北海道 市町村ガイド

空知総合振興局

赤平市 Akabira

あかびらし

北海道中央部、空知川沿いに位置するかつての産炭地。旧住友赤平炭鉱の高さ43.8 mの立坑櫓と、ズリ山に設けられた777段の階段がまちのシンボルである1。現在は革鞄、スーツケース、ティッシュなどの家庭紙をつくる工場が並び2、市内の企業はロケット・宇宙研究向けに微小重力環境を再現する落下実験塔も運用している3

人口(2020年国勢調査)
9,698
面積
129.88 km²
公式サイト
www.city.akabira.hokkaido.jp

主な特色

  • 炭鉱遺産:旧住友赤平炭鉱立坑櫓(1963年完成、高さ43.8 m、深さ650 m)1は、2019年5月20日に認定された日本遺産「炭鉄港」の赤平市内の構成文化財の一つ12。元炭鉱マンのガイドの案内で内部を見学できる13
  • 日本一のズリ山階段:赤間炭鉱の採掘で出た岩石を積み上げた標高197.65 mのズリ山に、市が「ズリ山階段としては日本一」とする777段の階段が続く14
  • あかびら火まつり:1972年から毎年7月に開かれる。ズリ山に「火」の文字が浮かび上がり、赤フン姿のタイマツランナー100名以上が参加し、フィナーレには約5,000発の花火が打ち上げられる15。2025年度の来場者は32,000人6
  • ものづくりのまち:いたがきの革鞄、エースラゲージのスーツケース「プロテカ」、エリエールのティッシュが市内で製造されている2。植松電機は高さ50 mの微小重力実験塔を運用している3
  • 胡蝶蘭:赤平オーキッドは東北以北で最大級の規模で胡蝶蘭を生産しており16、春の「らんまんフェスタ」の主役となっている。
  • 炭鉱めし:豚ホルモンを味噌で煮込む「がんがん鍋」や、ラーメンにトンカツをのせた「カツラーメン」17、揚げた骨付き鶏もも肉「ホットレッグ」、石炭の塊を模した黒い「塊炭飴」2
  • ロケ地:アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(2021年)の、北海道を舞台とする場面が赤平で撮影された18。赤平出身の鈴井貴之監督がドラマ『不便な便利屋』をここで撮影し19、2019年の『水曜どうでしょう』の企画「北海道で家、建てます」も赤平がロケ地となった20
  • エルム高原リゾート:市街地の北の丘陵にあるキャンプ場、コテージ、日帰り温泉21。温泉は改修工事のため2027年4月下旬まで休館中22

観光・アクティビティ

自然・景観

  • ズリ山展望広場と777段の階段(字赤平693-1)35
    • 赤間炭鉱のズリ山で、標高197.65 m、平均斜度18度14。階段の全長は約584 m16
    • 長崎県世知原町の555段を抜いて、ズリ山階段として日本一となった26
    • 頂上には「幸運の鐘」があり、赤平市街から芦別岳、十勝岳、暑寒別岳までを見渡せる35141
    • 駐車場と多目的トイレは2013年度にリニューアルされた14
  • 空知川露頭炭層:川岸に石炭層が露出した場所で、日本遺産の構成文化財12。JR赤平駅から芦別方面へ右折し、マックスバリュ近くの案内標識のある交差点を左折する。未舗装の駐車スペースに車を停め、川沿いの遊歩道を歩くと展望広場に着く36
  • エルム高原・幌岡の森:幌岡町には幹周約480 cmのミズナラがある25

温泉

  • エルム高原温泉ゆったり(幌岡町377-1)。露天風呂、サウナ、レストランがあり、通常は10:00〜22:00、大人500円。2026年3月16日から2027年4月下旬まで改修工事のため休館している22
  • 近くの代わりの温泉としては、隣の歌志内市にある道の駅に隣接する「チロルの湯」(下記参照)37

