北海道 市町村ガイド

上川総合振興局

音威子府村 Otoineppu

おといねっぷむら

音威子府村は北海道で最も人口の少ない自治体で、2025年国勢調査の速報値は599人である1。天塩川沿いの森林に囲まれた鉄道の分岐点で、真っ黒なそば、村立の美術工芸高校、彫刻家・砂澤ビッキ最後のアトリエ、そして「北海道」という名の発想が生まれた河畔で知られる。

人口(2020年国勢調査)
706
面積
275.63 km²
中川郡
公式サイト
www.vill.otoineppu.hokkaido.jp

主な特色

  • 北海道で最も人口が少ない:「北海道で一番小さな村」を自称し、2024年12月時点で全国1,741市町村のうち22番目に人口が少なく9、2025年国勢調査では北海道179市町村の中で最も少なかった1
  • 音威子府そば:殻ごと挽く「挽きぐるみ」製法による黒に近い色のそば11。駅の立ち食いそば店「常盤軒」で約90年にわたって提供され、「駅そば日本一」と呼ばれたが、2021年2月に閉店した。製麺所の畠山製麺も2022年8月31日に廃業した12。後継のブランドがそのスタイルを受け継いでいる9
  • そばの産地:農林水産省によると、2025年のそばの作付面積は1,020haで、北海道のそば作付面積の3.8%を占める13。村のガイドブックでは約870haとし、村内の作付面積の約90%をそばが占めるとしている。そば畑は7月下旬から8月中旬にかけて白い花に覆われる9
  • 「森と匠の村」:村立の北海道おといねっぷ美術工芸高等学校がある。北海道で唯一の全日制工芸科の高校で、全国から生徒が集まる914。村は1981年(昭和56年)の第2期総合計画で「森と匠」をスローガンに掲げた7
  • 砂澤ビッキ:アイヌ出身の現代彫刻家。1978年から閉校した筬島の校舎をアトリエとしており、現在はエコミュージアムおさしまセンター「BIKKYアトリエ3モア」となっている9
  • 「北海道」命名の地:1857年(安政4年)、探検家の松浦武四郎がこの地でアイヌの古老から「カイ」という言葉の意味を聞いた。これが、武四郎が提案した名称「北加伊道」の発想の基となった91516
  • 鉄道の村:かつては宗谷線と天北線の分岐点だった6。2021年度(令和3年度)から、村が費用を負担して村内の小さな3駅を存続させている17
  • クロスカントリースキー:FIS公認のコースがあり、毎年12月に全国規模の大会が開かれる18

観光・アクティビティ

自然・景観

  • 北海道命名之地:筬島駅の西約1.3km、国道40号から入った物満内の天塩川河畔に立つ木碑15。カヌーの発着地でもあり、対岸を走る宗谷本線の車窓からも見える9
  • そば畑:7月下旬〜8月中旬に花が咲く。村のガイドブックの地図には、そば畑のフォトスポットが記されている9
  • 北海道大学中川研究林:一般向けの自然観察プログラムがある34

温泉

  • 天塩川温泉(咲来919):約1億5,000万年前の白亜紀の地層から湧くナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉で、飲泉にも利用される28。大正初期に発見されて常盤鉱泉と呼ばれ、満天の星空を眺められる露天風呂がある9。日帰り入浴は10:00〜21:00(受付は20:30まで)、大人500円、小学生250円47。村のガイドブックには現在も400円/200円と記載されている9。客室は27室48

博物館・歴史遺産

  • エコミュージアムおさしまセンター「BIKKYアトリエ3モア」(物満内55):ビッキが学校をアトリエとして使っていた建物に、約200点の作品を展示する。筬島駅から徒歩1分。開館は4月26日〜10月31日の9:30〜16:30、月曜休館(村のガイドブックでは月曜・火曜休館)。入館料300円、村民と中学生以下は無料499。小さなカフェがある29
  • 高橋昭五郎彫刻の館(音威子府443):国道40号沿い、郵便局の向かいにある旧中学校の校舎内。4月26日〜10月31日、10:00〜16:00、月曜・火曜休館、入館無料50。2002年7月15日に旧青少年会館で開館し、のちに現在地へ移った。室蘭市で育った彫刻家の高橋昭五郎は、1983年10月の第5回「樹を語り作品展」に参加したのが村との縁の始まりである。この作品展はビッキが1979年に始めたもので、高橋はのちに、生涯の作品を預かってほしいと村に申し出た51
  • 天北線資料室:駅舎(音威子府村交通ターミナル)内にあり、9:00〜17:00。写真やパネル、全盛期の駅構内を再現したジオラマを展示している923

