町 空知総合振興局
新十津川町 Shintotsukawa
しんとつかわちょう
新十津川町の名は「新しい十津川」を意味する。1889年(明治22年)の十津川大水害の後、奈良県の十津川を離れた2,489人が1890年(明治23年)に開いた町で、いまも十津川村を「母村」と呼んでいる123。現在は道内有数の米どころで、酒米の作付面積は道内の市町村で最も大きく、金滴酒造の蔵もある。また札沼線の終着駅があった町で、2020年(令和2年)の廃止前は1日1往復の列車しか走っていなかった456。
- 人口(2020年国勢調査)
- 6,484
- 面積
- 495.47 km²
- 郡
- 樺戸郡
主な特色
- 奈良の被災民が開いた町: 1889年8月の十津川大水害の後、600戸2,489人が北海道へ移り、1890年6月にトック原野へ入植した1。縁はいまも続き、2017年8月には奈良県・十津川村・新十津川町の三者が連携協定を結んだ2。
- 米と酒米: 米の作付面積は3,570 ha(2016年産)で道内5位。酒米の作付面積は北海道一4。
- 地酒「金滴」: 1906年創業の金滴酒造は、中空知で唯一の酒蔵519。
- 札沼線の終着駅: 2016年から新十津川駅の発着は1日1往復となり、9時40分発の列車は「日本一早い最終列車」だった。路線は2020年5月7日に廃止され、駅跡地は2023年に公園となった6。
- 『新十津川物語』: 移住の物語を描いた川村たかしの全10巻の小説(1978〜1988年刊)。1991〜1992年にNHKでドラマ化され、町には記念館がある2021。
- ピンネシリ: 町のシンボルの山。標高1,100 m17。
- ユニークな大会: 1月の雪まつりの「国際中華鍋押相撲選手権」22と、夏のふるさとまつりの「泥(デイ)ブリッジ選手権大会」23。
- 奈良の食文化: 高菜の漬物でご飯をくるむ吉野地方の郷土料理「めはりずし」が移住者とともに伝わった15。物産館の「レストランくじら」で味わえる24。
観光・アクティビティ
- 自然・景観
- 温泉
- 新十津川温泉・グリーンパークしんとつかわ(総進189-1、ふるさと公園内):弱アルカリ性単純温泉(源泉26 ℃、pH 8.13)。温度設定の異なる浴槽、バイブラバス、サウナがある。日帰り入浴は8:00〜20:00、大人600円50。運営会社は段階的に営業を終える予定で、ラウンジ・レストランは2026年9月30日、宿泊(素泊まり)は2026年10月31日で終了する。日帰り入浴は町の要請で2026年12月末まで延長され、2027年1月からは新十津川町総合振興公社が営業する予定3251。
- 吉野温泉: 市街地から国道451号を西へ車で約20分、吉野公園キャンプ場の向かいにある吉野地区活性化センター5233。
- 博物館・歴史遺産
- 開拓記念館・農業記念館(中央1-1):火〜日曜10:00〜16:00(金曜は13:00まで)。月曜休館、11月〜4月は冬期休館。入館料200円。収蔵庫は毎週日曜に公開28。
- 新十津川物語記念館(総進188-6、ふるさと公園内):4月29日〜10月31日は無休で10:00〜16:00。それ以外の期間は休館。入館料200円20。
- 文化伝習館: ふるさと公園内の展示・体験施設。陶芸、織物、草木染めを体験できる(要予約)。9:00〜17:00。4月下旬〜10月は毎日開館、冬期は月・火曜休館。入館料200円41。
- 五十嵐威暢美術館「かぜのび」: 103年の歴史を閉じた旧吉野小学校を改修した、滝川出身の彫刻家のアトリエ兼ギャラリー。作家のサイトによれば5月〜10月に公開され(月曜休み)、小さなショップとカフェもある53。町の観光周遊タクシーのコースにも入っている54。五十嵐氏は2025年2月12日に亡くなった55。
- 駅跡地さくら公園(中央18-2):2023年10月10日、札沼線跡地1.6 haに開園。旧駅のホームや線路を残し、五十嵐威暢作のオブジェ「テルミヌスの朝ごはん」がある656。
- 金滴酒造: 市街地にある蔵の直営売店19。
- アウトドア・季節の楽しみ
- ふるさと公園: 町内最大の公園で、大屋根休憩施設、噴水広場、ネット遊具、バーベキュー広場、新設の幼児用遊具がある57。野球場2面、テニスコート、パークゴルフ場、サッカーコート、スポーツセンター、温水プールもそろう58。春は桜や芝桜が咲く4259。
- キャンプ: しんとつかわキャンプフィールドは電源付きオートサイト11区画と、屋外焼肉コンロ付きバンガロー10棟。4月28日〜10月31日営業60。吉野公園キャンプ場は徳富川河川敷にある予約不要のフリーサイトで、テント1張500円。2026年は4月29日〜10月31日52。
- そっち岳スキー場(総進294-1):スロープ長330 m、標高差80 m、ペアリフト1基、夜間照明付きのファミリー向けゲレンデ。2025〜26年シーズンは12月13日〜3月20日で、営業時間は最長9:00〜21:0061。