博物館・遺産

  • 炭鉱遺産ガイダンス施設(字赤平485、9:30〜17:00、月・火曜休館)1213
    • 元炭鉱マンを中心とするガイドが、旧住友赤平炭鉱立坑櫓の建屋内部と自走枠整備工場を案内する。
    • ガイド付き見学は10時と13時30分の1日2回、所要約90分、定員40名。
    • 市外在住者の料金は大人800円、小学生300円13
  • 旧住友赤平炭鉱立坑櫓23138
    • 高さ43.8 m、直径6.6 m、巻上機1,600 kW。650 mの深さまで坑夫を送り、石炭を引き揚げた。
    • 日本遺産のストーリーはこの立坑櫓から始まり、その深さは東京スカイツリーの高さを上回ると紹介している。
    • ガイド付き見学に参加しない場合は外観のみ見学できる。
  • その他の炭鉱遺構:坑口浴場(外観のみ)と、ズリ山のふもとに残る北炭赤間炭鉱選炭工場の原炭ポケット123
  • おすすめルート:観光協会の「炭鉱遺産探訪ルート」は、ガイド付き見学を含めて車で約2.5〜3時間、徒歩を交えると約3〜4時間23
  • 植松電機:赤平の本社で、修学旅行向けのロケットづくり体験学習を行っている27
  • 流政之の彫刻公園:エルム高原家族旅行村内(幌岡町375)16

アウトドア・季節の楽しみ

  • エルム高原リゾート(国道38号から約2 km)21
    • 家族旅行村キャンプ場:通年営業、予約不要。
    • オートキャンプ場:5月上旬〜10月中旬。
    • コテージ「虹の山荘」:通年営業。
    • ほかにバーベキューハウス、テニスコート、野外ステージがある21。市は子どもに大人気のアスレチックやロングすべり台も紹介している26
  • 季節:ゴールデンウィーク前後の桜と、7月の火まつり26
  • 流しソーメン:日本語版Wikipediaは、ズリ山階段の307 mを最高時速14.5 kmで流れる「日本一最速流しソーメン」を紹介している(未確認)5

食の体験

  • 炭鉱まちの味:珍来のトンカツラーメン、焼肉のたきもとのがんがん鍋(隣接する精肉店は10:00〜22:00営業)、柳屋食堂(茂尻元町北1-4)のとり天ぷら定食17
  • カフェ:Café Luft(大町1-6-6)のドイツのプレッツェルやスイーツ17
  • 情報発信基地AKABIRAベース(幌岡町54):注文を受けてから揚げるホットレッグ、モナカにソフトクリームを入れたシューアイス、ソフトクリームを販売し、観光案内も行う2016

道の駅

赤平市内に道の駅はない。北海道の道の駅の公式一覧にも、市内のものは載っていない39。最寄りの道の駅は近隣の市町にある。

  • 道の駅うたしないチロルの湯歌志内市字中村72-2、道道114号赤平奈井江線沿い)37
    • 営業時間:4〜10月は9:00〜18:00、11〜3月は10:00〜16:00。レストランは夏期10:00〜18:00、冬期11:00〜16:00。毎週月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始は休館。2026年9月時点の情報のため、訪問前に確認のこと。
    • 温泉・宿泊施設「チロルの湯」の玄関口。駐車場は普通車65台・大型車8台で、障害者専用の屋根付き駐車場があり、トイレまでの歩道はロードヒーティングされている。Wi-Fi、授乳室・おむつ交換台、オストメイト対応の身障者用トイレも備える。売店、レストラン、喫茶・軽食ではクレジットカードやその他のキャッシュレス決済が使える。
    • スタンプは休館日も含めて24時間押印可能。1998年4月17日登録(登録番号56)、2025年4月8日にリニューアルオープンした37
  • 道の駅スタープラザ芦別芦別市北4条東1-1、赤平の東の国道38号沿い)。芦別の「星の降る里」にちなみ、あちこちに星をちりばめた道の駅。5〜10月は定休日なし40
  • 道の駅たきかわ滝川市江部乙町東11-13-3、国道12号沿い)。2020年にリニューアルオープン。地元農業者による農産物直売所、ソフトクリームコーナー、滝川や友好都市の商品を並べた売店がある。レストランは2025年8月に閉店し、新しい運営者のもと「Kitchen LaLa」として2025年10月1日に新規オープンした。滝川名物の合鴨料理が味わえる41
  • その他の近隣の道の駅:道の駅ライスランドふかがわ(深川市音江町広里)、道の駅ハウスヤルビ奈井江(奈井江町39
  • 市内:AKABIRAベースは道の駅ではないが、似た役割を担っている。地元の野菜、菓子、おみやげを販売する観光案内所である20
    • 営業時間:5〜6月は10:00〜18:00(火曜定休)、7〜9月は同時間で無休。10月は10:00〜17:00(火曜定休)、11〜4月は10:00〜17:00(火・水曜定休)16
    • 2026年9月時点の情報のため、訪問前に確認のこと。