アウトドア・季節のアクティビティ

  • 音威富士スキー場:12月上旬〜3月下旬、月曜定休。765mのペアリフトがあり、特定の日には17:30〜20:00にナイター営業を行う。1日券は大人2,500円、小・中学生2,000円。駅から徒歩約15分。人員不足のため、2026〜27年シーズンもロッジ内の食堂と売店は休業する52
  • クロスカントリーコース:FIS公認の音威子府クロスカントリーコース(5km・7.5km)と、SAJ公認のチセネシリクロスカントリーコース(5km・10km)があり、駅から徒歩約5分。国内屈指の難コースとされる18
  • カヌー:ガイド付きツアーで、天塩川温泉から命名之地まで約16kmを下る(JR美深駅集合の事業者もある)53
  • キャンプ:天塩川リバーサイドキャンプ場とパークゴルフ場。無料で予約不要、5月下旬〜10月下旬、テント20張り9
  • 木遊館(音威子府179-1):専門スタッフが常駐する木工体験施設。水曜〜日曜の9:00〜16:30、入館料220円(冬季330円)。短時間で作れるものに、箸(1,000円)、カッティングボード(1,500円)、小物入れやカトラリーケース(2,000円)がある42

食の体験

  • お食事処咲来のそばセット、天塩川温泉の源泉麺、満腹イケレの丼ものやそば、Gelateria the GreenGrass(音威子府304、営業時間は季節により異なる)のジェラート、村で唯一の居酒屋「居酒屋潤ちゃん」がある9

道の駅

  • 所在地:音威子府155。村の中心部、国道40号と275号の分岐点にある54。音中道路からもアクセスできる27
  • 営業時間:道の駅と売店はセイコーマートの営業時間に準じ、毎日6:00〜22:00で定休日はない。トイレとスタンプは24時間利用できる(2026年9月時点。訪問前に要確認)5455。古いガイドでは9:30〜17:00(4〜9月)、9:30〜16:00(10〜3月)、火曜定休とされているが、これは2026年のリニューアルオープン以前の営業時間である27
  • ショップ・商品:コンビニのセイコーマートが、オリジナル商品とともに地元のそばなどの特産品を販売している54。店内調理の「ホットシェフ」と、コーヒーコーナー「セコマカフェ」がある55。道の駅のスタンプ帳はレジで購入できる。道の駅のご当地マグネットは、道路を挟んで徒歩約3分のビレッジショップこしんで販売している56
  • 食事:2025年3月末に食堂「天北龍」が閉店して以来、レストランはない27。温かい食事は、セイコーマートのホットシェフか、前述のそば店を利用するとよい。
  • 設備
    • 24時間利用できる温水洗浄便座付きの水洗トイレ、身障者用トイレ、オストメイト対応設備
    • 授乳室とおむつ交換台
    • Wi-Fi、クレジットカード・キャッシュレス決済54
    • EV充電器、インフォメーションコーナー57
    • 駐車場:北海道の道の駅サイト(北の道の駅)では大型15台・普通車23台、全国の登録情報では大型7台・普通車27台(うち身障者用2台)5457
  • 備考
    • 建物は、「森と匠の村」のテーマにふさわしく、木をふんだんに使ったレストハウスである54
    • 1988年10月に「レストハウス チニタ」として開業し、1993年4月22日に道の駅に登録された27
    • 飲食店は、2002年開業の「麺屋 一富士」から、2017年12月の閉店を経て、「天北龍」(2019年5月〜2025年3月)へと移り変わった27
    • 2026年3月13日、セイコーマートが管理する形でリニューアルオープンした。全国でも珍しい形態である2756
    • スタンプは24時間利用できるトイレ側に置かれている54