- 観光周遊タクシー: 新十津川北星ハイヤーが通常運賃の半額で運行。「文化・芸術コース」は開拓記念館とかぜのびを巡る(約9,000円、約2時間、月曜不可)。「パワースポットコース」は新十津川神社と出雲大社新十津川分院を巡る(約5,500円、約1時間30分)。予約は0125-76-234554。
- 食の体験
道の駅
新十津川町に道の駅はない。北海道の道の駅の公式一覧(2026年9月時点で131件)にも町の名はない62。近くの道の駅は次のとおり。
- 道の駅たきかわ(滝川市):江部乙町東11丁目13-3(江部乙地区)62。
- 道の駅つるぬま(浦臼町):札幌から北へ約65 km、国道275号沿い。豆乳ソフトクリームのとうふ店、ぼたんそば、にんじんソフトなどがある。営業は10:00〜18:00(5〜9月)、10:00〜17:00(10〜4月)。月曜休館(2026年9月時点。訪問前に要確認)63。
- 道の駅田園の里うりゅう(雨竜町):国道275号沿い。雨竜沼湿原への入口64。
- 道の駅ハウスヤルビ奈井江(奈井江町)62。
町内で特産品を買うなら、くじらが目印の「新十津川物産館」(食路楽館〈くじらかん〉、中央5-1)が中心となる。道の駅には登録されていない。売店は10:00〜17:30(3〜10月)、10:00〜16:00(11〜2月)、12月31日〜1月3日は休館。2階の「レストランくじら」は11:00〜14:30(LO 14:00)で、月・火曜定休4024。物産館の売店ページには定休日の記載がないが、町のページは施設全体の定休日を月・火曜(祝日は営業)とし、所在地も中央5-1ではなく中央301-1としている65ので、訪問前に確認を。館内にはクジラの化石の骨格標本が展示されており、海のない町にくじらの看板がある理由がわかる4016。
アクセス・交通
- 鉄道: 2020年の札沼線廃止で、町内に鉄道はなくなった6。最寄りはJR函館本線の滝川駅で、特急で札幌から約50分、旭川から約30分66。
- バス: 北海道中央バスの「滝新線」が滝川ターミナルと町中心部を約10分で結ぶ6615。誠和運輸の「新十津川線」も石狩川橋経由で滝川と結んでいる15。滝新線と新十津川線は予約不要だが、町内線と砂川線は予約制。町内線と町外線は役場前で乗り換える。運賃は2026年4月1日に値上げされた67。ウィキペディアによれば、町が委託する路線(中央バスを除く)は現金やICカードが使えず、回数券・定期券のみ15。利用前に町の案内で確認を。
- タクシー: 滝川駅から約10分、片道1,800円程度66。
- 道路: 最寄りは道央自動車道の滝川IC。札幌JCTから約1時間、旭川鷹栖ICから約1時間、千歳ICから約2時間。札幌から国道275号経由なら約1時間45分66。町内を国道275号(空知国道)と451号(暑寒国道)が通る15。市街地から国道451号を西へ進むと吉野地区に着く52。石狩市の浜益滝川間乗合自動車(予約制)が町内を経由するが、町内で利用できるのは幌加地区のみ15。
- 空路: 新千歳空港から車で高速道路経由約2時間。旭川空港も利用できる66。
旅のヒント
- おすすめの季節: 5月上旬はふるさと公園の桜42。博物館やキャンプ場が開いている5月〜10月282060。7月下旬のふるさとまつり、10月上旬の味覚まつりと新米2338。1月下旬の雪まつりと中華鍋押相撲22。
- 季節の休館: 開拓記念館と新十津川物語記念館は11月〜4月下旬は休館2820。かぜのびの公開は5〜10月のみ53。
- グリーンパークの変更: 段階的な閉館に注意。食事は2026年9月30日、宿泊は2026年10月31日まで。日帰り入浴の営業が決まっているのは2026年12月末まで3251。ふるさと公園入口のサンヒルズ・サライにも客室とコテージ「VILLA徳富」がある68。
- ヒグマ: 町内にもヒグマが生息している。2026年には吉野・総進地区や中央の堤防付近で目撃や糞の報告があり、最新は9月18日。秋のヒグマ注意特別期間は9月1日〜10月31日。きのこ採りや登山では音を出し、早朝や夕方の薄暗い時間帯の行動を避け、食べ物は必ず持ち帰ること69。
- 冬: 空知吉野観測所では−30.2 ℃の記録がある35。雪の時期は石狩川の橋や国道451号の移動に余裕を持って。
- 観光案内: 観光協会の事務局は町役場の産業振興課(電話0125-76-2134)181。
写真
新十津川町についてもっと詳しく
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | 町。樺戸郡に属し、空知のほぼ中央、石狩川の右岸(西岸)に位置する7 |
| 振興局 | 空知総合振興局 |
| 郡 | 樺戸郡 |
| 人口 | 6,484人・2,543世帯(2020年国勢調査)。2015年から347人(5.1%)減少した8。2025年国勢調査の速報値は6,114人で、5.7%の減少9。住民基本台帳では2026年8月31日現在、6,058人・2,933世帯10。人口のピークは1955年の16,199人11 |
