遠軽町 Engaru
えんがるちょう
遠軽町はオホーツク地域の内陸、湧別川の上流域にある非常に面積の広い町である。西端の白滝には、町が「日本最大の黒曜石産地」とする産地があり、そこで作られた石器(古いものは約3万年前)は現在、日本最古の国宝となっている。町の中心部は旭川紋別自動車道の現在の終点で、2024年度に80万人近くが訪れた道の駅と、1,000万本のコスモスが咲く丘がある。
- 人口(2020年国勢調査)
- 19,241
- 面積
- 1,332.45 km²
- 郡
- 紋別郡
- 公式サイト
- engaru.jp
主な特色
- 白滝の黒曜石と日本最古の国宝。 町は白滝を日本最大の黒曜石産地としており10、白滝ジオパーク推進協議会は日本最大級の産地の一つとしている11。2023年6月27日、白滝遺跡群の出土品1,965点(石器1,514点、接合資料451組)が国宝に指定された。古いものは約3万年前のもので、日本最古の国宝であり、北海道では函館市の中空土偶に次ぐ二例目の国宝である1112。
- 太陽の丘えんがる公園 虹のひろば(コスモス園)。 8月中旬から9月下旬にかけて、丘の斜面10 haを約1,000万本のコスモスが彩る。町は日本最大級のコスモス園の一つとしている13。
- 瞰望岩(がんぼういわ)。 町の中心部に約78 mの高さでそびえる岩山。町のシンボルであり町名の由来でもあり、2011年からは国指定名勝「ピリカノカ」の構成資産となっている14。
- 雨宮21号。 丸瀬布で現在も乗客を乗せて走る森林鉄道の蒸気機関車。町は国内唯一の動く森林鉄道蒸気機関車としており、北海道遺産に選定されている15。
- 合気道とのゆかり。 合気道の開祖・植芝盛平は1912年、和歌山からの入植団を率いて白滝に入植し、七年間とどまった。日本語版ウィキペディアによれば、植芝はこの地で武術の道に入ったとされ、入植地跡には「合気道ゆかりの地」の記念碑が建っている5。
- 交通の要衝とにぎわう道の駅。 道の駅遠軽 森のオホーツクは、自動車道の終点である遠軽ICに隣接する。2024年度の利用者は799,382人で、スキー場があり、2021年からはジップラインもある1166。
- 夏アスパラと白滝じゃが。 アスパラガス「遠軽にょっきーず」は春だけでなく夏にも収穫される17。白滝じゃがは標高約400 mの畑で栽培される18。
- 木材と木のおもちゃ。 生田原には、約40か国から集めた木のおもちゃ約1万点を展示する博物館がある19。2020年東京オリンピックの開会式では、1964年の東京大会の際に各国が持ち寄った種から遠軽町で育った木の間伐材で、木製の五輪が作られた20。
観光・アクティビティ
自然・景観
- 太陽の丘えんがる公園。 瞰望岩や町営の見晴牧場を含め、丘をまるごと生かした公園である545。
- 瞰望岩。 数分で頂上まで登ることができ、町を一望できる14。
- 山彦の滝・鹿鳴の滝。 丸瀬布から武利川沿いに16 km進み、さらに200 m歩く。冬は駐車場の2 km手前のゲートで車両通行止めとなるが、ガイドツアーの際は通行できる32。
- まるせっぷ藤園。 弘政寺から平和山公園にかけての総延長1 kmの藤棚に、200株の藤が花をつける。1945年に寺の住職が譲り受けた一本の藤がはじまりで、6月上旬から中旬に花が咲く45。
- 大平高原。 360°のパノラマが広がり、夜空が暗く星空観察に適した高原。道路は「大平ジオパークロード」として「ほっかいどう100の道」に選ばれている57。
- 平山(1,771 m)。 初心者にも登りやすい山で、登山は約2.5時間。二つの滝と雪渓を過ぎると、山頂では高山植物が迎えてくれる30。
温泉
- 瀬戸瀬温泉ホテル。 遠軽市街から車で約20分。アルカリ性単純泉が地下106 mから43 °Cで自然湧出している。日帰り入浴は700円で、水曜日が定休日58。
- 生田原温泉ホテルノースキング。 JR生田原駅に隣接し、温泉浴場とラジウム岩盤浴がある5960。名称は、戦前に近くで操業していた北の王鉱山(金山)にちなむ5。
- マウレ山荘。 丸瀬布上武利にある森のスパリゾートホテルで、2018年にリニューアルした。日帰り温泉「ポッケの湯」(2019年9月開業)には薪式のフィンランドサウナがある。営業時間は12:00〜18:00、料金は600円6162。
