北海道 市町村ガイド

日高振興局

平取町 Biratori

びらとりちょう

沙流川に沿って広がる農業の町で、今も息づくアイヌ文化の中心地の一つ。二風谷地区には二つのアイヌ文化の博物館と工芸家の工房が集まり、北海道で初めて国の伝統的工芸品に指定された工芸品がある。町によるとトマトの出荷量は全道一で、町域は日高山脈襟裳十勝国立公園の最高峰・幌尻岳まで広がる。

人口(2020年国勢調査)
4,776
面積
743.09 km²
沙流郡
公式サイト
www.town.biratori.hokkaido.jp

主な特色

  • 二風谷のアイヌ文化:博物館、復元されたチセ(伝統家屋)、工芸の工房が集まる地区。北海道でアイヌの人々の比率が最も高い地域とされることが多い910
  • 二風谷イタと二風谷アットゥㇱ:木彫りの盆である二風谷イタと、樹皮の繊維で織った布である二風谷アットゥㇱは、2013年3月8日、北海道で初めて国の伝統的工芸品に指定された1112
  • 萱野茂と二風谷ダム裁判:二風谷出身の萱野茂はアイヌ初の国会議員。1997年、萱野が起こした二風谷ダムをめぐる訴訟の判決は、国の機関として初めてアイヌ民族を先住民族と認めた1314
  • びらとりトマト:町によると出荷量全道一。トマトジュースやケチャップの「ニㇱパの恋人」としても販売されている15
  • びらとり和牛:黒毛和種。町によると、A4・A5ランクが90%を超える16
  • スズラン:芽生の野生の群生地は約15 haで、町は日本一の広さとしている17
  • 幌尻岳(2,052 m):日高山脈襟裳十勝国立公園の最高峰。何度も川を渡る登山道で知られる1819
  • 義経伝説:義経神社の創祀は1799年。中世の武将・源義経を祀り、地元の伝承ではアイヌの人々から「ハンガンカムイ」と慕われたという2021

観光・アクティビティ

自然・景観

  • 芽生すずらん群生地
    • かつて軍馬を放牧していた牧場。馬はスズランが有毒だと知っていて食べ残したため、群生が広がった。
    • 1975年以降、乱獲や踏み荒らしで絶滅に近い状態となり、一般公開が中止された。
    • 現在は5月下旬〜6月上旬のみ一般開放される。花が葉の下に隠れる、日本古来の和種のスズランである17
  • にぶたに湖と沙流川:湖畔には「歴史の散歩道」が整備されている。群生地の隣には町営牧場がある32
  • 義経公園:春は桜とツツジ、秋は見事な紅葉45

温泉

  • びらとり温泉ゆから(二風谷92-6)
    • 銘石を配した露天風呂や炭酸泉がある。露天風呂付きの客室もある。
    • レストランではびらとり和牛やびらとりトマトを味わえ、館内はアイヌの伝統工芸品や文様で飾られている4940
    • 1977年に平取温泉として開業6。博物館との共通券がある(下記参照)50

博物館・史跡(二風谷)