| 面積 | 495.47 km²127。東西35 km、南北30 km7。英語版ウィキペディアは古い数値の495.62 km²のまま13 |
| 人口密度 | 約12.2人/km²(2026年8月の住民基本台帳)。2020年国勢調査では約13.1人/km²(上記の数値から算出) |
| 沿革 | 1889年11月、移住民が村名を「新十津川」と定め、1890年1月に北海道庁令第1号で新十津川村が置かれた14。1902年4月1日に二級町村制、1907年4月1日に一級町村制を施行し、1957年1月1日に町制を施行した15。合併の経験はない。開町記念日(6月20日)は1985年に制定された16 |
| 隣接市町村 | 東は石狩川を隔てて滝川市、砂川市、奈井江町。西はピンネシリ山脈・増毛山脈を隔てて当別町、石狩市、増毛町7。このほか浦臼町と雨竜町にも接し、北の尾白利加川が雨竜町との境界1517 |
| シンボル | 町の木:オンコ(イチイ)。町の花:ツツジ。いずれも1972年9月制定16。1983年、町章・町旗を母村・十津川村と同じものとして成文化した1615。町の鳥は確認できなかった |
| マスコット | 観光PRキャラクター「とつかわ こめぞー」。剣道が特技で、いつもお酒を持ち歩く「お米の妖精」。愛読書は『新十津川物語』18 |
| 公式サイト | https://www.town.shintotsukawa.lg.jp/ |
地名の由来
- 新十津川はアイヌ語ではなく、「新しい十津川」の意味。奈良県吉野郡十津川郷からの移住民が「ここに新しい十津川をつくる」という思いと、故郷の文化を持ち続けたいという願いを込めて名づけた2513。
- トック・徳富: 入植前、この一帯はトック原野と呼ばれていた。石狩川と徳富川の合流点付近を指すアイヌ語「トックプト」に由来し、「トック」は凸起・凸出、「プト」は川の入り口を意味する。松浦武四郎は「突区」の字を当てた。移住民は初め「徳久」と書いたが、まもなく「徳富」に改め、川の名は「とっぷ」と読む。町は「富」の字に新村建設への願いが込められているとみている17。
- ピンネシリ: アイヌ語で「男の山」。すぐ東南にある「女の山」マツネシリ(標高1,002 m)と対になる17。町の伝承によれば、かつてアイヌの人々はこの山を「家の形をした山」を意味するチセネシリと呼んでいた。大嵐のときに山へ逃れて助かった人々が、高い山を男山(ピンネシリ)、低い山を女山(マツネシリ)と呼ぶようになったという26。古い資料には、チセネシリから「地勢根尻山」と記したものもある27。
- 町内のほかのアイヌ語地名: 幌加(ホロカ=後戻りする。上流で向きを変えて海のほうへ入る枝川)。留久(ルークシュペツ=道が通っている川。浜益へ抜ける旧街道が沢を通っていた)。和歌(ワッカウエンペツ=水の悪い川。地元では意訳して「泥川」と呼ぶ)。総富地(ソープチ=滝のある川の入口とみられるが、古いアイヌ語地名辞典は「ソプチ」とし、意味は判然としないとしている)。尾白利加(川尻に岩があってその上を流れる川)。志寸(ススンナイ=柳のある沢)17。
歴史
- 入植以前: 町の年表には、先史時代の遺跡やアイヌのコタンについての記述がない。1998年、総進不動坂遺跡から中期旧石器時代の石器が出土したと発表されたが、のちに捏造と判明した。2000年に発覚した旧石器捏造事件の一部で、2003年3月に捏造を確認する最終報告書が出された2115。
- 江戸時代の接触: 1857年に松浦武四郎がこの地を探索し、「石狩川日誌」で「突区の里」を詠んだ1517。松前藩時代の場所(交易拠点)については、参照した資料に記述がなかった。
- 1889年、十津川大水害: 1889年8月、奈良県吉野郡十津川郷を数日間の豪雨が襲った。山崩れで渓谷がせき止められ、やがて決壊した。死者168人、全壊・流出家屋426戸、耕地の埋没流失226 haの被害を出し、約3,000人が生活の基盤を失った1。開拓記念館は流失・全半壊家屋を610戸としている28。北海道長官の永山武四郎は奈良県知事に移住を勧める書簡を送った15。
- 1889〜1890年、移住: 600戸2,489人は1889年10月、3回に分かれて神戸から船で小樽へ渡った。市来知(現・三笠市)までは汽車、そこから空知太(現・滝川市)までは徒歩で、病人や老人、子どもは囚人に背負われた。空知太では建設中の屯田兵屋に1戸あたり4戸の移民が入って冬を越した。1890年6月、石狩川を渡ってトック原野に入植した。これが北海道で最初の殖民区画の実施例となった115。