- 丸瀬布温泉やまびこ。 いこいの森に隣接する日帰り温泉。2026年の営業期間は4月29日〜10月18日で、冬期は休業する。入浴料は600円。食堂の名は「温泉ら〜めん」である63。
博物館・史跡
- 遠軽町埋蔵文化財センター。 白滝138-1の白滝総合支所の2階にある。国宝の黒曜石製石器を収蔵しており、本物のマンモスの牙に触れることができる。エゾシカの角をハンマー代わりにした黒曜石のナイフづくりは、誰でも予約なしで体験できる。開館時間は9:00〜17:00、入館料は一般320円1011。2026年4月からは火曜日が休館日となった64。
- 白滝ジオパーク交流センター。 同じ建物の1階にある。入館無料で、黒曜石のでき方を紹介する二面スクリーンの映像シアターがある53。
- 木のおもちゃワールド館ちゃちゃワールド。 生田原143-4にある木のおもちゃの博物館で、1998年4月28日に開館した5。約40か国の木のおもちゃ約1万点を所蔵する。木工房「ゼペット」と、藤城清治の作品を展示する「コロボックル影絵美術館」も併設している19。
- 丸瀬布昆虫生態館。 沖縄のチョウが一年中飛ぶ温室があり、世界の甲虫も生きたまま見られる。入館料は大人420円で、火曜日が休館日65。この地域は珍しい昆虫が多いことで知られ、特にオオイチモンジが有名である65。
- そのほかの博物館・史跡。
アウトドア・季節のアクティビティ
- 丸瀬布森林公園いこいの森。 入園無料。2026年の開園期間は4月29日〜10月18日70。
- 白滝高原キャンプ場。 開設期間は6月1日〜9月30日。カラマツ材のバンガロー15棟とオートサイトがあり、自分で薪を割って沸かす五右衛門風呂もある72。
- 黒曜石ジオツアー。 7〜9月に、八号沢露頭の巨大な黒曜石の露頭や、赤石山の山頂を訪れるガイドツアー。いずれのコースも国宝の見学を含む31。
- えんがるロックバレースキー場。 遠軽ICに隣接する。最大斜度33°の「チャンピオンコース」や全長1,000 mを超えるコースなど全六コースがあり、営業時間は9:00〜21:00。ペアリフトの一日券は3,900円73。道の駅の案内では、スキー場の営業時間を9:00〜20:00としている16。夏はジップラインとツリートレッキングのパークとなる(「道の駅」の節を参照)。
食の体験
道の駅
道の駅遠軽 森のオホーツク
- 所在地: 遠軽町野上150-1。国道450号(旭川紋別自動車道)の遠軽ICにあり、ロックバレースキー場のゲレンデのふもとに位置する1673。JR遠軽駅からタクシーで15分。または北海道北見バス遠軽ターミナルから町営バス(遠軽丸瀬布線)を利用する75。
- 営業時間: 2026年9月時点。訪問前に確認のこと。
- ショップ・商品: ショップ「select・forêt」(9:00〜18:00)では、次のような商品を販売している。
- 飲食:
- 設備:
- アクティビティ(5月上旬〜10月):
- 備考:
道の駅しらたき
- 所在地: 遠軽町奥白滝。国道450号(旭川紋別自動車道)の白滝パーキングエリアにあって奥白滝ICに隣接し、国道333号からも利用できる39。北大雪の山々に囲まれ、オホーツク圏への玄関口の役割を担う39。
- 営業時間: 2026年9月時点。訪問前に確認のこと。
- ショップ・商品: 地元の農産物、ハム・ソーセージ、山菜の缶詰、ドライフラワー、黒曜石加工品39。
- 飲食: そば、ラーメン、ご飯もの。レストランは鹿肉ソーセージをのせたカレーで知られる。ソフトクリームには地元産の牛乳を100%使用している3985。
- 設備:
- 備考:
旧道の駅。 国道333号沿いの丸瀬布元町42-2にあった道の駅まるせっぷは、1994年に登録された。木芸館と自動演奏のグランドピアノで知られた。2025年12月19日付で登録が抹消された2886。2010年代初めには年間約90万人が訪れていたが、2017年3月に自動車道がこの先まで延伸されると利用者は大きく減り69、2024年度には119,415人となった1。
アクセス・交通
