町 渡島総合振興局
知内町 Shiriuchi
しりうちちょう
知内町は津軽海峡に面した農業と漁業の町である。青函トンネルはこの町で地上に出るため、本州から来た新幹線が最初に北海道に到達する場所でもある。ニラの生産量は道内一で、津軽海峡の外海でカキを養殖しており、演歌歌手・北島三郎の出身地でもある。地元の言い伝えでは1205年に和人が砂金掘りのために渡来したとされ、これに従えば北海道で最も古い和人の定住地の一つということになる。
- 人口(2020年国勢調査)
- 4,167
- 面積
- 196.76 km²
- 郡
- 上磯郡
主な特色
- 青函トンネルが北海道で地上に出る町:青函トンネルは全長53.85km、最深部は海面下240mで、1988年3月13日に開業した。北海道側の坑口は知内町にある9。道の駅の新幹線展望塔からは、湯の里知内信号場で待避している貨物列車の横を新幹線が通過する様子を見ることができる10。
- ニラ「北の華」:知内のニラは生産量・品質ともに全道一を誇る。葉幅が広く肉厚で甘みがあり、日本農業賞をはじめ数々の賞を受けている11。
- 外海育ちのカキ:知内かき「海峡育ち」は、全国的にも珍しい外海の速い潮流の中で養殖されている12。町ではマコガレイも水揚げされ、養殖サーモントラウトは「北海道知内サーモン」の名で販売されている1314。
- 北島三郎のふるさと:演歌歌手の北島三郎は1936年にこの町で生まれた15。町は役場内に北島三郎ギャラリーを設けており16、毎年8月14日には演歌のスターが出演するステージを含む「サマーカーニバルin知内」を開いている1718。
- 「日本最古の墓」:1983年、湯の里4遺跡で約14,000年前の墓が見つかった。コハク製の垂飾など14点の副葬品は、1991年に国の重要文化財に指定された19。
- 古い伝説と「北海道最古」:地元の記録によれば、砂金を求める荒木大学が1205年に渡来した19。雷公神社は神社として北海道最古の歴史を誇り6、知内温泉は北海道最古の温泉として開湯約800年をうたう20。
- 手つかずの矢越海岸:松前矢越道立自然公園の区域内に、奇岩や断崖が連なる。海岸の一部には船でしか近づけない2122。
観光・アクティビティ
自然・景観
- 矢越海岸と「青の洞窟」:松前矢越道立自然公園内の海岸には、イカリカイ島、蛇ノ鼻岩、ナマコ岬などの奇岩や岬が連なる21。矢越クルーズ(854クルーズ)は、陸からは近づけない断崖に沿って小型船で巡る約90分のツアーである。予約が必要で、イルカやシカが見られることもある535122。
- イカリカイ駐車公園(小谷石):無料で、駐車場は20台分。きれいなトイレがあり、海岸に降りて磯遊びや釣りができる。天気が良ければ対岸の本州を望める。2026年の開園期間は4月17日〜10月31日。国道228号から道道531号に入り、海岸沿いに進む54。
- 三大展望台:春には約3kmの直線道路に並ぶ約500本の桜を見渡せる重内展望台、新幹線展望塔、そして天気が良ければ青森県の津軽半島と下北半島を望める小谷石展望台である555056。
- 知内町親水広場:魚道観察スペースと散策路がある。開場期間は4月下旬から10月31日まで。トイレはなく、クマに注意が必要である57。
温泉
- 知内温泉「ユートピア和楽園」(湯ノ里284):町によれば開湯約800年で、北海道最古の温泉とされる。天然湧出の源泉が二つあり、上の湯(60.4℃)と、鉄分の多い下の湯(49.6℃)に分かれる。下の湯には混浴の露天風呂がある。日帰り入浴は大人800円、7:00〜20:30。客室は27室20。
- こもれび温泉(元町103-2):岩露天風呂、ヒノキ露天風呂、サウナを備えた公衆浴場。大人350円。入浴時間は10:00〜20:00(最終受付19:30)で、施設情報では月曜が定休日(月曜が祝日の場合は火曜)とされている。水着で利用するプールは、2026年6月10日から設備メンテナンスのため休業している58。
資料館・史跡
- 青函トンネル出入口:国道228号から見ることができ、観光協会が撮影用の台を設けている9。
- 郷土資料館(重内31-47):開館時間は10:00〜16:30。5〜11月は月曜と祝日の翌日、12〜4月は日曜と祝日が休館。12月30日〜1月5日も休館する59。
- 北島三郎ゆかりの地:役場内のギャラリー(8:30〜17:15)16、知内公園内の北島三郎ふるさと公園に2017年10月1日に建てられた芸道55周年記念碑60、町のドライブコースに含まれる生家44。
屋外・季節の体験
- 地元の農場でのトマト収穫体験、重内のコースでのパークゴルフ(4〜10月、用具の貸し出し無料)5161。
- キャンプ:道の駅に隣接する知内町農村公園は、ヒグマ出没の恐れがあるため2026年は全期間閉園となっている。ファミリースポーツ広場のキャンプ場も、クマの目撃により6月25日から閉鎖されている6261。小谷石の矢越山荘は金・土・日曜と祝日に開館しているが日帰り利用のみで、現在はキャンプ宿泊ができない63。
食の体験
道の駅
- 所在地:知内町字湯ノ里48-13、国道228号沿い。青函トンネルの北海道側出入口から約1kmの場所にある。旧JR知内駅の跡地にある湯の里知内信号場のとなりに位置する。マップコード584 340 77222165。