  • 平取町立二風谷アイヌ文化博物館(二風谷55)
    • 1992年開館25。展示は「アイヌ―人々のくらし―」「カムイ―神々のロマン―」「モシㇼ―大地のめぐみ―」「モレウ―大造形の伝承―」の4ゾーン46。2025年度の入館者は約23,300人で、2024年度の24,700人から減った31
    • 開館時間は9:00〜16:30。4月16日〜11月15日は無休。11月16日〜4月15日は毎週月曜日と、12月31日〜1月5日が休館。
    • 入館料は大人400円、子ども(7〜15歳)150円。
    • 萱野茂二風谷アイヌ資料館との共通券は大人700円・子ども200円。資料館とびらとり温泉ゆからの3施設共通券は大人1,050円50
  • 萱野茂二風谷アイヌ資料館(二風谷79)
    • 開館時間は9:00〜16:30で、休館日は特になし。11月16日〜4月15日は事前連絡が必要。
    • 入館料は大人400円、子ども150円51
    • 収蔵品は約4,000点。萱野茂が約半世紀にわたって収集・製作したアイヌ民具のほか、世界の先住民族の資料もある52
  • 沙流川歴史館(二風谷227-2)
    • チャシ跡の調査、二風谷遺跡の出土品、沙流川流域の今と昔を再現したジオラマを展示。
    • 入館無料。開館時間は9:00〜16:30。月曜日と12月30日〜1月5日は休館53
  • 平取町アイヌ文化情報センター(二風谷工芸館、二風谷61-6)
    • 二風谷イタ・アットゥㇱなど工芸家の作品を販売し、木彫・刺繍の体験もできる。
    • 入館無料。開館時間は9:00〜17:00。12月31日〜1月5日は休館42
  • 平取町アイヌ工芸伝承館ウレㇱパ(二風谷77-14)
    • 2019年4月開館。入館無料。開館時間は9:00〜16:30。月曜日と12月30日〜1月5日は休館29
    • 地元作家の制作を見学でき、レーザー加工機やUVプリンターでアイヌ文様のペンダントを作る体験もある(有料・要予約)48
  • 民芸店:二風谷には次のような工芸の店がある43
    • 北の工房つとむ:隣の工房で制作の様子を見学できる
    • 高野民芸店:メノコイタ(まな板)や刺繍品
    • 貝沢民芸:アットゥㇱ
    • 藤谷民芸店:刺繍や糸撚りの体験
  • 旧マンロー邸:マンローの住宅兼病院。北海道大学に寄贈され、二風谷研究室として使われている2345。登録有形文化財6

博物館・史跡(二風谷以外)

  • 義経資料館(本町):源義経とその伝説にまつわる資料を展示。開館時間は9:00〜17:00。月曜日休館で、12月〜3月は予約制。入館料は大人200円、子ども100円54
  • 振内鉄道記念館
    • 振内郵便局の隣。富内線の鉄道用具や振内駅構内の模型を展示。
    • 屋外の公園にはD51形蒸気機関車と客車がある。
    • 開館時間は9:00〜16:00。11月〜3月は閉館55

アウトドア・季節の楽しみ

  • 幌尻岳登山
    • 平取町側からの額平川コースは10回以上の渡渉があり、渓流靴が必須。
    • とよぬか山荘の営業は6月30日〜9月30日。駐車料金は300円。
    • とよぬか山荘から登山口へのシャトルバスは往復10,000円(中学生以下5,000円)。
    • 幌尻山荘は7〜9月に管理人が常駐する。定員40名で、1泊4,000円にトイレ使用料1,000円。幌尻岳施設予約システムまたは平取町山岳会(01457-3-3838)への電話による事前予約が必須18
    • このルートのため、幌尻岳は「日本百名山の中で最難関」といわれることがある1918
  • ニセウ・エコランド(岩知志67-6)
    • 車で乗り入れられるキャンプ場(テントサイト37区画)、バンガロー、18ホールのパークゴルフ場。釣りや野生のホタル観賞も楽しめる。
    • 予約受付は4月15日から。毎週火曜日休園(繁忙期を除く)56
  • 二風谷ファミリーランド
    • オートキャンプ場(予約は管理棟へ、01457-2-3807)、パークゴルフ場、野球場、テニスコート、ゲートボール場、冒険遊具のある広場がある。
    • 2026年度は4月18日に営業を始めた。月曜定休(7月下旬〜8月中旬は無休)57

食の体験

  • 和牛:「くろべこ」(紫雲古津200-2、赤い建物が目印)、「焼肉亭 沙流苑」(本町29、団体は要予約)40
  • その他の地元の味
    • ライダーに人気の「ドライブイン ユーカラ」(二風谷82-2)
    • ヤマメが食べられる「仁世宇園」
    • 地元産の食材を使う洋菓子店「はれのあさ」40

道の駅

平取町内に道の駅はない。北海道の道の駅の公式一覧にも、町内のものは載っていない58

山の駅ほろしり館:登録された道の駅ではないが、同じような役割を果たしている。

  • 所在地:振内町23-1、振内市街地の国道237号沿い。
  • 内容:観光案内、平取町の特産品の販売、写真・絵画の展示、トイレ、身障者用トイレ、駐車場、バスターミナル機能。
  • 営業時間:4月〜10月は10:00〜17:00、11月〜3月は10:00〜16:00(2026年9月現在。訪問前に確認のこと)59