- 鉄道。 町内にはJR石北本線の六つの駅がある。白滝(A45)、丸瀬布(A48)、瀬戸瀬(A49)、遠軽(A50)、安国(A51)、生田原(A53)である5。
- 自動車道・道路。 旭川紋別自動車道(E39、国道450号)には、町内に五つのICがある。奥白滝(白滝PA併設)、白滝、丸瀬布、遠軽瀬戸瀬、遠軽である。現在は遠軽が終点で、遠軽中央ICが事業中である5。このほか国道333号(旭川・札幌方面)と国道242号(北見・網走方面)が町内を通る87。
- 所要時間。 自動車道経由で札幌から約3時間20分、旭川から約1時間40分75。
- バス。
- 空路。
- 町内の移動。 町域は東西47 kmに及び、見どころが四つの地域に分かれているため、車での移動が現実的である4。
旅のヒント
- 訪問の時期。
- 季節休業。
- 休館日。 白滝のジオパーク交流センターと埋蔵文化財センター、丸瀬布昆虫生態館は火曜日が休館日6465。遠軽町郷土館と木楽館は月曜日が休館日5243。
- 観光案内。 えんがる町観光協会は南町3丁目の木楽館内にある(電話0158-42-8360)67。
- 冬。 最低気温が−20 °Cを下回ることも多く、町の観測史上最低は−33.8 °Cである15。山彦の滝への道路は冬期にゲートで閉鎖される32。
- 山。 武利岳の登山口へは、アクセス道路が復旧するまで行くことができない。復旧時期は未定である29。
- 野生動物。 北大雪の森にはエゾシカやヒグマが生息しており、町は鹿肉や熊肉を特産品として販売しているほどである38。早朝や夕方の運転には注意し、登山道では熊鈴を携帯すること。
- 黒曜石の露頭。 赤石山や八号沢露頭へは、公式のガイドツアーでのみ訪れること3153。
写真
遠軽町についてもっと詳しく
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | 町 |
| 総合振興局 | オホーツク総合振興局 |
| 郡 | 紋別郡 |
| 人口 | 2020年国勢調査: 19,241人(男9,337人、女9,904人、8,813世帯)1。住民基本台帳: 16,839人(男8,230人、女8,609人、9,441世帯、2026年8月31日現在)2 |
| 面積 | 1,332.45 km²34。紋別市・湧別町との境界の一部が未確定のため、国土地理院はこの値を参考値としている3。町域は東西47 km、南北46 kmに及ぶ4。面積は全国の市町村で9位、北海道内で5位(北方領土の留別村を含む)である35 |
| 人口密度 | 14.4人/km²(2020年国勢調査)1。2026年8月の住民基本台帳人口で計算すると約12.6人/km²(計算値) |
| 自治体の沿革 | 1919年に上湧別村から遠軽村が分村し、1934年に町制を施行した。その後、生田原(1925年)、丸瀬布と白滝(ともに1946年)が遠軽から分村した。2005年10月1日、遠軽・生田原・丸瀬布・白滝の四町村が対等合併し、現在の遠軽町が誕生した56。合併後の町域は、1919年の遠軽村設置当初の区域と同じである5 |
| 隣接自治体 | 北:紋別市、滝上町。東:湧別町、佐呂間町。南:北見市。西:上川町(上川総合振興局)4 |
| シンボル | 町の花:コスモス。町の木:エゾヤマザクラ、藤。このほか町の石として黒曜石、町の魚としてヤマベ(サクラマス)、町の蝶としてオオイチモンジを定めている7。いずれも2016年に制定された6。町の鳥は挙げられていない。町章は、旧北見国を表す星形が三つの輪を囲む意匠で、2005年の合併時に制定された75 |
| マスコット | 公式の町のマスコットは見当たらなかった。国宝の黒曜石製石器をモチーフにしたキャラクター「いしのたからくん」が、町のPRやグッズに登場している89 |
| 公式サイト | https://engaru.jp/ |
地名の由来
町名は、アイヌ語の インカルシ(inkar-us-i)(「いつも眺める所」)に由来する。inkar(見る、眺める)、us(いつも〜する、習慣的に〜する)、i(所)からなる521。このアイヌ語名は、現在の瞰望岩と呼ばれる岩山を指していた。町はこれを「見晴らしの良いところ」と訳しており14、日本語版ウィキペディアは、かつてこの岩から見張りをしたと伝えられると付け加えている5。