- 営業時間:4〜10月は8:30〜18:00で無休。11〜3月は9:00〜17:00で月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜)。年末年始の休館は、「北の道の駅」公式サイトでは12月30日〜1月3日、町のページでは12月31日〜1月3日とされている2266。トイレと駐車場は24時間利用できる67。2026年9月現在の情報のため、訪問前に確認すること。
- 店舗・商品:知内町物産館には近隣の農家のコーナーがあり、ニラ、トマト、しいたけなど旬の野菜を手頃な価格で販売している。ほかに、ほやや一夜干しいかなどの水産加工品、地元の食材を使った菓子、知内でしか買えない地酒も売っている6622。代表的な土産品は、おっぱい饅頭、地酒「荒神」、ニラを練り込んだげんきソーセージなど。北島三郎の関連グッズもある22。
- 飲食:あすなろパン工房しりうちは、2019年4月に隣接する知内町農村活性化センター内にオープンした。道産小麦と知内産の米粉を使い、地元のニラを練り込んだパンなど40種類以上のパンを焼いている。濃厚なソフトクリームも販売しており、コーヒーや紅茶と一緒に味わえるイートインコーナーもある。晴れた日には新幹線の線路に面したテラス席も使える。営業時間は10:00〜17:00で、休みは年末年始のみ6869。公式サイトには飲食店の記載がない(「グルメ情報準備中」)。以前2階で営業していたレストランが現在もあるかは確認できていない227。
- 設備:駐車場は、「北の道の駅」公式サイトでは大型車2台・普通車49台。町のページでは大型バス2台・普通乗用車35台・身障者用2台とされている2269。24時間利用できる「さわやかトイレ」は、男性用が大3器・小7器、女性用が7器、身障者用が1器69。そのほか、温水洗浄便座、オストメイト対応トイレ、EV充電器、Wi-Fi、おむつ交換台があり、クレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応している。物産館内には観光案内所がある2269。新幹線展望塔にはエレベーターがあり、通過予測時刻表(2026年3月改正)が用意されている1065。隣接する農村公園のキャンプ場は、クマのため2026年は全期間閉鎖されている62。
- 備考:1997年4月11日に道内41番目の道の駅として登録された22。開業は1997年4月30日7。スタンプは開館時間内のみ押すことができる22。近くの湯の里4遺跡で見つかった「日本最古の墓」のモニュメントがある22。展望塔からは、全国的にも珍しい、信号場で待避する貨物列車の横を新幹線が通過する様子を見ることができ、冬にはイルミネーションが飾られる2210。知内町内の道の駅はここだけである。隣町の道の駅は、木古内町の「みそぎの郷きこない」と福島町の「横綱の里ふくしま」である70。
アクセス・交通
- 鉄道:町内に旅客駅はない。最寄り駅は、北海道新幹線と道南いさりび鉄道が乗り入れる木古内駅である1。木古内駅までの所要時間の目安は、新函館北斗駅から13分、新青森駅から約1時間、東京駅から約4時間10分、道南いさりび鉄道で函館駅から約1時間。木古内駅からは路線バスで町の中心部(町民センター前)まで約17分71。
- バス:函館バスが函館〜知内線と木古内〜松前線を運行している71。知内町デマンドバスには中ノ川、上雷・湯ノ里、小谷石の3路線があり、函館バス知内出張所で接続している1。
- 道路:国道228号が海岸と知内川に沿って走り、知内と北の木古内町、北斗市、函館市、南の福島町、松前町を結んでいる1。函館市までは42km、車で約1時間71。道道531号は小谷石まで通じ、そこで終わる1。
- 札幌から:特急「北斗」で札幌から函館まで約3時間40分72。新函館北斗駅で新幹線に乗り換えて木古内まで行き、そこからバスを使うと、全体でおよそ4.5〜5時間(推計)かかる。
- 空路:最寄りの空港は函館空港である。
旅のヒント
- おすすめの季節:春は重内の道路沿いの桜と5月上旬のカキまつり5045。夏は8月14日のサマーカーニバルや、矢越・イカリカイへの海岸めぐりに最適である1754。冬から春はカキの旬である(殻付きは12〜5月)40。
- ヒグマ:この地域ではクマへの警戒が欠かせない。2026年は農村公園が全期間閉園となり、ファミリースポーツ広場のキャンプ場も目撃情報を受けて閉鎖されている6261。町は出没情報の地図を随時公開し、春と秋に「クマ注意」の期間を設けている。山歩きや山菜採りの際は複数人で行動し、鈴とクマよけスプレーを携帯し、早朝と夕暮れ時を避けること73。
- 季節による営業時間:道の駅は11〜3月の月曜が休館22。イカリカイ駐車公園と親水広場は、春から10月31日までしか開いていない5457。
- イベントの中止に注意:冬の「カキvsニラまつり」は第27回が中止となった。まつりに合わせて旅行を計画する場合は、事前に町のイベントページを確認すること48。