最寄りの道の駅は次のとおり。

  • 樹海ロード日高日高町):
    • 国道274号と237号の交点。振内から沙流川をさかのぼった先にある。
    • 「山女魚天ぷら蕎麦」を出すそば店、日高山脈博物館、Wi-Fi。EV急速充電器は休止中との告知が出ている。
    • 1996年8月5日登録60
  • むかわ四季の館むかわ町):
    • 国道235号沿い。
    • 温泉「四季の湯」(10:00〜22:00)、ししゃもなどの海産物、温水プール。
    • 2003年8月8日登録61
  • サラブレッドロード新冠新冠町):
    • 国道235号沿い。
    • ピーマン味などのソフトクリーム、ピーマンを使った菓子、隣接するレコード館「レ・コード館」。
    • 1997年4月11日登録62
  • 自然体感しむかっぷ占冠村58

アクセス・交通

  • 鉄道:1986年11月1日に富内線が廃止されてから、町内に鉄道はない24。最寄りのJR駅は鵡川駅。札幌や新千歳空港からはJR千歳線で苫小牧へ行き、鵡川行きに乗り換える。鵡川以遠の日高本線は廃止され、代替バスが運行している。鵡川駅から平取町までは道南バスかむかわハイヤー(0145-42-2141)を利用する。車では約30分63
  • バス:道南バスが路線を運行し、平取営業所(01457-2-2311)がある。町は都市間高速バスも利用できるとしている63。山の駅ほろしり館が振内のバスターミナルの役割を果たしている59
  • 道路
    • 車で札幌から約1時間50分、新千歳空港から約60分、苫小牧から約60分。
    • 日高自動車道の日高富川ICから約15分63。日高自動車道は2026年2月に新冠ICまで延伸された64
    • 国道237号が沙流川沿いに振内を通り59、日高町へ続く60
  • 空路:最寄りは新千歳空港で、車で約60分63

旅のヒント

  • 訪れる時期
    • スズランの観賞:5月下旬〜6月上旬17
    • チㇷ゚サンケと義経神社例大祭:8月中旬。
    • 和牛・トマトまつり:9月第3日曜日44
    • 幌尻岳:山荘に管理人が常駐する7〜9月18
    • 町立の博物館は4月16日〜11月15日は無休50
    • 11月中旬〜4月中旬に萱野茂二風谷アイヌ資料館を訪れる際は事前連絡が必要51
    • 義経資料館は12月〜3月は事前連絡が必要54
    • 振内鉄道記念館は11月〜3月は閉館55
  • 幌尻岳の安全:額平川コースの最近の事故のほとんどは渡渉中に起きており、単独行や天候判断の誤りが絡むことが多い。シャトルバスは天候や増水で運休することがある。登山計画書を提出し、渡渉の経験が乏しい場合はガイドを雇うこと18
  • 野生動物:日高山脈はヒグマの生息地である。森や川沿いではクマ鈴を持ち、音を立てて歩き、野生動物に餌を与えないこと。
  • スズラン群生地:花を摘まないこと。群生地はかつて乱獲や踏み荒らしで絶滅に近い状態になった17
  • 地震:2018年の地震では振内で震度6弱を観測した28
  • 宿泊
    • びらとり温泉ゆから
    • ホテル駿(本町46-3)
    • ゲストハウス二風谷ヤント(二風谷79-3)
    • 民宿沙流川(振内)
    • 民宿喜楽家(小平)
    • バリアフリーなくまさん荘(豊糠)65
  • 観光案内:町の観光商工課(01457-3-7703)44、振内の山の駅ほろしり館59