「遠軽」という和名は1901年にさかのぼる。学田農場の近くに新しい郵便局が開設された際、札幌の郵便局の職員が、この岩のアイヌ語名にちなんで「遠軽郵便局」と名付けた。その後、官公庁や学校がこの名称にならい、地名として定着した522。これと異なる語源説は見当たらなかった。
歴史
- 旧石器時代の黒曜石の石器製作地。 約220万年前、白滝では九つの黒曜石溶岩流が噴出した23。約3万年前から、人々はこの地で黒曜石を用いて石器を作った12。白滝遺跡群は、北東アジア一帯に見られる細石刃の製作技法「湧別技法」の標式遺跡である。1989年に国の史跡に指定され、1997年に遺跡が追加指定され、2023年には出土品が国宝となった24。
- アイヌと江戸時代の接触。 明治以前のこの内陸地域については、インカルシの見張り場(「アイヌ文化」の節を参照)を除き、記録がほとんど残っていない。1869年、北見国紋別郡の一部となり、和歌山藩の管轄となった5。
- キリスト教徒による開拓。 1896年、東北学院(仙台)出身のプロテスタントたちが北海道同志教育会を結成した。キリスト教主義の大学の設立を目指し、与えられた土地を「学田」(学校の田)と名付けた。1897年5月7日、新潟・山形出身の30戸が入植のため到着した。冷害と水害によって大学設立の計画は実現しなかったが、入植者はこの地にとどまった。1902年に創設された遠軽教会は、現在も活動を続けている522。
- 屯田兵。 湧別原野全体を扱う町の公式年表には、1897年に湧別屯田兵第4・第5中隊の200戸が入植したことも記されている22。その兵村は下流側、のちの上湧別(現在の湧別町の一部)にあり、「兵村」という地名が今も残っている25。
- その他の団体入植。 1912年、植芝盛平が和歌山県田辺から紀州団体54戸を率いて白滝原野に入植した5。1914年には牧師の留岡幸助が、東京の感化院(家庭学校)の分校を社名淵地区に開設した。これが現在の北海道家庭学校で、地区名は留岡にちなんで「留岡」となっている225。1922年には、大阪の製パン業者・水谷政次郎が丸瀬布に機械化された小麦農場を開いた。同地の水谷町という地名に、今もその名が残る5。
- 鉄道と木材。 1915年、軽便鉄道湧別線が遠軽まで開通した22。1932年に石北線が開通すると、遠軽は石北本線と名寄本線の分岐駅となった。スイッチバック構造はこの時にさかのぼる26。丸瀬布では1928年、雨宮号の機関車が部品の状態で輸送されて組み立てられ、1929年からムリイ森林鉄道で木材の運搬を始めた。同鉄道は1963年に廃止された15。開拓初期から戦後にかけては、ハッカ(薄荷)が主要な作物であった5。
- 駐屯地と人口減少。 1951年、町は警察予備隊の駐屯地を誘致し、これが現在の陸上自衛隊遠軽駐屯地(第25普通科連隊)となった5。名寄本線は1989年5月1日に廃止された26。現在の町域の人口は、1970年の33,330人から2020年には19,241人に減少した5。
- 合併とその後。 2005年に四町村が合併した。2010年に白滝ジオパークが日本ジオパークネットワークに加盟し、2011年に白滝遺跡群の出土品が重要文化財に指定され、2019年には自動車道が遠軽ICまで開通した。同年には道の駅も開業している6。
- 近年の出来事。 2023年7月、国際黒曜石会議が遠軽町で開催された。アジアで初めての開催であった12。2025年1月には、伊与原新が『藍を継ぐ海』で直木賞を受賞した。収録作の一つ「星隕つ駅逓」は白滝が舞台である27。道の駅まるせっぷは2025年12月19日に登録が抹消され28、2026年7月21日には町役場の新庁舎が開庁した5。災害としては、2006年の大雨6や、武利岳の登山口へ向かう道路が通行止めとなった災害被害がある29。
地理・気候
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地形。 遠軽町は、北大雪山系の東麓から下流にかけての湧別川流域を町域とする5。支流には支湧別川、武利川、丸瀬布川、瀬戸瀬川、生田原川、サナブチ川などがある4。町域の大半は森林である。旧四町村にはそれぞれ市街地があり、最も低いのは標高74 mの遠軽、最も高いのは標高357 mの白滝である5。