- 列車の見物:展望塔の時刻表には、新幹線と貨物列車の通過予測時刻が載っている。実際の時刻は前後することがあり、保守作業の日には貨物列車のダイヤが変わる65。
- 海岸の道路:小谷石へ向かう道道531号は行き止まりである1。大雨による交通規制の際には、イカリカイが閉鎖されることがある54。
知内町についてもっと詳しく
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | 町 |
| 総合振興局 | 渡島総合振興局 |
| 郡 | 上磯郡1 |
| 人口 | 4,167人(2020年国勢調査。男性2,060人、女性2,107人、1,868世帯)2。3,637人(住基ネットにおける人口【参考値】、2026年8月31日現在、外国人87人を含む)。2026年1月1日現在の住民基本台帳人口は3,700人、1,964世帯3。2025年国勢調査の速報値は3,654人で、2020年から12.3%減少した4 |
| 面積 | 196.76km²(国土地理院、2026年4月1日時点)5。2020年国勢調査の統計表と町のホームページでは196.75km²26。うち森林が159.93km²6 |
| 人口密度 | 約18.5人/km²(最新の人口による計算値)。2020年国勢調査時点では21.2人/km²2 |
| 沿革 | 1871年8月に田中明定が初代戸長に任命され、町はこれを自治制施行の始まりとしている7。1906年4月1日、二級町村制の施行により小谷石村を合わせて知内村が発足した。当時の戸口は529戸・3,111人7。Wikipediaでは涌元村も合併したとしている1。1967年10月1日に町制を施行した6。その後の合併はない |
| 隣接自治体 | 木古内町、福島町(渡島)、上ノ国町(檜山)1 |
| 町のシンボル | 町の花:ニラの花。町の木:スギ。町の鳥:タカ。いずれも町制施行50周年(2017年)の記念事業の一環として、約200人の町民から寄せられた候補の中から選ばれた8 |
| マスコット | 町のホームページには公式マスコットの記載がない。町史の年表には、2011年のサマーカーニバルで人形の販売が始まった地元キャラクター「かき太郎」と、2008年に着ぐるみが誕生したニラ生産組合のキャラクター「にららちゃん」が記録されている7 |
| 公式サイト | https://www.town.shiriuchi.hokkaido.jp/ |
地名の由来
町名はアイヌ語に由来する。北海道の「アイヌ語地名リスト」によれば、「チリオッイ」(cir-ot-i、鳥いる所)が転じて「チロチ」(cir-oci、鳥が群居する所)になった。同リストは、この川の近くが鷹の名所であったためとしている。この語源の確定レベルは「B」とされ、永田による「チロチ」の形の方が自然な解釈だと述べている23。同リストには第二の説として、この沢から他の土地へ越えて行ったことから「地・越す」を意味するとされる「シリオチ」も記されている。ただし山田による注記は、「オチ」にかつて「越す」の意味があったことに疑問を示している23。
町自身の説明も鳥に結びつけている。町によれば「チリ・オチ」は「鳥のいるところ」の意味である。さらに、松前藩が鷹狩り用として毎年徳川将軍家に献上した15羽の鷹のうち、半数以上は知内で捕獲されたものと言われているという24。この由来から、タカが町の鳥に選ばれた8。
町によれば、いくつかの地区名もアイヌ語に由来する24。
- 小谷石:「コタン・ウシ」(kotan-ushi、集落のあるところ)から。
- 重内:「オム・ナイ」(om-nay、川尻がふさがる川)から。
- 尾刺:「オサツ・ナイ」(osat-nay、川尻の乾いている川)から。
- 矢越:「ヤ・クシ」(ya-kus、内陸を通るところ)から。
- 湯ノ里:かつては萩砂里(ハギサリ/ハギチャニ)と呼ばれ、「浅き鮭の産卵するところ」を意味した。
- 涌元:和人がつけた地名と考えられている。伝説では、砂金が「涌く」ほどあったことから名づけられたという。
歴史
- 旧石器時代(約14,000年前):津軽海峡線の建設に先立ち、1983年5月に発掘調査が始まった。1983年10月25日、湯の里4遺跡で副葬品を伴う旧石器時代の墓が見つかった7。出土品14点には、ユーラシア大陸の出土品と似たコハク製の垂飾やかんらん岩製の小玉が含まれる。これらは1991年6月21日に重要文化財に指定された197。
- 縄文時代:湯の里5遺跡には、石を二重の環状に配した縄文時代後期のストーン・サークルがあり、道内ではまれな配置である。湯の里1遺跡の竪穴住居にあった土器からは、多くのサケ科の骨が見つかった19。
- 1205〜1260年(伝説):雷公神社に伝わる古文書『大野土佐日記』は、次のような話を伝えている。甲斐国(山梨県)いはら郡の領主・荒木大学が砂金を採るために渡来し、1205年に涌元付近に上陸した197。1244年には上加茂・下加茂の両社を建てさせ、これが後の雷公神社となった。1247年には掘り子の一人が温泉を発見し、荒木はそこに薬師堂を建てた7。同日記はまた、1260年のアイヌの蜂起で荒木と掘り子たちが殺されたと記している7。
- 1457年:コシャマインの戦いで脇本館が落城した7。