平取町についてもっと詳しく

基本情報

項目 内容
種別 町。1923年から村、1954年11月から町1
振興局 日高振興局
沙流郡
人口 2020年国勢調査で4,776人。2025年国勢調査の速報値は4,332人で、444人(9.3%)の減少。世帯数は2,288世帯から2,146世帯に減った2。住民基本台帳では2026年8月末現在、4,392人(男2,189人、女2,203人)、2,458世帯3。1970年の人口は10,770人だった4
面積 743.09 km²5。町域はおおむね三角形で、東西52.8 km、南北41.1 km。町の概要ページでは単位が「ヘクタール」と誤記されている1
人口密度 約5.9人/km²(2026年8月の住民基本台帳)、2020年国勢調査では6.4人/km²
沿革 1899年7月に戸長役場が設置された。1923年4月に平取村と改称し、1954年11月に町制を施行した1。2004年9月6日に近隣町との合併協議から離脱し、合併は行っていない6。2019年10月に開基120年記念式典が開かれた1
隣接市町村 日高振興局:日高町新冠町。胆振:むかわ町。上川:占冠村。十勝:帯広市6
シンボル 町の花:スズラン(アイヌ語名セタㇷ゚クサ)。町の木:カツラ(アイヌ語名ランコ)。いずれも1979年11月3日に指定7。町の鳥:アカゲラ6
マスコット ビラッキー。好物のびらとりトマトを食べ過ぎて赤くなった妖精で、トマトの赤い丸い体に、スズランのしっぽ、豚の鼻、牛の角を持つ8
公式サイト https://www.town.biratori.hokkaido.jp/

地名の由来

  • 平取:アイヌ語の「ピラ・ウトゥㇽ」(崖の間)に由来する16。英語版ウィキペディアは「岩の崖の間」と訳している4
  • 二風谷:アイヌ語の「ニㇷ゚タニ」に由来し、主に二つの解釈がある。
    • 町は「大森林」「野の林」などと解釈している12
    • 地名研究者の山田秀三は「ニㇷ゚・タ・イ」(刀の柄を作った所)という説を示した。これは、金具付きの木刀を作る腕利きの細工人がいたという松浦武四郎の記録にもとづく9
  • 幌尻:アイヌ語の「ポロ・シㇼ」(大きな山)に由来する。特に二風谷のアイヌの人々が、古くから神聖な山として敬ってきた1918

歴史

  • アイヌの時代:1983〜1985年の二風谷遺跡の発掘調査で、17世紀前後のアイヌの暮らしが明らかになった。交易、建物の構造、動物送り儀礼などを示す成果が得られている12。1808年の記録には、二風谷が11戸の集落として記されている。1858年には松浦武四郎が、この地の三つの集落に116人が暮らしていたと記録した9。江戸時代の場所請負制の下でアイヌの人々は強制的な労働に駆り出された。萱野茂の祖父も1858年、11歳で連れて行かれた一人である10
  • 義経神社(1799年):1799年、幕臣・近藤重蔵らの一行が源義経の御神像を安置した。これが義経神社の始まりである20。日本語版ウィキペディアは、1799年または1802年にハヨピラ山に小祠が建てられたとする説を紹介している21
  • 初期の来訪者(1870年代):平取のアイヌの首長・平村ペンリウクは、何人もの西洋人を迎えた。
    • 1876年:宣教師ウォルター・デニング。
    • 1878年:ハインリヒ・フォン・シーボルト、続いて旅行家イザベラ・バード(バードはこの滞在について書き残している)。
    • 1879年:ジョン・バチェラー。ペンリウクは彼にアイヌ語を教えた22
  • 村の成立と強制移住(1899〜1932年)
    • 1899年7月、戸長役場が設置された1
    • 1916年3月、新冠村のアイヌ80戸が平取村へ強制的に移住させられた6
    • 私鉄の沙流鉄道が1922年から1951年まで運行した6
    • 1923年4月、村名を平取村とした1
    • 1932年、スコットランド出身の医師・人類学者ニール・ゴードン・マンローが二風谷に移り住んで診療所を開き、1942年4月11日にこの地で没した23
  • 町制と鉄道(1954〜1986年):1954年11月に町制を施行した1。国鉄富内線は1958年11月15日に振内まで開業し、1964年11月5日に日高町まで延伸された。1986年11月1日に廃止され、道南バスの路線に転換された24。1961年4月5日には、発電所工事の飯場で雪崩が起き、12人が亡くなった6
  • アイヌ文化の復興とダム(1972〜1998年)
    • 萱野茂は1972年に資料館を開き、1983年にアイヌ語教室を始めた13
    • 二風谷ダムは1973年に着工した9
    • 1977年に平取温泉が開業した6
    • 町立の二風谷アイヌ文化博物館は1992年に開館した25
    • 1997年3月27日、札幌地方裁判所は、ダム建設のためのアイヌの土地の収用を違法と判断した。ダムは1997年に完成し、1998年4月から運用されている14
  • 2000年代〜2010年代
    • 2003年8月9日、台風10号で住宅10戸が浸水した6
    • 2007年7月、沙流川流域の文化的景観が全国で3番目の重要文化的景観に選定された26
    • 2012年8月9日、萱野茂二風谷アイヌ資料館のチセ2棟が火災で焼失した27
    • 2013年3月8日、二風谷イタと二風谷アットゥㇱが伝統的工芸品に指定された11
    • 2018年9月6日の北海道胆振東部地震では、振内で震度6弱を観測した28
  • 近年
    • 2019年4月、平取町アイヌ工芸伝承館ウレㇱパが開館した29
    • 上流の平取ダムが2022年に完成した14
    • 2024年6月25日、日高山脈が日高山脈襟裳十勝国立公園に指定された30
    • 2024年度は、実写版映画「ゴールデンカムイ」の公開と連続ドラマとのコラボイベントで、アイヌ文化関連施設の来場者が増えた31