- 明治の開拓: 原生林を伐り開き、1年目はソバや大根を作付けした11。1891年3月には小学校を2校建て、1895年には母村にならって私立文武館を開いた1114。1891年1月には母村・玉置神社の御祭神五柱を分霊してまつった14。1893年に水稲を試作し、1896年には製麻会社の製線所ができた。1897年には夜盗虫が大発生し、1898年には石狩川の大洪水に見舞われた。1901年にはソッチ川の奥で砂金が見つかった14。1890年代後半(明治30年代)からは、北陸地方などからの移住者によって水稲の作付けが本格化した11。1906年には90人の出資で新十津川酒造(現・金滴酒造)が創立された29。1908年には富山県出身者が獅子神楽を伝え、1910年には橋本町に陶器会社ができた14。
- 大正〜昭和前期、米どころへ: 大正期に人口は15,000人を超えた。冷害に強い水稲品種「玉置坊主」の開発で、道内でも第一級の米作地帯となった11。札沼線は1931年10月に中徳富(のちの新十津川駅)まで開通し、1935年10月に全通した30。水害もたびたび起きた。1950年8月の徳富川大洪水では、町の年表によれば4人が亡くなった30。ウィキペディアは当時の新聞を引いて、家屋14戸が流失し14人が行方不明になったとしている15。
- 1957年〜1980年代: 1957年1月に町制を施行した。1960年に新十津川ダムが完成したが、1961年と1962年にも石狩川の大水害が起きた30。1972年6月に札沼線の新十津川以北が廃止され、新十津川駅が終着駅となった16。1980年には開拓記念館が開館し、第1回ふるさとまつりが開かれた。1984年には幌加尾白利加川の上流でクジラの化石が見つかり、1988年に温泉ホテル「グリーンパークしんとつかわ」が落成した16。
- 1990年代: 1991年、くじらが目印の新十津川物産館が開館した。1991〜1992年にはNHKドラマ「新十津川物語」が放映された21。1995年5月には町を震源とする空知北部地震で西部地区が被害を受けた。1998年には3農協が合併してJAピンネが発足した21。
- 2000〜2010年代: 2002年に滝川市と結ぶ滝新橋が完成した。2011年の台風12号(紀伊半島大水害)では十津川村へ見舞金5,000万円を贈った。2014年4月に徳富ダムが供用を始めた21。2016年3月から新十津川駅の発着は1日1往復となった6。
- 2020年代: 新型コロナの緊急事態宣言で最終運行が繰り上げられ、2020年4月17日に最終列車が走った。路線は2020年5月7日に正式に廃止された631。2021年5月に新庁舎が落成した31。2022年6月7日には北海道が町内で初めてヒグマ注意報を出した15。また2022年には町のバス路線網を再編し、奈良県五條市と交流都市提携を結んだ31。2023年10月に「駅跡地さくら公園」が開園した316。2026年8月、グリーンパークしんとつかわの運営会社が閉館を発表した32。
地理・気候
- 地形: 町の東部は石狩平野の一部で肥沃な沖積土。西部は山岳地帯で、西北端に暑寒別岳、西端にピンネシリがある。町の中央を徳富川が西から東へ流れる7。2022年の土地利用では林地が57%、農用地が12.5%7。過疎計画は、森林が町の総面積の77%を占め、道有林を50%としている(森林に占める割合か町全体に占める割合かは明記されていない)3。
- 山: ピンネシリ(標高1,100.4 m)は当別町との境にあり、神居尻山、隈根尻山と並ぶ「樺戸三山」の一つで樺戸山地を構成する。山頂にはレーダー雨雪量観測所がある27。
- 川と湖: 石狩川が東の境、尾白利加川が雨竜町との北の境となっている。支流には総富地川や志寸川などがある17。吉野地区の留久貯水池(1960年完成の新十津川ダム)と、2014年に供用を始めた徳富ダム(トップ湖)がある17302133。
- 気候: 町西部の気象庁・空知吉野観測所(標高100 m)の平年値(1991〜2020年)では、年平均気温6.6 ℃、1月−7.0 ℃、8月20.4 ℃。年間降水量は1,608.7 mmで、最も多いのは11月(192.8 mm)と12月(186.9 mm)。年間日照時間は1,463.3時間34。最高気温の記録は36.8 ℃(2021年8月7日)、最低気温の記録は−30.2 ℃(1985年1月25日)35。同観測所は降雪の平年値を公表していない。
経済・産業
- 米: 稲作は耕地面積の約80%を占める。「ななつぼし」を中心に、「ゆめぴりか」の増産にも取り組む3。米の作付面積は3,570 ha(2016年産)で道内5位4。水稲収穫量は2020年に20,800トン3。いちばん多く作られているのは「ななつぼし」で、ほかに「ゆめぴりか」「ふっくりんこ」がある。新十津川町クリーン米生産組合を中心に、化学農薬を抑えた特別栽培米もつくられている4。
- 酒米: 1998年度から、学園地区・徳富地区を中心に酒造好適米の栽培に取り組み、いまでは酒米の作付面積・生産量とも北海道一34。主な品種は「吟風」と「きたしずく」。吟風で仕込んだ金滴酒造の酒は、2011年の全国新酒鑑評会で金賞を受けた429。町は2020年12月、酒米粉の活用に関する特許を取得した31。