- 1551年:松前地方の領主・蠣崎季広がアイヌと講和し、知内のチコモタインを東のアイヌ(東夷)の代表に定めた。以後、東から来るアイヌの交易船は知内沖を通る際に帆を下げたと伝えられる7。
- 江戸時代:1616年、松前藩は知内の鷹を幕府に献上し、保護のための鷹場を定めた7。知内川の上流では砂金が採取された6。1800年には伊能忠敬の測量隊が知内に一泊した。1845年には松浦武四郎が矢越岬を踏査した71。
- 明治の開拓:1884年、福井出身の実業家・山田慎が、与えられた土地を山田農場とし、米国から輸入した農機具を使って経営した7。この土地はもともと開拓使の牧羊場として選ばれた場所で、その選定には顧問のエドウィン・ダンが協力した25。1887年3月には福井県大野郡の小作人が涌元に上陸した。1887〜88年ごろ、秋田出身の藤野文蔵が涌元で大規模な定置網(大謀網)による鮪漁を始め、その成功がさらに入植者を呼び寄せた725。
- 鉄道:福山線(のちの松前線)は1937年に渡島知内まで、1938年に湯ノ里まで開通した7。同線は1988年2月1日に廃止された。町内には森越、渡島知内、重内、湯ノ里の4駅があった1。
- 戦後:1946年から湯ノ里などへの入植が始まった。入植者の大部分は満州や樺太からの引揚者で、その数は最終的に62戸に達した7。人口は1955年国勢調査の9,735人が最多である7。
- 町制施行と発電所:1967年10月1日に町制を施行した6。北海道電力の石油火力発電所である知内発電所は、1983年12月に1号機、1998年9月に2号機が運転を開始した。総出力は70万kWである26。
- トンネルの時代:青函トンネルは1988年3月13日に開業した9。1990年7月1日に海峡線のJR知内駅が開業し、1990年8月には海峡を挟んだ今別町と友好町の締結が行われた727。1993年、知内高校は町立高校として史上初めて春の選抜高校野球大会(甲子園)に出場した724。
- 21世紀:知内駅は2014年3月に旅客駅としての営業を終えた。2016年3月26日の北海道新幹線開業に伴い、同じ場所に湯の里知内信号場が開設された1。町は2016年10月に「バイオマス産業都市」に認定された28。新幹線展望塔は2016年11月7日に完成した10。2022年には「ゼロカーボンシティ」を宣言した29。2023年には外海でのサーモントラウト養殖の試験が始まった14。
地理・気候
知内町は渡島半島の南西部に位置する。東は平野と河岸段丘が津軽海峡に面し、残る三方を山に囲まれている6。知内川が町の中央を西から東へ流れ、その下流域に農地と市街地が広がる301。知内川は、道南を代表する山の一つである大千軒岳の山系に源を発する31。秋にはサケが遡上し、冬には白鳥の群れが訪れる30。ほかに頃内川などの川があり、知内ダムもある1。
海岸線の長さは21kmである。木古内町寄りの建有川付近から涌元までのおよそ三分の二が砂浜で、残りは岩礁である30。涌元から南の小谷石一帯では、イカリカイ島、蛇ノ鼻、爺岩、立岩、地獄澗など奇妙な形の岩が連なる6。矢越岬とその周辺の断崖は松前矢越道立自然公園に含まれる21。最高峰の七ツ岳は福島町・上ノ国町との境にある30。標高はWikipediaでは957m、町史では966mとされている132。ほかに桂岳(734m)、燈明岳(577m)などの山がある1。森林は町の80%以上を占める30。
気候:気象庁の知内観測所は降水量のみを観測している。年降水量の平年値は1,633.1mm(2005〜2020年)で、最も多いのは8月(196.0mm)である33。日降水量の最大記録は2021年11月2日の190.5mm、月降水量の最大記録は2022年8月の623.0mmである34。気温については、隣町の木古内の観測所が最も近い。木古内の平年値(1991〜2020年)は年平均8.9℃、1月が−2.3℃、8月が21.6℃である35。木古内の記録は、最高が2023年7月29日の34.2℃、最低が1978年2月の−15.6℃である36。気象庁は、どちらの観測所についても積雪深の平年値を公表していない。
経済・産業
- 農業:ニラ、ほうれんそう、トマトなどのハウス栽培に、水稲、畑作、酪農を組み合わせた経営が行われている。農産物は知内野菜のブランドとして道内の都市や本州へ出荷されている11。ニラは加温ハウスと無加温ハウスでの栽培に夏秋どりを組み合わせ、ほぼ一年中生産されている11。Wikipediaが引用する『朝日新聞』の記事によれば、2015年のニラの出荷量は約1,705トン、販売額は約11.75億円で、約18億円の農業産出額の半分以上を占めた1。トマトは2010年度から北海道の「YES!clean」の認証を受けており、米の主力品種は道南のブランド米「ふっくりんこ」である11。
- 漁業:町内には中ノ川、森越、前浜、涌元、小谷石の五つの漁村集落がある。イカ、ホッケ、マスといった回遊資源の漁獲が減るにつれ、漁業は「獲る漁業」から「育てる漁業」へと移った37。現在、中ノ川はホタテとカキの養殖の一大産地となっている。前浜から小谷石にかけては、コンブ養殖とウニ種苗の中間育成が中心である37。2022年の漁獲量は738トン、漁獲金額は4.72億円だった。数量の87.9%を養殖が占め、金額ではウニ・ウニ種苗(1.85億円)、コンブ(1.01億円)、カキ(8,000万円)が上位を占めた37。上磯郡漁業協同組合(上磯郡漁協)は2004年に四つの漁協が合併して発足した。2023年4月時点の正組合員は162人である37。