地理・気候

  • 位置:平取町は日高振興局の西部内陸にある。東部の山々は日高山脈に属し、それらの山々と貫気別山周辺までの森林は国立公園に含まれる6
  • 国立公園:日高山脈襟裳十勝国立公園は2024年6月25日に指定された。国内35番目の国立公園で、陸域面積245,668 haは国内最大30
    • 幌尻岳(2,052 m):同公園の最高峰18。平取町と新冠町の境にそびえ、七つ沼カールなどの氷河地形(カール)がある19
    • 戸蔦別岳(1,959 m)6
  • 川と湖
    • 沙流川が町を貫いて流れる。長さ104 kmで、日高一の長流32
    • 支流には額平川や貫気別川がある6
    • 二風谷ダムの貯水池・にぶたに湖には、「歴史の散歩道」が整備されている32
  • 気候
    • 町の概要では、平均気温7.7℃、最高気温31.0℃、最低気温−25.0℃、年間降水量1,113.0 mm、年間降雪量127.0 cmとされている1
    • 町の農業ビジョンは、降雪量が少なく、夏は道内でも比較的温暖で日照時間も長いため、施設野菜に適した地域だとしている33

経済・産業

  • 農業産出額:2024年の推計値は87.8億円34

    • 野菜(主にトマト):33.7億円
    • 米:7.7億円
    • 肉用牛:5.3億円
    • 乳用牛:4.6億円
    • 畜産計:44.8億円(数値が公表されていない豚とその他の畜産を含む)

    耕地面積は4,660 ha(2024年)。2020年農林業センサスでは、農業経営体数233経営体、基幹的農業従事者数479人34

  • トマト:品種は「桃太郎」で、出荷量は全道一15。農業ビジョンは「国内トップクラスの生産量」とし、重点振興作物に位置づけている。トマトハウスは裏作でキュウリや寒締めほうれん草の栽培にも使われる33。日高振興局管内全体では、2025年のトマト販売額は約43.1億円で、トマトの生産量は道内の振興局で最も多い35

  • 米と飼料作物:2021年度の水田ビジョンでは、主食用米が耕地面積の約23%(作付予定436.5 ha)を占める。飼料作物は約1,216 haで、主に町内の畜産農家に供給されている33

  • 畜産:2013年度、酪農・肉用牛は町の農業産出額の25%強を占めた。肉用牛は3,274頭(うち肉専用種2,542頭)、乳牛は1,198頭だった36。当時、総農家300戸のうち肉用牛農家は38戸、酪農家は16戸だった37