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山。 武利岳(1,876 m)はオホーツク管内の最高峰である29。このほか平山(1,771 m)30、北見富士(1,306 m)、主要な黒曜石産地である赤石山(1,147 m)などがある531。
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瞰望岩。 標高は160.8 mで、崖の高さは約78 m。約700万年前に、水中で噴出した安山岩質の溶岩(ハイアロクラスタイト)によって形成された5。
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滝。 山彦の滝は落差28 mで、滝の裏側を歩いて通ることができる。近くには鹿鳴の滝がある32。
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土地利用。 町の総面積133,245 haのうち、7,062 haが耕地である1。森林は約117,000 haで町域の約88%を占め(北海道林業統計からの計算値)、その大半は国有林である1。
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気候。 亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属する。遠軽観測地点の1991〜2020年の平年値では、1月の平均気温は−8.0 °C、8月は19.7 °Cである。年間降水量は870.6 mm、年間降雪量は531 cm21。観測史上の記録は次のとおり。
夏は晴天の日が多く、梅雨や台風の影響はほとんどない。冬は最低気温が−20 °Cを下回ることが多いが、雪は本州の日本海側に比べて軽く、積雪も少ない1。
経済・産業
- 主要産業。 商業、農業、林業、木材加工業5。2010年国勢調査では、就業者の多い産業は医療・福祉、卸売業・小売業、公務(陸上自衛隊の駐屯地を含む)であった5。
- 農業(2024年、えんゆう農業協同組合〈JAえんゆう〉調べ)。 小麦:777 ha、3,905 t。てん菜:168 ha、9,461 t。ばれいしょ:74 ha、2,528 t。スイートコーン:97 ha、1,178 t1。畜産も重要である。牧草地が2,747 ha、飼料用とうもろこしが1,000 haあり、町内の搾乳牛3,584頭が生乳34,269 tを生産した。2025年2月時点の飼養頭数は乳用牛7,033頭、肉用牛2,439頭であった1。2020年農林業センサスでは農家数は115戸で、2015年の178戸から減少した1。
- 製造業(2020年)。 従業者4人以上の事業所24か所で471人が働き、製造品出荷額は91.1億円であった。主な内訳は食料品(41.2億円)と木材・木製品(15.2億円)である1。主な工場は次のとおり。
- 観光(2024年度の利用者数)。
- 道の駅遠軽 森のオホーツク:799,382人。
- 道の駅しらたき:289,965人。
- 道の駅まるせっぷ:119,415人。
- コスモス園:30,834人。
- 丸瀬布森林公園いこいの森:15,553人(2022年度の56,318人から減少)。
- ちゃちゃワールド:14,383人。
- 生田原温泉ホテルノースキング:日帰り入浴51,747人、宿泊7,804人1。
- 人口動態。 2024年度の出生数は80人、死亡数は339人で、転出が転入を206人上回った1。2020年国勢調査では、65歳以上の住民は7,230人(約38%、計算値)であった1。2025年3月時点では、住民の大半(14,299人)が遠軽地域に住み、生田原地域は1,378人、丸瀬布地域は987人、白滝地域はわずか449人であった1。
- 地域振興。
- ふるさと納税の寄附額は、2019年度の2,310万円から、2025年度には15,693件、2億9,150万円に増えた33。2024年6月からは、道の駅で現地決済型ふるさと納税サービス「ぺいふる」を使ってその場で寄附でき、返礼品としてアクティビティ利用券を受け取れる34。