- サーモン養殖:町が道内最大規模とする直径40mのサーモントラウト用の生け簀が、2023年10月31日に森越沖に到着した。町によると、道内のほかの養殖はすべて港内で行われており、外海でのサーモン養殖は道内でここだけである。2024年7月には、平均3.5kgの魚が約150トン水揚げされた。2基目の生け簀は2024年8月1日に到着し、2024年11月から2基での試験養殖が予定された14。
- エネルギー:元町地区には北海道電力知内発電所(35万kW×2基、重油)がある261。町は電源立地地域対策交付金を財源とする事業を行っている38。バイオマス産業都市構想のもと、地元の木材や木質バイオマスの利用拡大をめざしている28。
- 観光:2025年度の観光入込客数は165,700人(日帰り客150,000人、宿泊客15,700人)で、2024年度の152,000人から9%増えた39。
- 人口:2015年から2020年にかけて人口は10.4%減少した。2020年には、住民の39.6%が65歳以上、8.6%が15歳未満だった2。2025年の速報値では、さらに12.3%減少している4。
特産品・名物
| 特産品 | 分類 | 詳細・入手先 |
|---|---|---|
| ニラ「北の華」 | 野菜 | 葉幅が広く肉厚で甘いニラで、1〜10月に収穫される。町内のスーパーや道の駅しりうちで販売されている1240 |
| 知内かき「海峡育ち」 | 水産物 | 外海で養殖される。殻付きは12〜5月、むき身は12〜3月が旬。上磯郡漁業協同組合中ノ川支所で直売している(事前に問い合わせ:01392-5-5627)1240 |
| マコガレイ | 水産物 | 知内は商業ベースでのマコガレイの北限にあたる。20cm未満の魚は海に戻し、それ以外は蓄養施設に入れてから出荷する。旬は4月〜翌年1月。上磯郡漁業協同組合涌元荷捌所(01392-5-5232)でも購入できる131240 |
| 北海道知内サーモン | 養殖魚 | 外海で養殖されたサーモントラウト。2024年に最初の150トンが水揚げされた14 |
| ウニ、ホタテ、コンブ | 水産物 | 知内産のムラサキウニを使った「うにの一夜漬け」は地元の土産品である41 |
| トマト、ほうれんそう、ふっくりんこ(米) | 農産物 | トマトは7〜10月、ほうれんそうは5〜10月4011。杉本農園の米:北海道の農家として初めて全国米・食味鑑定コンクールで金賞を受賞した農園。帰山農園の米:JGAP認証42 |
| 知内かき小屋のカキ・ニラ料理 | 地元の食 | すべての料理に地元産のカキとニラを使う。冷凍の「知内かき弁当」(カキの炊き込みご飯とニラ入り卵焼き)は800円43 |
| おっぱい饅頭 | 菓子 | 町内の放牧牛のミルクを使った饅頭。形は姥杉の瘤をかたどっている4122 |
| 荒神、ましろ | 日本酒 | 吟醸純米酒。「荒神」は知内町限定の酒で、「鎮魂の酒」と呼ばれる4122 |
| げんきソーセージ、ニラクッキー | 加工品 | ニラ「北の華」を使ったソーセージとクッキー4122 |
| 北のサブちゃん漬け | 水産加工品 | 海産物を醤油に漬け、わさびをピリッと効かせた品41。「サブちゃん」は北島三郎の愛称である44 |
| そば屋のアイスクリーム | 菓子 | 知内産のそば粉を使ったアイスクリーム41 |
| 防災備蓄セット | ふるさと納税返礼品 | 知内FDセンターのフリーズドライ非常食。カキ、ニラ、米もふるさと納税の返礼品として用意されている42 |
文化・祭り
| 行事 | 時期 | 見どころ |
|---|---|---|
| しりうち春のカキまつり | ゴールデンウィーク(2026年は5月2日) | 町役場駐車場で開催。焼き牡蠣コーナー(10個1,000円)、殻付き牡蠣(16個3,000円)、牡蠣味噌鍋(200食限定、1杯200円)、1束100円のニラなどが並ぶ45 |
| サマーカーニバルin知内 | 毎年8月14日 | 町の夏の一大イベント18。2026年の第40回は12:30〜20:30に開かれ、中ノ川太鼓、今別町の荒馬、松前ひろ子・三山ひろしが出演する「演歌のふるさとしりうち」のステージが行われた。最後は花火で締めくくられ、北島三郎からはビデオメッセージが寄せられた1746 |
| しりうち大漁まつり | 8月中旬〜下旬 | 涌元の漁港で開かれる海産物のまつりで、ウニやマコガレイを販売する。第22回(2019年8月25日)には約2,500人が訪れた。2020年は中止となり、その後の開催は確認できていない4718 |
| しりうち味な合戦冬の陣「カキvsニラまつり」 | 2月中旬 | カキやニラの料理と地元産品の販売1831。町は第27回の開催中止を発表しているため、旅行を計画する前に確認が必要である48 |
