(1991年)がある。34
  • 農業。 酪農が中心である。5
    • 2025年の町内の生乳生産量は69,544 t、金額は82億4,000万円で、農業産出額全体は104億7,000万円であった(JA広尾調べ)。5
    • 2025年末時点で乳用牛12,082頭、肉用牛1,169頭が飼養されており、住民一人あたり二頭を超える。5
    • 畑作の中心はてん菜で、作付面積は約208 haである。5
  • 十勝港。
    • 小麦や馬鈴しょを首都圏へ積み出し、化学肥料、飼料、セメント、石炭を受け入れている。18
    • 2025年の取扱貨物量は、外国貨物が約44万t、国内貨物が約99万tであった。18
    • 第4ふ頭の飼料コンビナートは2010〜2011年に操業を始め、総事業費は約140億円である。丸紅ほか4社が進出して設けたもので、とかち飼料が運営する飼料工場の生産能力は年間約40万t、生産量は2018年度に初めて50万tを超えた。18
    • 2024年5月17日からは、十勝・京浜・釧路を結ぶコンテナ船が週一便運航している。24
    • 2025年には北海道で初めて「産直港湾」(正式には農林水産物・食品の輸出促進港湾)に指定された。1011
  • 就業人口。 2020年の町内在住の就業者3,340人のうち718人(21%)が第一次産業に従事しており、内訳は農業356人、漁業321人である。5
  • 高齢化。 2020年国勢調査では住民の約39%が65歳以上であった(国勢調査の年齢別人口から算出)。5
  • 観光。 北海道の集計では、2025年度の観光入込客数は276,100人で、前年度から4.9%減少した。最も多かったのは8月(54,100人)と7月(49,000人)である。訪日外国人宿泊者数は102人にとどまった。35

特産品・名物

特産品 分類 概要と購入場所
本ししゃも 海産物 10〜11月の漁期のシシャモは川に遡上する前に獲るため、脂がのり、プラチナ色に輝く。36 鏑木水産や岡嶋水産など町内の加工業者で一夜干しを購入できる。37 漁期には食事処 海幸で、ししゃも寿司やししゃも天丼を味わえる。238
毛がに 海産物 旬のピークは12月から1月上旬である。36 広尾漁業協同組合 食品部や、毛がにを水槽で活かしている鮮魚中村商店で購入できる。37
サケ・いくら・ときしらず 海産物 サケ、いくら、たらこは町内の店で販売されている。3716 5月から水揚げされる脂ののったときしらずは、ふるさと納税の返礼品にもなっている。36
広尾昆布 海産物 だし用の昆布として重宝され、全国で販売されている。夏には浜に昆布を干す光景がよく見られる。16 山畑商店は昆布を練り込んだ麺を製造している。37
干物 海産物 ホッケやキンキなどの干物が町内で作られている。16
牛乳・乳製品 乳製品 やまもと牧場のキッチンカー「夢みるく」では、自家産の牛乳を使ったソフトクリームを販売している。39 ふるさとチョイスには、広尾町の牛乳・乳飲料の返礼品が39件掲載されている。36
広尾しおサイダー 飲料 広尾沖の海水から精製した海塩を使ったサイダーである。石山商店とサンタの家で販売している。姉妹品のTOKACHI SAUNA SODA 37は石山商店のみで販売している。40
ジンギスカン さかい精肉店は町で唯一の精肉店で、1970年から変わらない味のジンギスカンを販売している。37
菓子 菓子 老舗の菓子店に、パティスリー ウエダ(1898年創業)、「サンタの街のお菓子屋さん」を掲げる光香堂(1934年創業)、80年以上続く手づくり菓子工房 いまむらがある。41
ふるさと納税の返礼品 返礼品 人気の返礼品には、ししゃも、身入り保証付きのボイル毛がに、殻付きの大ズワイガニ、ときしらず、たらこなどがある。36