アクセス・交通

  • 鉄道:市内にはJR根室本線の赤平駅、茂尻駅、平岸駅の三つの駅がある42
    • 札幌からは函館本線で滝川まで行き、乗り換える。所要約1時間10分〜1時間30分4243
    • 旭川からは滝川経由で約1時間20分43
    • 滝川から赤平を通る列車は富良野方面へ向かう15
  • バス:北海道中央バスの「高速ふらの号」が札幌駅前〜赤平駅前を約1時間30〜40分で結ぶ。路線バスは滝芦線、砂芦線、歌志内線がある4243
  • 道路:道央自動車道滝川ICから約10分。車で札幌から約1時間20分、旭川から約55分(旭川鷹栖IC経由)43。市内の幹線は国道38号。ほかに道道114号(奈井江方面)、224号(芦別方面)、227号(滝川方面)、691号(歌志内方面)などが通る5
  • 空港:新千歳空港からは車で約1時間40分、JR(札幌・滝川経由)で約1時間50分。旭川空港からは車で約1時間20分42
  • 市内の移動:タクシー会社が2社あり、北海道中央バスの路線バスも走る44。エルム高原は市の北部の山並みにあり25、赤平駅周辺の炭鉱遺産とは離れているため、1日で両方を回るなら車が現実的である。

旅のヒント

  • 訪れる時期
    • 4月下旬は蘭のフェスタ、ゴールデンウィークは桜3226
    • 7月第3週末は火まつり。花火大会当日のJR・バスの時刻や渋滞解消マップが祭りの公式サイトに掲載されている15
    • 10月第2土曜日は産業フェスティバル26
    • 夏はエルム高原でのキャンプ21
  • 炭鉱遺産の見学:ガイダンス施設は月・火曜日と、開館カレンダーに記載されたその他の数日が休館。立坑櫓の内部は10時と13時30分のガイド付き見学でしか見られない13。建屋内は段差や階段が多く座る場所もないため、長時間立っていることが難しい人は参加を断られることがある13
  • ズリ山での注意:雨の日や気温の低い日は階段が滑りやすく、柵の外には出ないこと14。『ドライブ・マイ・カー』の撮影場所の斜面は、地盤が不安定なため立入禁止となっている18
  • 休業情報:エルム高原の温泉は2027年4月下旬まで休館22。2026年10〜11月のコテージとキャンプ場の休業も告知されている21
  • 観光案内:AKABIRAベース(幌岡町54、TEL 0125-32-6760)16。市の観光係はTEL 0125-32-1841(平日8:30〜17:00)45
  • ヒグマ:市の「秋のヒグマ注意特別期間」は2026年9月1日から10月31日まで。近年は市街地でも目撃情報が多いため、山林だけでなく早朝や夕方の散歩でも注意が必要46
  • :積雪は1 mを超え、寒さが厳しい26。冬用タイヤで、時間に余裕を持って運転すること。

赤平市についてもっと詳しく

基本情報

項目 内容
種別 市。1954年7月1日に道内18番目の市となった4
振興局 空知総合振興局。管内中央部の「中空知」に位置する5
なし(市)。市制施行前は空知郡赤平村、のち赤平町であった5
人口 9,698人(2020年国勢調査)。2015年の11,105人から12.7%減少し、65歳以上の割合は49.6%6。住民基本台帳では2026年8月31日現在7,950人・5,008世帯7。日本語版Wikipediaは同日の人口を7,949人としているが、ここでは市の集計表の数値を採用した5。人口のピークは1960年4月30日の59,430人(住民登録人口)6
面積 129.88 km²(国土地理院、2026年4月1日時点)8。東西約14.1 km、南北約18.5 km6
人口密度 約61人/km²(2026年8月の住民基本台帳)。2020年国勢調査では74.7人/km²
沿革 1891年に入植開始。1922年4月1日に歌志内村から分村して赤平村となり、1943年2月11日に町制、1954年7月1日に市制を施行した4。他の市町村との合併は一度もない。2003年に中空知地域の合併協議会が設置されたが、赤平市は単独のまま現在に至る5
隣接市町村 芦別市(東)、滝川市(西、ポンクラ川を境界)、砂川市(西、ナエ川を境界)、歌志内市(南、赤平山の山頂が境界)、深川市(北、イルムケップ山の山頂が境界)6
シンボル 市の木:かえで(1981年制定)。市の花:菊(1973年制定)。市の鳥:ヤマガラ(1996年制定)。市章(1966年制定)は「赤」の字を図案化したもの6。英語版Wikipediaは市の花をユリとしているが、市は菊としている9
マスコット 「ちぷ太」。2025年に「赤黒のまちづくり」のために誕生したクマゲラのキャラクター。14の応募案から選ばれた名前は、アイヌ語でクマゲラを指す「チプタチカプ(舟を掘る鳥)」に由来する。クマゲラは道案内の神として崇められていた。出身地はイルムケップ山麓で、口癖は語尾に「〜っす!」をつけること1011
公式サイト https://www.city.akabira.hokkaido.jp/