| 854CRAFTHOLIDAY(矢越クラフトホリデー)&SHIRIUCHI MUSIC GARDEN(しりうちミュージックガーデン) | 11月(2024年は11月17日) | 知内中央公民館で開かれるものづくり体験とオープンマイクのステージ。知内餃子や蒸し牡蠣も味わえる49 |
伝統と信仰:雷公神社は『大野土佐日記』を守り伝える神社であり、荒木大学の伝説の中心である19。関連する民間信仰が二つ残っている。一つは雨石で、干ばつのときに村人が川に沈めて雨を願った「雨の石」である。もう一つは姥杉で、乳房に似た二つの瘤を持つ杉の木に、乳の出ない母親たちが祈りに訪れた19。姥杉は知内公園の御神木であり、スギが町の木に選ばれた理由の一つでもある8。重内神社では、本殿の裏から200段の階段がまっすぐに上り、登りきった所に社殿がある。そのとなりには重内展望台がある50。
資料館・展示施設:知内町郷土資料館では、湯の里4遺跡の墓から出土した重要文化財14点を展示している19。出土したコハクをもとにした「コハクのペンダント作り体験」も行っている51。役場2階の北島三郎ギャラリーには、北島三郎の等身大フィギュア2体、その歩みをたどる年表、シングル264曲のジャケットが展示されている16。
アイヌ文化
知内のアイヌの歴史は、今に続く共同体や施設よりも、主に地名や初期の和人とアイヌの関係の中に見られる。町名や、小谷石・重内・尾刺・矢越といった地区名はアイヌ語に由来する2423。1457年のコシャマインの戦いでは脇本館が落城した。1551年の蠣崎氏とアイヌの講和では、知内のチコモタインが東のアイヌの代表とされた。以後、東から来る船は知内沖で帆を下げて敬意を表した7。町の年表には、13世紀の蜂起の生存者を助けたとされるホマカイ父子などのアイヌの人物も登場する7。近年では、町がアイヌ施策推進法に基づき、森林管理の計画についてアイヌの人々や関係団体に意見を求めた52。町内にアイヌ文化の専用施設は見つからなかった。
姉妹都市・友好都市
ゆかりの人物
- 北島三郎(本名・大野穣、1936年10月4日生まれ):演歌歌手。「なみだ船」(1962年)、「北の漁場」(1986年)などのヒット曲で知られる15。1991年に道民栄誉賞を受賞し15、2017年10月に知内町名誉町民となった74。
- 松前ひろ子:知内出身の演歌歌手で、北島三郎のいとこ。交通事故から8年間の療養を経て復帰した75。
- 島あきの、梓智香子:知内出身の演歌歌手で、2026年の第40回サマーカーニバルに出演した46。
- 横山朝覧:知内出身の皮工芸作家・画家。2011年には町の郷土資料館が油絵37点とレザーアート16点による特別展を開いた17。2021年の町の観光資料によれば、矢越山荘で油絵が展示されている。同資料では名前を「横山明覧」と表記している53。
出典
本文中の番号は、この出典一覧につながっています。 数値は2026年9月23日時点のものです
- 知内町 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和2年国勢調査結果 統計表(第1表・第2表) — 北海道総合政策部計画局統計課 JA 閲覧日 2026-09-23
- 住民基本台帳人口・世帯数(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口、および住基ネットにおける人口【参考値】令和8年8月31日現在) — 北海道総合政策部計画局統計課(データは地域行政局市町村課調) JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和7年国勢調査速報 北海道の人口・世帯数(要計表に基づく人口・世帯数の集計) — 北海道総合政策部計画局統計課 JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点) — 国土地理院 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町の概要 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新・知内町史 第3分冊「年表編 懐かしい『地元の追想』」 (PDF) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町のシンボル — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 青函トンネル — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新幹線展望塔 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町の農業 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町の特産品(知内観光協会) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- マコガレイ — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 