  • 就業者:町の概要(2020年国勢調査)によると、第1次産業923人、第2次産業412人、第3次産業1,397人1

  • 観光

    • 2025年度:217,900人(2.6%減)。
    • 2024年度:223,700人。「ゴールデンカムイ」の効果で増えた。2025年度は謎解きイベントを実施したものの、アイヌ文化関連施設の来場者は伸び悩んだ31
  • 人口減少:人口は1970年の10,770人4から、2025年国勢調査速報で4,332人に減った2

  • 地域振興

    • 2026年度、地域おこし協力隊を農業・畜産の支援員として募集した38
    • 町内産の米を使った純米酒を発売した39
    • ふるさと納税の返礼品を30を超えるポータルサイトで扱っている16

特産品・名物

名物・特産品 分類 詳細・入手先
びらとりトマト 野菜 甘みに富む「桃太郎」。4 kg箱で時価。問い合わせはJAびらとり(01457-2-2211)15
ニㇱパの恋人 トマト加工品 トマトジュース(有塩・無塩)、トマトケチャップ320 g、トマトピューレ200 g、1人前のびらとりトマトカレー15。ジュースはふるさと納税で町一番の人気返礼品16
びらとり和牛 牛肉 黒毛和種。JAびらとりが販売し、びらとり温泉ゆからと専門店「くろべこ」で味わえる15。焼肉亭 沙流苑、振内の「じゃんけんぽん」でも提供40
びらとり産米「ゆめぴりか」 「北海道ゆめぴりかコンテスト」で最高金賞を受賞。ふるさと納税の返礼品16
豚肉・羊肉 食肉 びらとり四元豚とラムスライスがふるさと納税の返礼品16。A'laise cafe Annのおすすめは「Bira豚チャップ」40
純米酒「涼燗」 日本酒 平取町産の酒造好適米「吟風」を100%使用。ラベルは「アイヌ文様」「版画」「幌尻岳」の3種類。2026年の出荷分は4月16日に発売され、生原酒(限定100本)は4月6日に発売された。町内の取扱店で販売39
ヤマメ 川魚 岩知志の「仁世宇園」で味わえる40
二風谷イタ 工芸品 アイヌ文様のモレウ(渦巻き)と、ウロコ彫りのラムラムノカが施された、浅く平たい木製の盆11。材はクルミ、カツラ、エンジュ41
二風谷アットゥㇱ 工芸品 オヒョウなどニレの仲間の木の内皮から作った糸に撚りをかけて織る布。水に強く、通気性に優れ、丈夫で、着物、半纏、帯、小物などに使われる11。平取町アイヌ文化情報センターや、貝沢民芸など二風谷の店で販売4243
ふるさと納税の返礼品 ふるさと納税 引退競走馬のグッズや、二風谷イタ・アットゥㇱなどのアイヌ工芸品もある16

文化・祭り

行事 時期 見どころ
すずらん観賞会 5月下旬〜6月上旬 芽生すずらん群生地が一般開放されるのはこの期間だけ4417
義経神社例大祭 8月14〜15日 白装束での神輿担ぎ、子ども相撲、盆踊り、露店44
チㇷ゚サンケ 8月中旬 二風谷地区の沙流川で行われる、アイヌの伝統的な舟おろしの儀式(名称は「舟をおろす」の意)44
食の祭典 びらとり和牛・トマトまつり 9月第3日曜日 町内最大のイベント。二風谷ファミリーランドでバーベキューコーナー、ステージイベント、特産品販売44。2025年度の入込は約5,000人31
全道PKグランプリ 2月第1日曜日 二風谷ファミリーランドで雪上のPK合戦。100チーム以上が参加44
  • 義経神社と義経資料館
    • 神社は町の中心部・本町にある20。伝承では、義経の一行はアイヌの集落に落ち着き、農耕や舟づくり、機織りを教えたという21
    • 境内にはペンリウクの頌徳碑が建つ22
    • 周囲の義経公園は、桜、ツツジ、紅葉の名所45
  • 二風谷の記念碑:沙流川流域の文化的景観には、次のものが含まれる26
    • アイヌの歌人・違星北斗の石碑
    • アイヌの叙事詩を記録した言語学者・金田一京助の歌碑
    • 北海道で2番目に古い図書館とされる、明治期の旧二風谷青年会図書館
  • 研究者:沙流川流域には、ジョン・バチェラー、金田一京助、マンローらが訪れ、アイヌ文化研究の重要な拠点となってきた12