地名の由来

地名はアイヌ語に由来するが、意味ははっきりしない。主に次の三つの説がある511

  • フレピラhure-pira):「赤い・崖(岩)」。この説では、「赤平」は意味を訳した表記で、「赤」が hure(赤い)に当たる。
  • ワッカピラwakka-pira):「水・崖」。この説では、漢字は音に当てただけとなる。
  • アカピラaka-pira):「山稜・崖」。日本語版Wikipediaは、この形の前半部分は不明としている。

いずれの説も pira(崖)を含む。日本語版Wikipediaはこれらの説の出典を北海道の「アイヌ語地名リスト」(2007年)としているが、引用先のアドレスではすでに公開されておらず、今回は確認できなかった5

地区名の平岸は、赤平がまだ村だった1936年の字名改正以前の字名で「ピラケシ」「ヒラケシ」と書かれていた5。アイヌ語由来と考えられるが、参照した資料には意味の記載がない。

歴史

  • アイヌの時代と考古:この地にはアイヌの人々が暮らし、「白蛇」「雪女」やアイヌ叙事詩(ユーカラ)などの説話・民話が伝わる。奈江沢遺跡から出土した棍棒形石器は市指定文化財となっている5
  • 江戸時代から明治初期:参照した資料では、現在の赤平市域に松前藩時代の場所(交易拠点)があったという記述は見当たらなかった。1873年に榎本武揚が空知川流域を踏査し5、空知川流域の石炭は明治初期から確認されていた23
  • 明治の入植:1891年に開拓が始まった4。1895年には石川県加賀地方出身の「加賀団体」が移住して開拓にあたり、のちに子孫が加賀市を訪れたことが友好都市提携のきっかけとなった24。同年、空知炭礦(現在の歌志内市)が空知川に向けて疎水坑を開設し、市はこれを赤平で最初の炭鉱着工としている1。1897年に道路が開通し4、1913年には下富良野線が開通して沿線の炭鉱開発が急速に進んだ1
  • 石炭の時代:1918年に茂尻炭礦が開坑した4。1922年に歌志内村から赤平村が分村。1935年5月6日の茂尻炭鉱のガス爆発では入坑者96人中95人が死亡した(当時の新聞報道では死者・行方不明者94人)5。1937年に豊里炭鉱、1938年に住友赤平炭鉱と赤間炭鉱が開坑した1。1943年に町制、1954年に市制を施行した4。1955年11月1日にも茂尻炭鉱でガス爆発があり、71人が死亡した5。人口は1960年に59,430人でピークを迎えた6
  • 閉山:住友赤平炭鉱の立坑櫓は1963年に総工費約20億円で完成した。住友赤平炭鉱の最盛期の出炭量は年間190万トンで、約5,000人が働いていた1(観光協会は年間200万トンとしている23)。豊里炭鉱は1967年7月24日に閉山し、596人が離職した。雄別茂尻炭鉱では1969年4月2日に発破作業のミスによるガス爆発で19人が死亡し5、1969年9月27日に閉山、1,201人が離職した。北炭赤間炭鉱は1973年2月27日(離職者555人)、市内最後の炭鉱となった住友赤平炭鉱は1994年2月25日(同407人)に閉山した6。これにより、赤平の約100年に及ぶ炭鉱の歴史に幕が下ろされた1
  • 鉱業都市から工業都市へ:市は産業構造の転換を進めた4。1970年代以降、スーツケース、単板、革製品、製紙などの工場が進出し、四つの工業団地は総面積79.0 haで、工場用地60.9 haはすべて譲渡済みとなっている6
  • 財政支援:2008年、北海道は最大で約28億円の低利融資により市を支援する方針を決めた5
  • 近年の出来事
    • 2015年2月28日:ドラマ『不便な便利屋』の撮影で、市民が1時間に2,036体の雪だるまを作り、ギネス世界記録を達成した519
    • 2019年5月20日:「炭鉄港」が日本遺産に認定された12
    • 2019年10月:人口が1万人を割り込んだ。歌志内市、三笠市、夕張市に次いで全国で4例目の市となった5
    • 2020年12月:『ドライブ・マイ・カー』が4日間にわたって撮影された。同作は2022年3月にアカデミー賞を受賞した18
    • 2024〜2025年:2024年に「赤黒のまちづくり事業実行委員会」が発足し、2025年にマスコット「ちぷ太」が誕生した11