- 町は国宝、ジオパーク、直木賞とのゆかりをPRしている27。
- JR石北本線を支えるため、町と経済団体、観光協会でつくる協議会(遠軽町石北本線利用促進協議会)が、石北本線で来町し町内のホテル・旅館に宿泊した町外の人に、片道2,000円(往復4,000円)を助成している。実施期間は2026年6月4日から2027年3月31日まで、または予算額に達するまでである35。
特産品・名物
| 特産品 | 分類 | 内容・購入場所 |
|---|---|---|
| グリーンアスパラ「遠軽にょっきーず」 | 野菜 | 春に収穫した後も茎を伸ばして育てることで、夏にもう一度、柔らかいアスパラが収穫できる17。毎年開かれる「匠の夏採りアスパラ料理フェア」の期間中は町内の飲食店で味わえる(2026年は26店舗、7月21日〜8月13日)36。ふるさと納税の返礼品(1 kg)は4〜5月または7〜8月に発送される37 |
| 白滝じゃが | 野菜 | 標高約400 mの冷涼な畑で栽培され、昼夜の寒暖差が大きいため、甘くホクホクした食感になる18。ふるさと納税の返礼品(5 kg)は10月から12月に発送される37 |
| 鹿肉・熊肉の缶詰 | ジビエ | エゾシカや北海道のヒグマの肉の缶詰のほか、山菜の缶詰や混ぜご飯の素の缶詰もある38。オホーツクガストロノミーのエゾシカ缶詰や、オホーツクジビエの天然エゾシカロース肉は、ふるさと納税の返礼品となっている37 |
| 手作りハム・ソーセージ、ジンギスカン | 肉 | 道の駅しらたきで販売されている39。吉川産業の特製ジンギスカンや無添加ベーコンは、ふるさと納税の返礼品となっている37 |
| スープカレーと「黒い」黒曜石フード | ご当地グルメ | 例として、北海道えんがるスープカレーのセット、道の駅限定のコスモス色のチキンカレーとさくら色のホタテカレー37、森のオホーツクのショップで販売される「黒い黒曜石カレー」、真っ黒な国宝グミ、真っ黒な「ジオアイス」がある9 |
| 白滝ポテトラガー | ビール | 森のオホーツクのショップで販売されている9 |
| はちみつ | 食品 | 新海養蜂場のアカシア蜂蜜、花田産業のクローバー蜂蜜37 |
| ノルディックファームのプリン・アイスクリーム | 乳製品 | 生田原のノルディックファームが作る、オホーツクの牛乳を使ったプリンとアイスクリーム375 |
| 家庭学校のチーズ「家庭学校の薪」 | 乳製品 | 北海道家庭学校が作るさけるタイプのチーズで、ふるさと納税の返礼品となっている37 |
| 生田原のうどん三種 | 麺類 | アスパラうどん、かぼちゃうどん、「豆の黒曜石うどん」。生田原振興公社が製造している37 |
| 国宝ブレンド | コーヒー | 村上珈琲店の人気のブレンドで、国宝にちなんで名付けられた40 |
| 木工品・エゾ会敷 | 工芸品 | 四つの地域それぞれで作られる木のおもちゃや生活用品41。エゾ会敷はエゾマツを薄く削ったシートで、おにぎりを包んだり、刺身の皿に敷いたりするのに用いる42。地元の木工品は木楽館で販売されている43 |
| 鉄道グッズ | ふるさと納税 | 雨宮21号に関する本と、「21号」の鉄印、その専用ケース、線路の輪切りのセット(150,000円)37 |
文化・祭り
| 行事 | 時期 | 見どころ |
|---|---|---|
| まるせっぷ藤まつり | 6月上旬(第53回は2026年6月7日開催) | 弘政寺と平和山公園で、総延長1 kmの藤棚の下で開かれる。ステージショー、遠軽高校吹奏楽部の演奏会、山彦太鼓などがある4445 |
| いくたはらヤマベまつり | 7月上旬(第39回は2026年7月4日開催) | 生田原川でのフィッシング大会、ヤマベフライ、ライブ、抽選会46 |
| 遠軽がんぼう夏まつり | 7月中旬(第74回は2026年7月11日開催) | がんぼう太鼓の演奏、学校による音楽パレード、商店街を練り歩く「千人踊り」47 |
| 匠の夏採りアスパラ料理フェア | 7月下旬〜8月中旬 | 26店舗でアスパラ料理を提供(2026年)36 |