アイヌ文化

  • 現在の二風谷:日本語版ウィキペディアは、二風谷の住民の過半数がアイヌで、北海道で最もアイヌの比率が高い地域だとしている9。英語版ウィキペディアは、2000年時点で80%を超えていたとしている10
  • 文化的景観:重要文化的景観「アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の文化的景観」6は、2007年7月に全国で3番目に選定された26。博物館の紹介には、次のようなものが挙げられている。
    • チセ群と、チㇷ゚サンケ(舟おろし)の伝統
    • 食料や素材の採取に使われてきた「イオルの森」
    • オキクルミのチャシと、オキクルミの妻が残していったという半月形の「箕の形象」ムイノカ
    • 伝説の神の弓矢にまつわり、夏至の太陽を望む場所でもあるオプシヌプリ
    • クマの形をした岩ウカエロシキ
    • スズラン群生地26
  • 指定コレクション:国の重要有形民俗文化財「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」は1,121点。町立の博物館が919点、萱野茂二風谷アイヌ資料館が202点を所蔵する46
  • アイヌ古式舞踊:国の重要無形民俗文化財「アイヌ古式舞踊」を、町内では平取アイヌ文化保存会が伝えている6
  • 萱野茂(1926〜2006年)
    • 1926年6月15日、二風谷に生まれた13
    • 1972年に資料館を開き、1983年に二風谷アイヌ語教室を始め、2001年にアイヌ語のミニFM局「FMピパウシ」を開局した13
    • 1994〜1998年、アイヌ初の参議院議員を務め、国会で史上初めてアイヌ語で質問した。1997年のアイヌ文化振興法の成立を見届けた13
  • 二風谷ダム裁判:原告は萱野茂と貝澤正で、貝澤正の没後は長男の貝澤耕一が引き継いだ。1997年3月27日、札幌地方裁判所は土地収用が裁量権を逸脱していると判断し、国の機関として初めてアイヌ民族を先住民族と認めた。ダムはすでに完成していたため、請求は事情判決により棄却された14
  • 受け継がれる工芸
    • 企業組合二風谷民芸が二風谷イタの伝統を継承している41
    • 二風谷コタンのチセでは、工芸家が輪番で木彫りや刺繍の作業をしながら来訪者と交流する47
    • ウレㇱパ(アイヌ語で「互いに育てあう」)は工芸の担い手を育てている48

姉妹都市・友好都市

  • 兵庫県南あわじ市:1994年7月6日から友好都市。協定は旧三原町と結ばれ、三原町は現在南あわじ市の一部となっている666
  • 海外:見当たらなかった。

ゆかりの人物

  • 萱野茂(1926〜2006年):アイヌ文化研究者。二風谷の資料館の創設者で、アイヌ初の国会議員13
  • 平村ペンリウク(1833〜1903年):平取のアイヌの首長。イザベラ・バードを迎え、ジョン・バチェラーにアイヌ語を教えた22
  • 貝澤正・貝澤耕一:二風谷ダム裁判の原告14
  • ニール・ゴードン・マンロー(1863〜1942年):スコットランド出身の医師・人類学者。二風谷で暮らし、この地で没した23
  • 福居良(1948〜2016年):ジャズピアニスト。町ゆかりの人物に挙げられている46

出典

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  40. お食事/平取町 — Biratori Town JA 閲覧日 2026-09-23
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  50. ご利用案内 | 【公式】平取町立二風谷アイヌ文化博物館のホームページ — Nibutani Ainu Culture Museum JA 閲覧日 2026-09-23
  51. 萱野茂 ニ風谷アイヌ資料館/平取町 — Biratori Town JA 閲覧日 2026-09-23
  52. 萱野茂二風谷アイヌ資料館 | 道央圏 | アイヌ文化情報検索 | 赤れんが庁舎 展示ガイド — Hokkaido Government JA 閲覧日 2026-09-23
  53. 沙流川歴史館/平取町 — Biratori Town JA 閲覧日 2026-09-23
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