アクセス・交通

  • 鉄道:JR宗谷本線の音威子府駅は、旭川から129.3kmの位置にある。特急「宗谷」「サロベツ」が停車する23。特急は1日3往復運行される。所要時間は札幌から約3時間10分、旭川から1時間41分、稚内から2時間1分58。村内にはほかに天塩川温泉駅、咲来駅、筬島駅がある17
  • バス:2023年10月1日から、宗谷バスの天北宗谷岬線(天北線の代替バス)は音威子府に乗り入れなくなり、ターミナルのバス窓口も営業を終えた。村の2023年のお知らせによると、宗谷バスの都市間バスは引き続き停車し、電話での予約が必要である。「天北号」(鬼志別〜音威子府〜旭川、1日1往復)と「えさし号」(枝幸〜音威子府〜旭川・札幌)がある。中頓別町浜頓別町へのデマンドバスは、前日17:00までに予約が必要59。バスでの所要時間は、札幌から約3時間50分、旭川から約2時間40分58。村内には予約不要の無料巡回バスがある9
  • 道路:国道40号は旭川と稚内を結ぶ。国道275号はオホーツク海側の浜頓別へ向かう20。2026年3月22日からは、無料の自動車専用道路である音中道路(音威子府IC〜中川IC、19km)が、雪崩や落石の危険がある国道40号の区間を迂回している。旭川〜稚内間の所要時間は約10分短縮される。125cc以下の二輪車、自転車、歩行者は通行できない30。車での所要時間は、札幌市から約3.5時間、旭川から2時間10分、稚内から2時間58
  • 空路:最寄りの主要空港は旭川空港で、車で約150分60。羽田〜旭川便の所要時間は約1時間35分9

旅のヒント

  • 訪れる時期:そばの花と夏祭りは7月下旬〜8月中旬。博物館の開館は4月26日〜10月31日。スキーは12月〜3月9
  • :ホワイトアウトの日は運転しないこと。冬用タイヤへの交換は11月上旬までに済ませ、スコップを車に積んでおく。路肩の雪山は2mを超え、除雪は早朝5時ごろから始まる。路上駐車は絶対にしないこと9
  • 野生動物・虫:ヒグマは昼夜を問わず活動する(熊鈴を使う、声を出すなど)。物満内周辺では目撃が多い。シカ、キツネ、アライグマに餌を与えないこと。蚊やアブ対策に虫よけを持参するとよい9
  • 買い物・給油:道の駅のセイコーマートは22:00に閉店する55。最寄りの24時間営業の店は約30km離れた美深町にある。給油は村内のENEOSと出光のガソリンスタンドでできる9
  • 地元ならではの注意:8の付く日の18:30に鳴るサイレンは時報・消防団活動の合図で、火事ではない。列車を撮影する際は線路から十分に距離をとること9
  • 宿泊:天塩川温泉、スキー場そばの青少年宿泊研修施設トムテ(素泊まり4,400円から)、駅近くのゲストハウスイケレ(料金は要問い合わせ)、村で唯一の一戸建て型宿泊施設BlueberryHouse(ブルーベリーハウス、素泊まり3,630円から)、ライダーハウス咲来(7月中旬〜9月上旬)9

音威子府村についてもっと詳しく

基本情報

項目 内容
種別
振興局 上川総合振興局
中川郡
人口 2020年国勢調査で706人。2025年国勢調査の速報値は599人で、15.2%減少し、北海道179市町村の中で最も少ない1。住民基本台帳では2026年8月末現在、575人、422世帯2。北海道がまとめた住民基本台帳人口では、2026年1月1日現在で588人3
面積 275.63 km²4。約86%が森林で、その大半は道有林と北海道大学の研究林である5
人口密度 約2.1人/km²(住民575人)。2020年国勢調査時は2.6人/km²
沿革 1916年(大正5年)4月1日、中川村から常盤村として分村し、役場を咲来に置いた。1925年(大正14年)11月、役場を音威子府市街へ移転。1963年(昭和38年)4月1日、音威子府村に改称した6
隣接市町村 中川町(北西)、美深町(南)。宗谷総合振興局管内の中頓別町(北)、枝幸町(北東)5
シンボル 村の木:アカエゾマツ。村の花:シバザクラ5。村の鳥:ブッポウソウ7。村章:全体は雪の結晶で、太陽をかたどった円の中に「音」の字を配している。6つの五角形はサイロで、酪農による発展を表す8。カントリーサイン:村の木工芸を表すトーテムポールで、下部に村の花シバザクラが描かれている9
マスコット おとっきー:アカエゾマツのからだをした森の妖精で、葉っぱの中に金づちとのみを隠し持っている9。一般公募の167通の中から選ばれ、村名改称50周年記念事業の一環として、2013年8月4日のふるさとまつりでお披露目された10
公式サイト https://www.vill.otoineppu.hokkaido.jp/