- そのほかの農業: 畑作では麦、大豆、そばのほか、玉ねぎ、ミニトマト、スイートコーンもつくる。和牛の繁殖が稲作・畑作を補っている3。農協は1998年の合併で発足したJAピンネ21。2019年にスマート農業の実証コンソーシアムを設立し、実証に取り組んでいる213。
- 人口減少: 農家数は1997年の743戸から2020年には297戸に減った3。人口は1975年から2020年までに32%減り、2020年の65歳以上の割合は41.1%。町は2051年の人口を3,156人と推計している3。エゾシカや外来種のアライグマによる農業被害もある3。
- 商工業: 1906年創業、正社員9名、年間生産量約100 kLの金滴酒造19を除けば、目立った製造業は少ない。近隣市の大型店への消費流出が続く中、商店街各店でポイントカードを導入し、道内の商店街に先駆けて「ふれあい商品券」も発行してきた3。
- 観光: 町の指標「観光施設・イベント入込数(過去3年平均)」は、2019年度の168,000人から、コロナ禍の2020年度は107,000人、2021年度は96,000人へと減った33。2023〜2027年度の観光振興計画は、母村との縁、ふるさと公園、地元の食を柱に据えている33。
特産品・名物
| 特産品 | 分類 | 内容・入手先 |
|---|---|---|
| 地酒「金滴」 | 日本酒 | 1906年創業の金滴酒造(中央71-7)。ピンネシリから流れる砂金川にちなむ銘柄29。新十津川産「吟風」で仕込んだ3年熟成の純米吟醸「久醸(ひさかも)」、しぼりたて生原酒「初醸(はつかも)」、さだまさしラベルの大吟醸などがある36。直営売店は平日8:30〜17:30、土日祝10:00〜16:0019 |
| 米(ななつぼし・ゆめぴりか) | 農産物 | JAピンネの米。ななつぼし精米10 kgはふるさと納税の返礼品37。10月の味覚まつりでは新米ゆめぴりかを無料で試食できる38 |
| 酒粕ラーメン・徳富ダムカレー | ご当地グルメ | 物産館の「レストランくじら」で、金滴酒粕ラーメンと、酒粕チーズカレーを使った「徳富ダムカレー」(1,500円)が食べられる24。金滴酒造はグリーンパークの「レストランすばる」の酒粕ラーメンも紹介している19が、同レストランは2026年9月30日で営業を終了する32 |
| めはりずし | 奈良ゆかりの郷土料理 | 高菜でご飯を巻いた吉野地方の料理。レストランくじらの「とりめんセット」に付く2415 |
| 新十津川ザンギ | ご当地グルメ | 金滴の酒粕を使った「酒粕塩味」と、町内産米粉を使った「米粉醤油味」。2025年4月からレストランくじらの期間限定メニューとなった300 gのプレートがあり、売店では冷凍の食べ比べセットも売っている25 |
| 笹鮨 | 郷土料理 | 地元の「徳富笹」で包んだサバの寿司。お梅茶屋(中央7)5 |
| ホルモン・ジンギスカン | 肉 | 大畠精肉店(中央70)。ジンギスカンは玉ねぎやリンゴを使ったタレに漬け込む5。ジンギスカンセットはふるさと納税の返礼品37 |
| 狩人のソーセージ | 肉 | ドイツ仕込みのハム・ソーセージ店「ヴルストよしだ」(中央6-99)の品。塩蔵熟成したエゾシカ肉にグリーンペッパーを練り込む5 |
| フレーバーカントリーのソーセージ・ベーコン・ジャーキー | 肉 | 社会福祉法人の就労支援事業所が北海道産豚肉・和牛でつくる(中央27-4)5 |
| ノースランドレッドメロン | 果物 | JAピンネメロン生産組合の赤肉メロン。2010年に町の推奨農産品に決まった39。物産館で夏の贈答用として受け付けている25 |
| トマト・玉ねぎ | 野菜 | トマト(桃太郎)とJAピンネの玉ねぎも推奨農産品39。物産館ではトマトジュースも売っている40 |
| 屯田窯の陶器 | 工芸 | 陶芸家・清水裕幸氏が信楽粘土や道内産粘土を使い、穴窯の薪で焼く北海焼(総進187)5 |
| 徳富織・草木染め | 工芸 | ふるさと公園の文化伝習館で展示・販売し、体験もできる41 |
| みやげ菓子 | 菓子 | 米粉饅頭の「終着駅饅頭」、かぼちゃパイ「新十津川物語」、お米シロップ、金滴酒粕煎餅や酒蔵蒸しケーキ、くじら塩もちなど33 |
| ふるさと納税の返礼品 | ふるさと納税 | 例:JAピンネのななつぼし精米10 kg、ヴルストよしだのセレクトセット、大畠精肉店のジンギスカンセット、金滴酒造の大吟醸さだまさしラベルセット37 |
文化・祭り
| 行事 | 時期 | 見どころ |
|---|---|---|
| しんとつかわ桜マルシェ | 5月上旬(2026年は5月4〜5日) | 桜の季節のふるさと公園にキッチンカーが並ぶ。2日目は夜桜ライトアップ42 |
| 新十津川陶芸まつり | 6月中旬の土・日(第30回は2026年6月13〜14日) | 全道各地の陶芸家が農村環境改善センター「みらいえ」で作品を展示・販売する。手びねり体験は1,000円。2026年の来場者は約2,800人4344 |