| アンジくんのふるさとまつり | 8月下旬(第13回は2026年8月22〜23日開催) | 2014年に始まった白滝の夏祭り。トラクター引き競技、とうきび早むき大会、YOSAKOI演舞、花火大会がある。期間中は国宝の展示を無料で見学できる486 |
| えんがる物産まつり・太陽の丘コスモスフェスタ | 9月上旬(2026年は9月5〜6日) | 特産品の物産市に続き、コスモス園でダンス、ステージショー、大道芸などを楽しむ一日。2026年は物産まつりの日に65歳以上の入園が無料となった49 |
| 山彦の滝観察会・ナイトツアー | 1〜3月 | 凍った滝をガイド付きで見学する。ライトアップされた夜のツアーもある32 |
| 湧別原野オホーツク100kmクロスカントリースキー大会 | 2月下旬 | 1986年に白滝で始まり、2012年に復活した長距離のスキー大会。現在の開催状況は確認できていない5506 |
アイヌ文化
記録が最もよく残るアイヌの史跡は 瞰望岩(インカルシ) である。町名の由来となった場所で、かつてアイヌの人々がここで戦ったという伝説がある14。2011年2月7日、国指定名勝「ピリカノカ」(アイヌ語で「美しい・形」)の構成資産となった。この名勝は、アイヌの物語や祈りの場、言語と結びついた道内各地の景勝地をまとめたものである。瞰望岩はオホーツク管内で初めての構成資産となった14。ジオパークでは、大地と生態系と人とのつながりを学ぶガイドウォークを瞰望岩で実施している53。
そのほかの痕跡は各地に点在している。
- 武利岳はかつて「ピンネシリ」と呼ばれ、日本語では「男山」と表された29。
- 山彦の滝は1897年2月、上武利に住むアイヌの青年、村山カムイカウックによって発見された5。
- イクタラ、セトセ、マウレセップといったカタカナの地名は、1960年代初めに町が字名を改めるまで使われていた5。
町内にアイヌ文化の施設は見当たらず、この地域のアイヌの暮らしについて公表された資料も少ない。
姉妹都市・友好都市
- ブラジル・サンパウロ州バストス市: 1972年10月から姉妹都市。旧遠軽町が提携した。バストス市は1928年に日本人移住地として開発され、遠軽や湧別川流域からの移民が多く定住した。交流は1971年、遠軽町長の親戚にあたるバストス市副市長が遠軽町を訪れたことから始まった88515。
- フランス・ジュラ県モアラン・アン・モンターニュ町: 1998年5月から姉妹都市。旧生田原町が木のおもちゃを縁に提携した88。
- 和歌山県田辺市・茨城県笠間市: 2001年5月から友好都市。旧白滝村が田辺市および岩間町(現在の笠間市)と提携した。2008年2月には 京都府綾部市 が加わり、植芝盛平にゆかりのある四市町で新たに友好都市提携を結んだ88。
- このほか、東京2020オリンピック・パラリンピックでアイルランドのホストタウンに登録された6。
ゆかりの人物
- 植芝盛平(1883〜1969年): 合気道の開祖。1912年から1919年まで白滝に入植していた。入植地跡には、1983年に白滝村が建立した記念碑がある5。
- 留岡幸助: 1914年に北海道家庭学校を創設した牧師5。
- 安彦良和(1947年生まれ): 遠軽町出身のアニメーター、漫画家。『機動戦士ガンダム』で知られる521。
- 湖川友謙(1950年生まれ): アニメーター(『伝説巨神イデオン』)21。
- 堀達也(1935〜2026年): 遠軽町出身の元北海道知事(1995〜2003年)で、遠軽町名誉町民589。
- 田中雅美(1979年生まれ): 競泳選手。2000年シドニーオリンピックの女子メドレーリレー銅メダリスト5。
出典
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- 令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点) — Geospatial Information Authority of Japan JA 閲覧日 2026-09-23
- 位置・面積 — Engaru Town JA 閲覧日 2026-09-23
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