地名の由来

  • 村名はアイヌ語の「オトイネㇷ゚」(o-toyne-p)に由来する。村はこれを「濁りたる泥川、流木が堆積する川口、または切れ曲がる川尻の野」と訳している9。村のウェブサイトもほぼ同じ表現を用いている8
  • 地名研究者の山田秀三は、一般的な解釈として「川口のにごっている川」を挙げたうえで、「川尻(を歩くと)・泥んこである・もの(川)」という別の解釈も示した。更科源蔵は、o(川口)+toyne(濁っている)+p(もの、すなわち川)と解した19。「川口が濁った川」という解釈は、一般に音威子府川が天塩川に合流する地点が泥で濁っていたことと結び付けられている7
  • この名が記録に初めて現れるのは1797年(寛政9年)である7。1916年から村名は常盤であったが、1963年に、地区や鉄道の分岐駅の名としてより広く知られていた音威子府の名に改めた620
  • ほかの難読地名には、筬島(おさしま)、物満内(ものまない)、咲来(さっくる)がある9。これらのアイヌ語の意味は後述の「アイヌ文化」に記す。

歴史

  • アイヌの時代:参照した資料には、村域の考古学についての記録はほとんどない。咲来(sak-ru、「夏の道」)など、天塩川沿いのアイヌ語地名が、この谷がどのように利用されていたかを伝えている21
  • 1797〜1869年:「音威子府」の名は1797年に初めて記録に現れる7。1857年(安政4年)7月、天塩川を調査していた松浦武四郎は、筬島付近でアイヌの長老アエトモから、「カイ」とは「この地に生まれた者」を意味すると聞いた15。1869年(明治2年)、武四郎が提案した「北加伊道」が採用され、「加伊」を「海」に替えて「北海道」となった16
  • 入植(1901〜1925年):1901年に帝室御料地となり、1904年に初めて開墾の鍬が入った6。同年には常磐駅逓所が開設された7。小作32戸が御料地の貸付農地に入植した(コトバンクでは1903年、英語版ウィキペディアでは1905年)2220。参照した資料には、彼らの出身県は記されていない。常盤村は1916年4月1日に中川村から分村し、1925年11月に役場を咲来から音威子府へ移した6
  • 鉄道の分岐点:音威子府駅は1912年11月5日に開業した23。北へ延びる路線は、1914年に小頓別、1922年に浜頓別経由で稚内に達した。1930年に距離の短い幌延経由のルートが宗谷本線となると、浜頓別経由のルートは北見線として分離され、1961年に天北線と改称された24。国道40号と275号もここで分岐することから、村は道北の交通の要衝となった。一方、農業は馬鈴薯から酪農(昭和初期)へ、のちに畑作へと移った6
  • 人口のピークと減少:人口は1950年国勢調査の4,184人が最多で、1985年には2,068人となった25。1970年代後半からの国鉄の合理化、1987年の民営化、1989年5月1日の天北線廃止(宗谷バスに転換)により、村は自ら「存亡の危機」と呼ぶ状況を迎えた624
  • 芸術の村:砂澤ビッキは1978年、閉校した筬島小学校に移り住んだ9。高校(1950年に分校として創立)は1984年に全日制の工芸科高校となり、2002年に現校名となった26。のちに道の駅となるレストハウスは1988年10月に開業し(1993年4月22日登録)27、天塩川温泉は1989年に28、エコミュージアムおさしまセンターは2003年4月に開業した29
  • バイパスの時代:音威子府バイパスは2007年10月に着工し、全長2,699mの音威子府トンネルが2015年7月21日に貫通した。2010年国勢調査の人口(995人)は、工事関係者が居住していたにもかかわらず、初めて1,000人を下回った6。延長19kmの音中道路(音威子府IC〜中川IC)は2026年3月22日に開通した3031
  • 近年:2013年、村名改称50周年に合わせておとっきーがデビューした10。2021年に常盤軒が、2022年に畠山製麺が閉じた12。2023年1月には復活版の「新音威子府そば」が完成し、同年には村内の農家が独自の黒いそばを開発した11。村は2021年度から、いずれも廃止候補駅である筬島駅、咲来駅、天塩川温泉駅の維持費を負担している17。2025年3月12〜16日には第103回全日本スキー選手権大会(クロスカントリー競技)が村で開催され32、2026年3月13日には、音中道路開通の9日前にセイコーマートが道の駅に移転した27