文化・祭り

行事 時期 見どころ
広尾つつじまつり 5月中旬〜下旬(2026年は5月24日) 大丸山森林公園で、約12,000本のエゾヤマツツジが咲く中で開かれる。ステージショーやBINGO大会があり、海産物を買ってその場で焼いて食べることもできる。女性部による「八角親方ふるさとちゃんこ鍋」の販売もある。17
十勝港まつり・海上花火大会 8月上旬(2026年は8月1日、第70回) 十勝管内の港で開かれる唯一の花火大会である。水中花火、ポートバザール、YOSAKOIソーラン演舞、陣屋太鼓、巡視船「とかち」の体験航海などが行われる。17 同時に岸壁では「海風サウナフェス」が開かれ、7,000発の花火大会の最中にサウナを楽しめる。42
ふるさと夏まつり・仮装盆踊り大会 8月14日 役場前で開かれる。模擬店が並び、お盆に帰省した人たちのための仮装盆踊りが行われる。17
サンタランドツリー点灯式 10月の第4土曜日(2026年は10月24日) 大丸山森林公園で開かれる。クリスマス市やサウンドフェスティバルがあり、カウントダウンとともに約15万球のイルミネーションと1万個のウッドランタンが灯り、最後に花火が上がる。1714
広尾毛がにまつり 12月の第2日曜日(2026年は12月13日) シーサイドパーク広尾で開かれる。2 mの大釜でゆでた毛がにが格安で販売され、1 mの鍋で毛がに汁が作られる。シシャモ、タコ、新巻鮭の売店が並び、毛がにの早食い競争もある。43172
  • 神社と寺院。
    • 十勝神社は十勝最古の神社で、創建は1600年代とされる。御朱印には「十勝国一ノ宮」と記される。現在の社殿は1942年に完成したもので、再建を記念してエゾヤマザクラが植えられた。毎年春には神社前の公園で夜桜のライトアップが行われる。3919
    • 禅林寺は円空作の観音像を、十勝神社は近藤重蔵の道路開削を記した彫字板を所蔵している。いずれも見学には事前の連絡が必要で、見学できない場合もある。26
  • 博物館。 シーサイドパーク広尾にある海洋博物館には、次の展示がある。2026
    • 近海の魚類と漁法に関する展示
    • 優勝旗や化粧まわしを展示する北勝海のコーナー
    • 六花亭の包装紙の絵で知られる山岳画家、坂本直行の展示室
    • 考古、開拓時代の暮らし、広尾線を紹介する併設の郷土文化保存伝習館
  • スポーツ。
    • パークゴルフは町で最も盛んなスポーツで、無料のパークゴルフ場が5か所ある。44
    • 広尾高校は1984年に夏の甲子園に出場した。5

アイヌ文化

  • 現在の広尾町のアイヌ文化について記録されていることは少ない。町も観光協会も、アイヌ文化の施設や行事を紹介していない。
  • 地名。 町内の多くの地名はアイヌ語に由来する。2119
    • 楽古:ラㇰコペッ「ラッコの川」から
    • 野塚:ヌㇷ゚カペッ「野の川」から
    • フンベ:「鯨の獲れる浜」。かつてこのあたりに鯨が打ち上げられたことによる
  • 初期の接触。 帯広百年記念館による十勝のアイヌの年表には、次のような記録がある。22
    • 1643年、オランダの探検船が十勝のアイヌと出会う。
    • 寛文年間、十勝が松前藩の家老の知行地となり、広尾に拠点が置かれる。
    • 1669年、十勝のアイヌがシャクシャインの戦いに加わる。
  • 会所の時代。 1850年の記録では、十勝には17の集落があり、190戸、1,162人が暮らしていた。このうちビロウは40戸、221人であった。同じ記録には、蝦夷地に住む和人が別に記載されている。5
  • 収蔵・展示。 広尾町の郷土文化保存伝習館では、考古資料や民族資料を展示している。26 十勝のアイヌ文化をより深く知るには、帯広市の帯広百年記念館が運営するアイヌ民族文化情報センター「リウカ」がある。22

姉妹都市・友好都市

  • 長崎県西海市。
    • 1986年に大島町と姉妹町となった。
    • 2005年に大島町が合併して西海市となったのに伴い、2006年7月に西海市と新たに姉妹市町提携を結んだ。58
  • 北海道芽室町 「うみのまち」広尾町と「やまのまち」芽室町は、1987年7月26日に「ふれあい宣言」を行った。両町の交流事業は2025〜2026年に40年目を迎えた。58
  • ノルウェー・フログン市。 ノルウェーのサンタランドの活動拠点は1989年にオスロ市からフログン市に移り、1996年10月に広尾町で友好交流提携の調印が行われた。58

ゆかりの人物

  • 北勝海信芳。 広尾町出身の第61代横綱。現在は八角親方で、日本相撲協会の理事長を務める。1120
  • 中川一郎。 広尾町出身の衆議院議員で、農林水産大臣を務めた。11
  • 坂本直行。 広尾町に暮らした山岳画家。六花亭の包装紙の絵を描いた。坂本龍馬の生家である坂本家の第8代当主でもあった。1120