地理・気候

  • 位置:空知管内の中央部に位置する。空知川が市域を東から西へ蛇行しながら流れる。開拓はかつて歌志内方面から茂尻へ進んだが、現在は空知川沿いに市街地が広がっている5。市域は北緯43度28分44秒〜43度38分44秒、東経141度58分40秒〜142度09分10秒6
  • 交通の軸:根室本線と国道38号が川と並行して走る。日高山脈を越える石勝線と日勝峠ルートが開通するまでは、道央と道東を結ぶ重要な交通路だった5
  • :北の深川市との境界にイルムケップ山(864 m)がそびえる。ほかに無名山(804 m)、神威岳(467 m)がある。赤平山(364 m)は歌志内市との境界に位置し、そこから北へズリ山の尾根が延びる56
  • :空知川のほか、ナエ川、幌倉川、赤間沢川、桂川などが流れる5
  • 土地利用:2025年の地目別面積は、田783 ha、畑184 ha、山林(課税対象)3,311 ha、宅地443 ha6
  • 森林:共和・幌岡地区とエルム地区の森林は、保安林として保護された水源林である。エルム地区にはエルムダムがあり、幌岡町には幹周約480 cmのミズナラがある25
  • 自然公園:参照した資料では、市内に国立・国定・道立自然公園は見当たらなかった。
  • 気候:赤平の気象庁観測値は見つからなかった。市は夏の平均気温を22.0 °C、冬の平均気温を−2.3 °Cとしている(2014年3月現在の数値)26。市の紹介によれば、ほかに次のような特徴がある26
    • 夏は30 °C近くまで上がる日もある。
    • 初雪は11月中旬〜下旬で、冬の積雪は1 mを超える。
    • 冷え込んだ朝にはダイヤモンドダストが見られることもある。
    • 桜は例年5月のゴールデンウィーク前後が見頃。

経済・産業

  • 就業者:2020年国勢調査の就業者数は4,045人。第1次産業182人(4.5%)、第2次産業1,066人(26.4%、うち製造業676人)、第3次産業2,784人(68.8%)6

  • 製造業:2021年の従業者4人以上の事業所は24、従業者数1,053人、製造品出荷額等は約188億円6

  • 主な企業(2025年末現在の従業員数と赤平での創業年)6

    • 空知単板工業:単板・化粧合板、135人、1972年。
    • エースラゲージ北海道赤平工場:スーツケース、105人、1971年。
    • いたがき:皮革製品、105人、1982年。
    • 北海道ちぬや:冷凍食品、95人。
    • ニッショウ:建材用部材、90人。
    • 岡田水産北海道:乾燥ししゃもなどの海産物、88人。
    • トルク精密工業:金属プレス部品、82人。
    • エリエールペーパー赤平工場:ティッシュ・トイレットロール、74人、1990年。
  • エリエールペーパー:北海道内に流通するエリエール製品のほぼすべてが赤平工場で製造されている。北海道限定の大容量「なまらたっぷり」シリーズもここでつくられる2

  • 植松電機(共和町230番地50)27

    • 建設・解体・リサイクル現場向けのバッテリー式リフティングマグネットを製造している27
    • 北海道大学とCAMUI型ハイブリッドロケットを共同開発している27
    • 2006年に微小重力実験塔を建設した。高さ約50 mからカプセルを落下させ、約3秒間の微小重力環境をつくる。同社によれば国内唯一、世界でも3か所しかない施設で、JAXA、三菱重工業、多くの大学などが利用している3
    • ロケット教室や修学旅行向けの体験学習を行っている。毎月の「第一土曜ロケット教室」は2026年度で終了する27
  • 農業:2020年の農家数は72戸、経営耕地面積は769 ha6。2025年の主な作物は次のとおり6