地理・気候

  • 音威子府村は上川の北端、旭川市稚内市のほぼ中間に位置する6。村の中心は北緯44°43′、東経142°16′、標高40mにある。村域は東西22.2km、南北18.6kmに及ぶ5

  • 天塩川が村の中央を流れる。延長256kmで、日本で4番目に長い川である20。村内の支流には音威子府川、物満内川、ペンケサックル川、パンケサックル川などがある7。北西部は段丘や扇状地で平地が少なく、南東部はより緩やかな扇状地となっている6

  • 東に北見山地、西に天塩山地がある20。音威富士(アイヌ語名チセネシリ)は標高489mで、音威子府駅の東約3kmにある933。(日本語版ウィキペディアの村の記事は439mとしているが、誤りとみられる。)7 村民はその色の移り変わりで季節の変化を感じ取る9。函岳(1,129m)は村の南東端付近にそびえる7

  • 土地利用は、農用地1,752ha、森林23,631ha、宅地61haである25。北海道大学中川研究林は1902年に設置された。音威子府村と中川町にまたがる19,364haの森林で、標高は20〜716m、いくつかの植物種の分布の北限となっている34。村内に国立公園、国定公園、道立自然公園は見つからなかった。

  • 気候:湿潤大陸性気候(ケッペンの気候区分でDfb)に属する20。気象庁の音威子府観測所の平年値(1991〜2020年)は次のとおりである。

    • 年平均気温5.7 °C(1月−8.0 °C、8月19.5 °C)
    • 年降水量1,391.2 mm
    • 年降雪量1,216 cm(最多は12月の325 cm)35

    観測史上の記録は、最高気温36.6 °C(2021年7月28日)、最低気温−34.9 °C(1982年2月5日)、最深積雪281 cm(2018年2月25日)、日降水量の最大157.5 mm(2022年8月8日)である36。村は特別豪雪地帯に指定されている7

経済・産業

  • 農業:2024年の農業産出額(推計)は1億8,000万円。うち約1億3,000万円が雑穀(実質的にはそば)、4,000万円が乳用牛である。2020年農林業センサスでは農業経営体数が16、畑の耕地面積が1,710haであった。2025年のそばは作付面積1,020ha、収穫量721tで、北海道のそば作付面積の3.8%、収穫量の4.3%を占めた13。村の2021年の計画では、村のそば作付面積を道内4番目としている。若手生産者は「ねっぷえいど」という団体を結成し、自らそばを加工・販売している。高収益作物として、アスパラガス、きぬさや、フルーツトマトの導入が進んでいる6
  • 酪農:酪農家は1戸が残るのみである。経営者は大阪出身で、2015年に村へ移住し、2017年に牧場を開いた。現在は2023年に開店したジェラート店も営んでいる37
  • その他の産業:第二次産業には、砕石採取業、建設業、木材チップ工場、食料品製造業がある。サービス業で雇用が最も多いのは役場職員と学校の教職員(105人)で、宿泊・飲食業(40人)、医療・福祉(34人)、運輸・郵便(30人)、小売業(26人)が続く6。2019年度の村の歳入は20億9,000万円で、村税はそのわずか約4%であった6
  • 高校の存在感:高校の生徒と教職員は人口の約15%を占める9。卒業と入学により、人口は毎年3月に減り、4月に回復する6
  • 地域振興:村は2012年7月から地域おこし協力隊を採用し、2014年から短期移住体験住宅を提供している6。2017年には若者グループ「nociw*」が結成された38。コロナ禍の中、同グループは旧天北線のバラスト(線路の石)を缶詰にしてふるさと納税の返礼品とする取り組みを始め、寄付は村内の小さな3駅の存続に役立てられている3839。村の2015年の人口ビジョンは、趨勢のままでは2060年に人口が235人になると推計しており、目標を約500人としている6