| 野外慈善ビールパーティー | 7月の最終土曜日 | 夏のビールパーティー44 |
| しんとつかわふるさとまつり | 7月の最終日曜日。前夜祭として徳富川河川敷で花火大会(第38回は2026年7月26日) | 名物の「泥(デイ)ブリッジ選手権大会」は、農産物選果用のローラーコンベアーの上を板に乗って滑り、泥のプールにどこまで近づけるかを競う。優勝賞金は100,000円。獅子神楽や和太鼓の演奏、新十津川産牛肉の販売もある。2026年の来場者は約5,200人23 |
| 新十津川神社例大祭 | 9月4日 | 十津川移民が創建した神社の例祭45 |
| しんとつかわ味覚まつり | 10月の最初の日曜日(第27回は2026年10月4日) | 母村・十津川村産のブナシメジを使った特製きのこ鍋、挽きたて・打ちたて・茹でたての新そば、新米ゆめぴりかの無料試食、新米すくい取り。五條市による柿の販売もある38 |
| しんとつかわ雪まつり | 1月の最終日曜日(第33回は2026年1月25日) | 特大の中華鍋に乗り、雪で滑る土俵で押し合う「国際中華鍋押相撲選手権大会 -WAJIMA-」。冬鍋大会やジャンボすべり台もある。2026年の来場者は約4,200人。第34回は2027年1月31日の予定2218 |
| ピンネシリ登山マラソン(終了) | 7月上旬(1995〜2024年) | ふるさと公園からピンネシリ山頂までを往復する42 kmコースなどがあった。2022年には猛暑で42 kmコースの出場者の半分が途中棄権し、倒木や路面悪化で棄権者の移送も難しくなったことから、2024年7月7日の第30回大会で終了した46 |
- 郷土芸能: 新十津川獅子神楽は1908年、富山県出身の移住者が伝えた。日露戦争後の青年に健全な娯楽を与えるためだった。新十津川神社(旧・玉置神社)の例大祭で奉納され、1983年に町の無形民俗文化財第1号に指定された47。1980年には新十津川おどり保存会が設立された16。観光振興計画は、徳富太鼓や例大祭の神輿渡御も伝統として挙げている33。
- 剣道: 文武両道を尊ぶ十津川の気風は、町の剣道場「尚武館」などに受け継がれている1133。2005年には町の中学校剣道部が全国大会で準優勝した21。
- 神社・寺院: 新十津川神社(中央37)は十津川の玉置神社の五柱をまつる。1891年に移民が分霊をまつったのが始まり。1898年の水害で現在の高台に移り、1915年に社殿を新築、1967年に現在の社名となった。1990年の鎮座100年には母村から杉・檜材が奉納され、社殿を改修した45。このほか出雲大社新十津川分院があり4833、寺院には光台寺、弘法寺、円満寺、安楽寺などがある15。
- 文化財: 1894年の玉置神社奉祀の様子を描いた油彩の絵馬。露店や撃剣、射撃、踊りに興じる村民の姿が描かれている。2002年に町の有形文化財第2号に指定され、開拓記念館で展示されている49。
- 博物館: 開拓記念館は開町90周年を記念して1980年に建てられ、母村・十津川村の歴史を含む7つのテーマで展示している。農業記念館は1921年の信用購買組合の建物の外観を復元したもの28。新十津川物語記念館は外観を文武館に見立てた建物で、原稿やNHKドラマの衣装、38分のダイジェスト映像を公開している20。
アイヌ文化
姉妹都市・友好都市
ゆかりの人物
- レオナルド熊: 喜劇俳優。町の出身15。
- 鉢呂吉雄: 政治家。町の出身。衆議院議員を7期、参議院議員を1期(2016〜2022年)務め、2011年には短期間、経済産業大臣を務めた1570。
- 西田信春: 町出身の平和活動家。1933年、警察の拷問により死亡した。大和の西田公園に碑がある15。
- 川村たかし: 『新十津川物語』の作者。同作は産経児童出版文化賞大賞と日本児童文学者協会賞を受けた20。
- 新十津川町応援大使: 推理作家の西村京太郎(2018年委嘱、2022年逝去)は、十津川警部シリーズの一作で札沼線を舞台にした。彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢(2019年委嘱、2025年逝去)、シンガーソングライターのさだまさし(2019年委嘱)。西村とさだは十津川村の観光大使も務めた5515。
出典
本文中の番号は、この出典一覧につながっています。 数値は2026年9月23日時点のものです