    • 水稲:411 ha、収穫量2,380 t。
    • そば:171 ha。
    • 小麦:34 ha。
    • 大豆:12 ha。

    北海道米の最高峰「ゆめぴりか」も栽培されている28。花卉栽培も行われている5

  • 観光:2025年度の集客数は次のとおり6

    • 火まつり:32,000人(うち花火大会15,000人)。
    • 赤平産業フェスティバル:6,200人。
    • らんまんフェスタ:2,806人。
    • エルム高原の各施設:延べ144,775人(うち温泉107,251人)。
  • 人口動向:2020年には65歳以上が住民のほぼ半数(49.6%)を占めた6。2025年の出生は17人、死亡は209人で、転出が転入を104人上回った6。JR赤平駅の乗車客数は2016年度の38,860人から2020年度には23,196人に減った6

  • まちの活性化

    • 観光の柱は炭鉱遺産で、エルム高原がそれに並ぶ5
    • 「赤黒のまちづくり」は、市名の「赤」と石炭の「黒」をイメージカラーとしている11。飲食店に赤黒メニューの開発を呼びかけたり、空き店舗のシャッターを赤黒に塗ったりしている29

特産品・名物

名物 分類 詳細・入手先
がんがん鍋 ご当地グルメ 豚ホルモンと豆腐、野菜を味噌ベースのスープで煮込む鍋。かつて炭鉱マンの家族が炭鉱長屋の石炭ストーブで煮込んで食べていた。ストーブをガンガン焚き、ガンガン煮込み、ガンガン食べて語り合ったことが名の由来。赤平の新名物として復活し17、「炭鉄港めし」の一つとして紹介されている30。焼肉のたきもと(茂尻中央町南1-7)や、カレーベースのがんがん鍋を出す八千代寿司(本町2-1、やすらい通り)で味わえる。珍来では「がんがんラーメン」も出している17
カツラーメン ご当地グルメ ラーメンにトンカツをのせた一品。炭鉱マンが手早くスタミナを補給できる食事として生まれたともいわれる。珍来(大町1-2)の澄んだ醤油スープのトンカツラーメンが名物で、7のつく日が定休日(土日祝の場合は営業)。ラーメン ふたご屋(平岸新光町5-9)でも食べられる17。『ドライブ・マイ・カー』の撮影スタッフも珍来で食事をした18
ホットレッグ 鶏の唐揚げ 滝本商店が独自のスパイスで味付けした骨付き鶏もも肉を、パリッと揚げたもの。地元の祭りでは2,000本以上売れる。焼肉のたきもと、AKABIRAベース、砂川ハイウェイオアシス館で購入できる2。AKABIRAベースでは週末限定で、石川パンのパンを使った「レッグバーガー」も販売している20
たきもとのジンギスカン・ホルモン 滝本商店のオリジナルダレに漬け込んだ羊肉と、みそダレの豚ホルモン20。ふるさと納税の返礼品にもなっている28
塊炭飴 菓子 石川商店の飴。北海道産ビート糖を使い、ニッキの香りをつけた黒い飴で、石炭の塊をかたどっている。第18回全国菓子大博覧会で大臣賞を受賞。市内のスーパー、コンビニ、AKABIRAベースで販売220
ロックパン パン 石川パンの、チョコレートでコーティングされた直径約15 cmのパン。一番人気で、すぐに売り切れる220
らんまんじゅう・秋楓美楽(あかびら) 菓子 1937年創業の日高屋製菓(本町1-2)の菓子。「らんまんじゅう」は特産の蘭にちなむ、黒糖入りの皮でこしあんを包んだまんじゅう。「秋楓美楽」は市の木・楓が秋に紅葉する様子にちなんで名付けられた、アーモンドをのせた生地でホワイトチョコレートを挟んだ焼き菓子216
胡蝶蘭 赤平オーキッド(百戸町西6-26、9:00〜17:00、12:00〜13:00は昼休み)で工場直売。エアープランツや多肉植物はAKABIRAベースでも買える1620
地元の農産物・加工品 農産物・加工品 赤平産トマトにニンジンを加えたミックスジュース「にじの里」、赤平産の大豆と米を使った「虹の糀 みそ」、トマトスープカレー、市内の牧場の羊乳を使ったアイス「ペコジェラ」、毎朝並ぶ地元の野菜。いずれもAKABIRAベースで販売20
いたがきの革製品 工芸品 1982年の創業以来、タンニンなめし革を使い職人が手作業で仕立てる鞄や財布。「鞍ショルダー」などの「鞍」シリーズがある。赤平本店(幌岡町113、10:00〜17:00)では、ガラス越しに工房の様子を見られ、併設のカフェでハンドドリップのコーヒーを楽しめる21631
スーツケース 工業製品 エースラゲージ北海道赤平工場が「プロテカ」シリーズを製造。2023年には赤平製スーツケースの自社ブランド「yezoLABO(エゾラボ)」を立ち上げた2
茂尻興産の商品 工芸品 木彫民芸品6と、オリジナルキャラクター「妖怪メロッキモッ」のグッズ。AKABIRAベースで販売2
ふるさと納税の返礼品 ふるさと納税 ゆめぴりか、たきもとのジンギスカンやホルモン、エリエール製品、エースラゲージのスーツケース、いたがきの革製品、春アスパラ、ペコジェラ、野菜の詰め合わせ、鴨鍋セット、冷凍コロッケ、子持ちししゃもなど28