特産品・名物

特産品 分類 内容・入手先
音威子府の「黒いそば」(音威子府そば) 殻も含めて丸ごと挽いたそばで作る、太く黒っぽい麺11。常盤軒では利尻昆布と煮干しのだしで提供していた12。後継品:三浦家製麺の「新音威子府そば」は村産のそばを使った熟成麺で、ゲストハウスイケレで販売し、満腹イケレで提供している。立川農園の「おといねっぷそば」は昔ながらの製法による黒いそばで、ビレッジショップこしんで販売し、天塩川温泉で提供している940
咲来そば 大地の恵み食品工房が、咲来産のそば粉のみを使って作る半生の五割そば。お食事処咲来で提供し、こしんで販売している9
匠そば 作物 音威子府産の玄そばのブランド名。村のガイドブックでは、そば畑の品種をキタワセそばとしている9
源泉ラーメン・源泉そば 天塩川温泉の温泉水を練り込んだ麺。温泉で提供・販売している419
命名之地羊羹 菓子 北海道産・国産の原料で手作りした、甘さ控えめの6種類の羊羹。北海道命名之地にちなんで名付けられた。お食事処咲来とこしんで販売9
そばのお菓子 菓子 カフェ咲来の、咲来産そば粉100%のシフォンケーキ。天塩川温泉では、そば粉を使った柔らかなせんべい「森のおとっきーせんべい」と「そばせんべい」を扱う9
牧場のジェラート 乳製品 Gelateria the GreenGrass(ジェラテリアザグリーングラス)は、村で唯一の牧場の牛乳を使う。そば味のジェラートには地元産のそば粉を使い、ミルク味は牧草の季節によって風味が変わる37
ホワイトアスパラ・フルーツトマト 農産物 立川農園と中山農園による、筬島産の甘いフルーツトマトと、太く希少なホワイトアスパラ。アスパラは4〜5月、トマトは7〜8月。観光客への直接販売は行っていない9
木工品 工芸品 NPO法人ecoおといねっぷによる印鑑ケース、表札、動物パズルなど。天塩川温泉とオンラインで販売9。木遊館で自作することもできる(後述)42
「線路の石缶詰」などの返礼品 ふるさと納税 旧天北線のバラスト(線路の石)を洗浄・コーティングしたもの1〜2個を、住民が缶に詰めたもの。駅の維持費に充てられる1万円の寄付で受け取れる39。ほかに人気の返礼品として、黒いそばのセット、ジェラートのセット、JR宗谷線や音威子府駅のグッズがある43
北の駅訪問証 記念品 合同会社memo'tockによる、村内4駅を訪れた証となるカード。こしんで販売9

文化・祭り

行事 時期 内容
クリーンおといねっぷ 5〜6月 村を挙げてのごみ拾い9
森と匠の村ふるさとまつり 8月上旬(第32回の2013年は8月4日) 中島公園で開催。牛肉・ホタテ焼き、出店、木工体験ブース、よさこい演舞、そばの早食い競争などがある10
おといねっぷ納涼まつり 8月中旬 子どもの部や仮装の部を含む盆踊り大会、屋台、花火。公民館付近の会場(音威子府443-3)で開催44
神社の祭り 7〜8月 お神輿が出る八幡神社祭、常盤・止若内神社祭9
学校祭・運動会・文化祭 夏(学校祭、村民運動会)、11月(文化祭) 美術工芸高校や村民が運営し、村民が得意なことや作品を披露する9
全日本クロスカントリースキー音威子府大会 12月 全日本スキー連盟(SAJ)公認の大会で、国内のトップ選手や一部の海外選手が参加する。オリンピックや世界選手権の国内選考会を兼ねることもある。全日本選手権大会も2〜3年ごとに村で開かれる18
音威富士大回転競技大会 村のスキー場で行われる地元のアルペンスキー大会9
  • 美術工芸高校:村が運営する学校である26。定員は1学年最大40人で、2020年11月時点では各学年9人が道外出身だった。生徒は、音威富士のアイヌ語名にちなむ「チセネシリ寮」で暮らす。新入生には作業服や鑿(のみ)・鉋(かんな)などの工具代として5万円が補助され、授業や部活動で使う木材は、道産材を中心にすべて村が用意する14。校訓は「HEART AND CREATION」で、美術コースと工芸コースがある9
  • 博物館:村には小さな博物館が3つあり、いずれも後述の「観光・アクティビティ」に記載している。筬島のビッキの博物館、高橋昭五郎彫刻の館、駅舎内の天北線資料室である。