- 開拓史(前編) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 奈良県、十津川村、新十津川町連携協定PR事業 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川町過疎地域持続的発展市町村計画(令和8年度~令和12年度) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川のお米 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 優良特産品(おみやげ) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川駅 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- まちのすがた(新十津川町の特徴・概要) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和2年国勢調査結果(確報値)報告 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和7年国勢調査速報 北海道の人口・世帯数 — 北海道総合政策部計画局統計課 JA 閲覧日 2026-09-23
- 住民基本台帳人口(住民基本台帳人口・世帯数 毎月、2026年8月31日現在) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 開拓史(後編) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 令和8年 全国都道府県市区町村別面積調(1月1日時点) — 国土地理院 JA 閲覧日 2026-09-23
- Shintotsukawa, Hokkaido — Wikipedia EN 閲覧日 2026-09-23
- あゆみ:明治 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川町 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- あゆみ:昭和(後期) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 地名辞典 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- PRキャラクター「とつかわ こめぞー」 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 会社概要/金滴の歴史 — 金滴酒造株式会社 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川物語記念館 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- あゆみ:平成 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しんとつかわ雪まつり — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しんとつかわふるさとまつり — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川物産館 レストランくじら — 株式会社新十津川総合振興公社 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川物産館┃北海道・新十津川町の情報発信スポット/売店/食堂 — 株式会社新十津川総合振興公社 JA 閲覧日 2026-09-23
- ピンネシリの由来 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- ピンネシリ (新十津川町・当別町) — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- 開拓記念館 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 金滴酒造 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- あゆみ:昭和(前期) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- あゆみ:令和 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 【重要】営業終了(閉館)について(2026年8月3日) — 美緑の宿グリーンパークしんとつかわ JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川町観光振興計画(令和5年度~令和9年度) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 空知吉野 平年値(年・月ごとの値) — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 空知吉野 観測史上1~10位の値(年間を通じての値) — 気象庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- 金滴酒造株式会社 - 金滴の酒 — 金滴酒造株式会社 JA 閲覧日 2026-09-23