文化・祭り

行事 時期 見どころ
あかびら春らんまんフェスタ 4月(2026年は4月25〜26日、9:00〜15:00) 会場は赤平市交流センターみらい(泉町1-1-33)で、入場無料32。赤平オーキッドなどの洋らんの展示・販売のほか、石川商店などが出店する10時からの「あかびら春のパンまつり」、キッチンカー、いけ花の展示や体験教室、缶バッジ制作体験、スタンプラリーがある33。前身にあたる「らんフェスタ赤平」は2023年度に5,465人を集めたのち終了した。らんまんフェスタの2025年度の来場者は2,806人6
あかびら火まつり 7月第3土・日曜日(2026年は7月18〜19日、第55回) 1972年に始まった赤平市最大のイベント。会場は総合体育館横の赤平市コミュニティ広場(東大町3-5)で、11:00〜21:303415。主な見どころ1526
• 「炭鉱の灯よ、永遠なれ」の願いを込めて、ズリ山に「火」の文字が点灯される。
• 赤フンランナーによるタイマツ火リレーと、火太鼓の演奏。
• 道内各地から約40のキッチンカーなどが出店する。
• 最終日には5か所から音楽に合わせて約5,000発の花火が打ち上げられ、錦カムロ(しだれ柳状の花火)がフィナーレを飾る。タオルを振るパフォーマンスがあるので、タオルを持参しよう。
2025年度の来場者は32,000人6
赤平産業フェスティバル 10月第2土曜日 農業・商業・企業が連携し、地元の農産物や製品を一堂に集めて販売・PRする26。2025年度の来場者は6,200人6
  • 郷土芸能と神社:住吉獅子舞は市指定文化財で、住吉獅子舞保存会が保存しており、住吉神社にゆかりがある5
  • 博物館:赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設には、旧炭鉱歴史資料館から移設した約200点の資料が展示されている。入館無料13
  • パブリックアート:エルム高原の彫刻公園には、彫刻家・流政之の作品10基が点在する。赤平開拓120年を記念して制作された「SAKIYAMA」のほか、「ATOYAMA」「ナガレバチ」「コロポックル」などがある16
  • 遺産の指定:日本遺産12のほか、観光協会によれば「空知の炭鉱関連施設と生活文化」が北海道遺産に選定されている23

アイヌ文化

参照した資料では、赤平におけるアイヌの人々の暮らしについての記録は少ない。わかっていることは次のとおり。

  • 地名:市名そのものがアイヌ語に由来し511、1936年以前の字名には平岸の旧名「ピラケシ」なども見られる5
  • 説話:「白蛇」「雪女」、アイヌ叙事詩(ユーカラ)などの説話が伝わる5
  • クマゲラ:アイヌの人々はクマゲラを「チプタチカプ」と呼び、道案内をする神として崇めていた。市のマスコット「ちぷ太」の名はこれに由来し10、観光案内所「AKABIRAベース」の入口が大きなクマゲラの形をしているのも同じ理由による20

参照した資料では、赤平市内にアイヌ文化の施設は見当たらなかった。

姉妹都市・友好都市

国内

  • 石川県加賀市:友好都市、1995年10月10日。1895年に赤平に移住した「加賀団体」の子孫が、ルーツである加賀市を訪れたことが交流の始まり24

海外

  • 大韓民国 江原道 三陟市:友好都市、1997年7月18日。同じ炭鉱都市で、1991年ごろから三陟市の技術者が採炭技術の研修に訪れていた24
  • 中国 湖南省 汨羅市:友好都市、1999年9月30日。中国からの帰国者を支援してきた民間団体「北海道赤平日中友好手をつなぐ会」と、1989年から続く汨羅市との交流が発展したもの24