出典

本文中の番号は、この出典一覧につながっています。 数値は2026年9月23日時点のものです

  1. 町の概要 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  2. 広尾町について — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  3. サンタランド — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  4. 住所等一覧 — 北の道の駅 (Hokkaido Michi-no-Eki official site) JA 閲覧日 2026-09-23
  5. 2026町勢要覧資料編(全体版) — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  6. 令和7年国勢調査速報 北海道の人口・世帯数 — Hokkaido Government, Statistics Division (北海道総合政策部計画局統計課) JA 閲覧日 2026-09-23
  7. 住基ネットにおける人口【参考値】令和8年(2026年8月31日現在) — Hokkaido Government (北海道) JA 閲覧日 2026-09-23
  8. 広尾町(トップページ:人口 2026年7月末現在) — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  9. 令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点) — Geospatial Information Authority of Japan (国土地理院) JA 閲覧日 2026-09-23
  10. 町の沿革 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  11. 広尾町 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  12. さーたちゃん紹介 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  13. クリスマスを親と一緒に過ごせない子どもたちにプレゼントを贈りたい!「子どもの夢を応援するプロジェクト」 — ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング (Furusato Choice GCF) JA 閲覧日 2026-09-23
  14. サンタランドツリー点灯式 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  15. シシャモ水揚げ量日本一 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  16. 特産品 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  17. イベント情報 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  18. 十勝港の概要 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  19. 観光・景勝地 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  20. 海洋博物館&郷土文化保存伝習館 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  21. アイヌ語の地名 — Obihiro Centennial City Museum, Ainu culture information center "Riwka" (帯広百年記念館 アイヌ民族文化情報センター「リウカ」) JA 閲覧日 2026-09-23
  22. 十勝とアイヌの人たち — Obihiro Centennial City Museum, Ainu culture information center "Riwka" (帯広百年記念館 アイヌ民族文化情報センター「リウカ」) JA 閲覧日 2026-09-23
  23. 北海道指定文化財 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  24. 定期航路情報 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  25. 広尾町指定文化財(1) — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  26. 歴史・史跡 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  27. 沿革・施設(十勝港) — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  28. 広尾線 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  29. 広尾の未来を、遊びと学びで育てる、のびのびプロジェクト — ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング (Furusato Choice GCF) JA 閲覧日 2026-09-23
  30. 清流日本一「広尾川」 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  31. 概要・計画書 日高山脈襟裳十勝国立公園 — Ministry of the Environment (環境省) JA 閲覧日 2026-09-23
  32. Hidakasanmyaku-Erimo-Tokachi National Park — National Parks of Japan, Japan National Tourism Organization EN 閲覧日 2026-09-23
  33. 過去の気象データ検索:広尾(十勝地方) 観測史上1~10位の値 — Japan Meteorological Agency (気象庁) JA 閲覧日 2026-09-23
  34. 漁業の概要 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  35. 北海道観光入込調査報告書(R7 資料編):市町村別・月別観光入込客数、訪日外国人宿泊者数 — Hokkaido Government (北海道) JA 閲覧日 2026-09-23
  36. 北海道広尾町のふるさと納税 お礼の品ランキング — ふるさとチョイス (Furusato Choice) JA 閲覧日 2026-09-23
  37. お土産 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  38. 和食・寿司・弁当 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  39. 十勝神社 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  40. 広尾しおサイダー/TOKACHI SOUNA SODA 37 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  41. お菓子 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  42. 花火と海風でととのう「海風サウナフェス」第3回 開催! — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  43. 広尾毛がにまつり — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  44. スポーツ・アウトドア — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  45. 広尾町観光協会|北海道・十勝の港町 広尾町の観光スポットを紹介 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  46. サンタランド&大丸山森林公園 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  47. 風呂・サウナ — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  48. コスモール大樹 — 北の道の駅 (Hokkaido Michi-no-Eki official site) JA 閲覧日 2026-09-23
  49. 忠類 — 北の道の駅 (Hokkaido Michi-no-Eki official site) JA 閲覧日 2026-09-23
  50. シーサイドパーク広尾 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  51. みついし — 北の道の駅 (Hokkaido Michi-no-Eki official site) JA 閲覧日 2026-09-23
  52. 交通アクセス — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  53. 帯広広尾自動車道 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  54. ホテル — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  55. 民宿・旅館 — Hiroo Tourism Association (広尾町観光協会) JA 閲覧日 2026-09-23
  56. 十勝港港湾施設管理条例の一部改正【港湾内での遊泳及び潜水行為の禁止】 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23
  57. ヒグマ対策(higuma) — Hokkaido Government, Nature Environment Division (北海道環境生活部自然環境局) JA 閲覧日 2026-09-23
  58. 姉妹・交流都市 — Hiroo Town (広尾町) JA 閲覧日 2026-09-23