北海道知内サーモン — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 北島三郎 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 北島三郎ギャラリー — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和8年度「第40回サマーカーニバルin知内」開催について — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- イベント(知内観光協会) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 歴史のまち 知内伝説 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内温泉「ユートピア和楽園」 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 松前矢越道立自然公園 イカリカイ~矢越岬~青の洞窟 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しりうち(道の駅を見る・道南) — 北の道の駅(北海道地区「道の駅」連絡会) JA 閲覧日 2026-09-23
- アイヌ語地名リスト シベ~セツ P61-70 (PDF, archived copy) — 北海道環境生活部アイヌ政策推進室 JA 閲覧日 2026-09-23
- 町名の由来 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新・知内町史 第1分冊 第4章「記録から分かる近代の知内」 (PDF) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 石油火力発電所 — 北海道電力 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内旬だより【トンネルがもたらしたもの】 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町が「バイオマス産業都市」に認定されました。 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 「しりうちゼロカーボンシティ」宣言 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 豊かな自然 海と山と川 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 特産品 カキとニラ — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新・知内町史 第1分冊 第1章「歴史とロマン、活気あるまち知内」 (PDF) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 過去の気象データ検索:知内 平年値(年・月ごとの値) — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 過去の気象データ検索:知内 観測史上1~10位の値 — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 過去の気象データ検索:木古内 平年値(年・月ごとの値) — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 過去の気象データ検索:木古内 観測史上1~10位の値 — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町の漁業概要 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 商工業(電源立地地域対策交付金事業ほか) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 北海道観光入込客数調査報告書(令和7年度 資料編) — 北海道経済部観光局観光振興課 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町一次産品カレンダー — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町のお土産品(知内観光協会) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町ふるさと納税 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内かき小屋からのお知らせ(新メニュー更新) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内めぐり — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 