ゆかりの人物

  • 鈴井貴之:俳優・映画監督・テレビ番組の企画制作者で、『水曜どうでしょう』の生みの親の一人。赤平市出身で、ドラマ『不便な便利屋』を市内で撮影した195
  • 大谷直人:元最高裁判所長官。赤平市出身5
  • 黒木亮:経済小説家、元箱根駅伝選手。赤平市出身5
  • 石飛博光:書道家。赤平市出身5
  • 三好鉄生:ロックシンガー。赤平市出身5
  • 髙島泰都:プロ野球選手。赤平市出身5

出典

本文中の番号は、この出典一覧につながっています。 数値は2026年9月23日時点のものです

  1. 赤平の炭鉱遺産 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  2. 特産品 — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  3. 微小重力実験塔 | 植松電機 — 株式会社植松電機 JA 閲覧日 2026-09-23
  4. 赤平市について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  5. 赤平市 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
  6. 令和7年版 赤平市統計書(全編) — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  7. 地区別人口集計表(総数)令和8年8月31日現在 — 赤平市市民生活課 JA 閲覧日 2026-09-23
  8. 令和8年全国都道府県市区町村別面積調(4月1日時点) — 国土地理院 JA 閲覧日 2026-09-23
  9. Akabira — Wikipedia EN 閲覧日 2026-09-23
  10. 赤黒のまちづくりマスコットキャラクター「ちぷ太」の使用方法について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  11. 赤平市ってどんなまち? — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  12. 「炭鉄港」が日本遺産に認定されました — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  13. 赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  14. ズリ山展望広場 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  15. 第55回あかびら火まつり — あかびら火まつり公式サイト JA 閲覧日 2026-09-23
  16. 観光スポット — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  17. グルメ — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  18. 'Drive My Car'....To Akabira — JAPAN Forward EN 閲覧日 2026-09-23
  19. ドラマ「不便な便利屋 2016 初雪」 赤平ロケが行われました。 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  20. 情報発信基地AKABIRAベース — AKABIRAベース JA 閲覧日 2026-09-23
  21. エルム高原リゾート|北海道の自然をダイレクトに楽しもう! — エルム高原リゾート JA 閲覧日 2026-09-23
  22. 日帰り温泉(エルム高原温泉ゆったり) — エルム高原リゾート JA 閲覧日 2026-09-23
  23. 炭鉱遺産を旅しよう — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  24. 友好都市 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  25. 赤平市の森林について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  26. 移住 まちの紹介 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  27. 植松電機|株式会社植松電機の公式サイト — 株式会社植松電機 JA 閲覧日 2026-09-23
  28. 返礼品のご紹介 — 赤平ふるさと納税(赤平市) JA 閲覧日 2026-09-23
  29. まちに赤黒を増やしましょう! — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  30. 炭鉄港めし特設サイトが開設されました — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  31. 鞄いたがき(ITAGAKI) — 株式会社いたがき JA 閲覧日 2026-09-23
  32. 【入場無料】あかびら春らんまんフェスタ2026の開催について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  33. あかびら春らんまんフェスタ2026 公式サイト — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  34. 第55回あかびら火まつりの開催について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  35. 777段日本一のズリ山階段 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  36. 空知川露頭炭層展望広場への行き方について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  37. うたしないチロルの湯 — 北の道の駅(北海道の道の駅公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  38. 本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命「炭鉄港」~(STORY #068) — 文化庁 日本遺産ポータルサイト JA 閲覧日 2026-09-23
  39. 住所等一覧 — 北の道の駅(北海道の道の駅公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  40. スタープラザ 芦別 — 北の道の駅(北海道の道の駅公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  41. たきかわ — 北の道の駅(北海道の道の駅公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
  42. 交通アクセス — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  43. 赤平へのアクセス — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  44. 移住 生活編 — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23
  45. 心に火がともるまち、赤平。|赤平観光協会 — 赤平観光協会 JA 閲覧日 2026-09-23
  46. 秋のヒグマ注意特別期間について — 赤平市 JA 閲覧日 2026-09-23