- ふるさと納税 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しんとつかわ味覚まつり — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 推奨農産品 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川物産館 売店 — 株式会社新十津川総合振興公社 JA 閲覧日 2026-09-23
- 文化伝習館 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- ふるさと公園「しんとつかわ桜マルシェ」開催 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 第30回新十津川陶芸まつり — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- お祭り年間スケジュール — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川神社 — 北海道神社庁 JA 閲覧日 2026-09-23
- ピンネシリ登山マラソン — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川獅子神楽 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 出雲大社新十津川分院 — 出雲大社新十津川分院 JA 閲覧日 2026-09-23
- 絵馬・玉置神社奉祀之景 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 温泉|美緑の宿グリーンパークしんとつかわ — 株式会社グリーンパークしんとつかわ JA 閲覧日 2026-09-23
- 日帰り入浴の営業期間の延長について(2026年9月13日) — 美緑の宿グリーンパークしんとつかわ JA 閲覧日 2026-09-23
- 吉野公園キャンプ場 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- かぜのび / Kazenobi — 五十嵐威暢 Takenobu Igarashi JA/EN 閲覧日 2026-09-23
- 町内観光周遊タクシー — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 新十津川町応援大使 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 駅跡地さくら公園(遊具紹介) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- ふるさと公園のご案内 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- ふるさと公園施設ガイド — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- [春] ふるさと公園 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- しんとつかわキャンプフィールド — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- そっち岳スキー場 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 住所等一覧 — 北の道の駅(北海道の道の駅公式総合情報サイト) JA 閲覧日 2026-09-23
- つるぬま — 北の道の駅 JA 閲覧日 2026-09-23
- 田園の里うりゅう — 北の道の駅 JA 閲覧日 2026-09-23
- 物産館(おみやげ) — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- アクセス — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 公共交通の時刻表・利用案内 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 【公式】サンヒルズサライ|北海道新十津川町のホテル — サンヒルズ・サライ JA 閲覧日 2026-09-23
- ヒグマ情報 — 新十津川町 JA 閲覧日 2026-09-23
- 鉢呂吉雄 — Wikipedia JA 閲覧日 2026-09-23