「しりうち春のカキまつり」開催のご案内 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内旬だより【第40回サマーカーニバルin知内】 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しりうち大漁まつり — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 第27回しりうち味な合戦冬の陣「カキvsニラまつり」開催中止のお知らせ — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 854CRAFTHOLIDAY(矢越クラフトホリデー)SHIRIUCHI MUSIC GARDEN(しりうちミュージックガーデン)の開催について — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 重内神社・重内展望台 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 体験観光(知内観光協会) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町にお住まいのアイヌ民族の方々及び関係団体の皆様へ — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町観光コース「クルージングと温泉でリフレッシュコース」 (PDF) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- イカリカイ駐車公園について — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町三大展望台 — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 小谷石展望台 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町親水広場 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- こもれび温泉からのお知らせ — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 郷土資料館 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 北島三郎氏芸道55周年記念碑 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- ファミリースポーツ広場(キャンプ場・パークゴルフ場) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 農村公園の利用について — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 矢越山荘 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町グルメ紹介(知内観光協会) — 知内町・知内観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町新幹線展望塔(湯の里知内信号場) 列車通過予測時刻表 2026年3月 (PDF) — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町物産館 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- Shiriuchi (Southern Hokkaido Area) — Michi-no-Eki Hokkaido (北の道の駅) EN 閲覧日 2026-09-23
- あすなろパン工房 しりうち — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 道の駅しりうち — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 住所等一覧(登録年度) — 北の道の駅(北海道地区「道の駅」連絡会) JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町までの交通アクセス — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- Hokuto (train) — Wikipedia EN 閲覧日 2026-09-23
- ヒグマの出没情報について — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 知内町名誉町民 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 松前ひろ子 — 知内町 JA 閲覧日 2026-09-23