アイヌ文化

  • 地名:咲来は sak-ru(サㇰル)、「夏の道」に由来する21。物満内は momni-oma-nay(モムニ・オマ・ナイ)、「漂木のある川」に由来する。筬島は、駅を挟んで流れる2つの川の名、ota-nikor-nay(オタ・ニコル・ナイ、「砂浜・すきま・川」)と pira-kes-oma-nay(ピラ・ケシ・オマ・ナイ、「崖の端にある川」)が混じり合ったものと考えられている45
  • アエトモと「北海道」の名:1857年のアエトモとの対話は、天塩川流域のアイヌの人々と北海道の命名とを結び付けている。アエトモによる「カイ」の説明には、一部の言語学者が疑問を呈している1516
  • 砂澤ビッキ(1931〜1989年):アイヌの彫刻家の父と、アイヌ刺繍で知られた母のもと、旭川で生まれた。「ビッキ」はアイヌ語で「カエル」を意味する。約1,000点の作品を制作し、アイヌの芸術家としてだけでなく、一人の現代彫刻家として評価されることを求めた467
  • 文化施設:参照した資料では、村内にアイヌ文化施設や伝統を受け継ぐ団体は見つからなかった。

姉妹都市・友好都市

見つからなかった。

ゆかりの人物

  • 砂澤ビッキ(1931〜1989年)、彫刻家。1978年から亡くなるまで音威子府で暮らし、制作を続けた746
  • 吉田圭伸、クロスカントリースキー選手。村の美術工芸高校の卒業生2026
  • 蜂須賀明香、バイアスロン選手。同じ高校の卒業生26

出典

本文中の番号は、この出典一覧につながっています。 数値は2026年9月23日時点のものです

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  29. エコミュージアム おさしまセンターの魅力|シーニックバイウェイ北海道【日本風景街道】 — Scenic Byway Hokkaido JA 閲覧日 2026-09-23
  30. 音中道路「音威子府IC~中川IC」2026年3月22日開通【北海道・国道40号バイパス】 — JAF Mate Online JA 閲覧日 2026-09-23
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  32. 第103回全日本スキー選手権大会クロスカントリー競技 大会情報|くらしの情報|音威子府村 — Otoineppu Village JA 閲覧日 2026-09-23
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  40. 商品紹介 – 新音威子府そば — 新音威子府そば JA 閲覧日 2026-09-23
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  43. 北海道音威子府村のふるさと納税 お礼の品ランキング【ふるさとチョイス】 — Furusato Choice JA 閲覧日 2026-09-23
  44. おといねっぷ納涼まつり(納涼花火大会&盆踊り大会) - 祭の日 — Matsuri no Hi JA 閲覧日 2026-09-23
  45. 北海道のアイヌ語地名 (166) 「筬島・物満内・茨内」 — Bojan International JA 閲覧日 2026-09-23
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  49. 砂澤ビッキ | エコミュージアムおさしまセンター — Eco-Museum Osashima Center JA 閲覧日 2026-09-23
  50. 高橋昭五郎 彫刻の館(冬季休館)|施設の案内|音威子府村 — Otoineppu Village JA 閲覧日 2026-09-23
  51. 高橋昭五郎彫刻の館紹介|施設の案内|音威子府村 — Otoineppu Village JA 閲覧日 2026-09-23
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  54. おといねっぷ | 北の道の駅 — Hokkaido Michi-no-Eki Liaison Council JA 閲覧日 2026-09-23
  55. 店舗検索 | セイコーマート(音威子府店) — Seicomart JA 閲覧日 2026-09-23
  56. 【旭川市近郊】道の駅めぐりをしておられる方へ。全国でもめずらしいコンビニ管理の道の駅が音威子府に登場! 台帳やマグネットの購入は? — 号外NET 旭川市 JA 閲覧日 2026-09-23
  57. 道の駅 公式ホームページ 全国「道の駅」連絡会(おといねっぷ) — National Michi-no-Eki Liaison Council JA 閲覧日 2026-09-23
  58. アクセス|音威子府村について|音威子府村 — Otoineppu Village JA 閲覧日 2026-09-23
  59. 天北線代替バス乗り入れ廃止およびバス窓口営業終了のお知らせ|音威子府村 — Otoineppu Village JA 閲覧日 2026-09-23
  60. 音威子府村|北海道への移住・定住を応援する情報サイト 北海道で暮らそう! — Hokkaido de Kurasō JA 閲覧日 2026-09-23